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TORGリプレイ

『Be Strong』

第三幕

 
GM:第三幕では、オリンピアが開催されます。これは武闘大会の形を取った儀式であり、決勝までの途中経過は究極的に言うと出来レースです。だって、誰が上がってこようと、無敵のネテルがぶち殺して終わるわけですから。

強力:ブンッ。

スレブ:グシャアッ。

GM:強力は勿論ですが、スレブも、決勝まで上がってくれば、何かあった時に対応できます。

スレブ:儀式の妨害が。

GM:とはいえ、この場における最高権力者であり、治外法権の立場を持っているアブラーム王子が、ナタティリに籠絡されている以上、表立っての手段で、これを止めることは大変難しいです。

アン:まぁそうだね。

強力:物理的に儀式を叩き壊すしかないって感じか。

ディ:大会の中で。

スレブ:レギュレーションに沿った形で、ってことだね。それはそれとして、フランソワに、声を掛けておきたいな。

GM:いいですよ。ではスレブのシーンから始めましょう。

 
シーン1 傾聴

 
 アブラームオリンピア、武の祭典と知の祭典の開幕を、間近に控えた朝。
 スレブは、フランソワと初めて会った公園で、フランソワと並んで、空を眺めていた。
 

スレブ:「フランソワ。神というものは、この世のありとあらゆるものに、あまねく存在している。それは、感じようと思えばいつでも感じられ(*15)、そして、出会うことができるものだ。・・・そなたは、神を直接召喚して、対話せんとしている。本当に、その覚悟はあるのか?」

GM/フランソワ:「わたしは感じたことはないけど、神様が、どこにでもいるっていうのはわかる」
 

 フランソワにとって、世界の全ては、数学の美しい法則で表現できる。
 故に彼女は思う。世界には、その法則を決めた人が、きっといるに違いない。
 

GM/フランソワ:「こんなに素敵な世界を創ってくれた人がいるんだったら、わたしは会ってみたい。何故なら、その人だったら、きっとわたしとお話ができるから」

アン:・・・・・。

スレブ:「ふむ、実に素晴らしい。是非、ラナーラ様に会わせてあげたいものだ。しかし、この場で行われるのは、どうやら異教の宗教、そして異教の神の召喚のようだ」

GM/フランソワ:「神様っていっぱいいるの?」

スレブ:「いや、ひとりだけだ」(笑)他の神様を信じてる人は、異教というか、まだラナーラ様の真実に気づいてないだけだ、っていう認識なんで。

GM:そうですね。リビングランドでは、神様=ラナーラ様なので、他の言葉がないんです。そしたら、この流れで先に質問させてください。「ラナーラ様って、どんな人なの?」

スレブ:「愛おしいお方だ。彼女も、我らと同じように、昔はひとりであった。その寂しさに耐えきれず、様々な美しいものを創り出した。彼女はそれによって力を使いすぎてしまったために、美しい自然や、美しい体験を感じることができない。我らは、彼女に代わり、彼女が創り出してくれた美しい世界を楽しみ、そして、生きるのだ」

GM/フランソワ:「じゃあスレブは、ずーっと、ありがとう、って言ってるんだね!」

スレブ:「ああ。信仰とは、感謝の気持ちだ」
 

「会って、お礼が言いたいな」フランソワがぽつりとつぶやく。
 スレブと、彼女を見守るアンが感じ取ったのは、「寂しいな」という感情だった。
 

スレブ:「それは実に良い心がけだとも、フランソワ。しかし、せっかくラナーラ様に会うのであるから、もっと美しいものに目を向けてはどうだ」

GM/フランソワ:「・・・・・」

スレブ:「そなたは、自然や物の中にそれを見つけるのは得意なようだが、人との関わりの中にそれを見つけるのは苦手なようだ。我はそれを、教えてやりたいと思っている」

GM:そしたら、あなたの言うことは嬉しいけど、どこかに引っかかるところがあるみたいで、「スレブは優しいけどね」って言って、数字を交えて話し始めます。

スレブ:?!

強力:彼女の中で、完成された数式でね。

GM:そう。あなたには数字の概念がまずないから、何を言ってるんだか全然わからない。多分、難しいことからどんどん簡単なことを話してるんだろう、というのがニュアンスでわかる。

スレブ:易しく理解させようとしてるんだろう。

GM:でも、やっぱりあなたが全然わからないから、だんだん、泣き笑いの顔になります。「ね? わかんないでしょ?!」

アン:・・・・・。

スレブ:「なるほど。そなたには、随分高い世界が見えているようだな。我は確かにそれを共有することはできない。しかし、隣に立つことはできる」

GM/フランソワ:!

スレブ:「それほどの才能だ。今まで随分と孤独であったのだろう。しかし、わからないからといって、そなたの隣に立てないということはない。わからないとしても、我はそなたの話に耳を傾けよう。そなたの気持ちに真剣に向き合おう。それではダメか?」

ディ:・・・・・。

GM:〈魅了〉と〈信教〉の合わせ技かな。一度の判定で、同じボーナスをそれぞれに足します。高い方がいいですよ。

スレブ:了解です。〈魅了〉技能はないから《魅力》と〈信教〉で。(コロコロ)14。ポシります。

GM:消しません。

スレブ:(コロコロ)2かー。最低10扱いで24。+8で、〈信教〉25、〈魅力〉15です。
 

 フランソワは、一旦瞳をギュッと閉じてから空を見上げる。
 彼女の中に、確固たる決意が生まれる。
 

スレブ:「その様子だと、どうやら、神に会うという気持ちに変わりはないようだな」

GM/フランソワ:「うん」

スレブ:ふてぶてしく笑って、「見ているがいいさ。我はこの場では、神事においても、そして降ろされる神においても、外れ者のようだ。だが、たとえ世界から外れていようが、神は全てをご覧になっておられる。こちらが、神の目に留まるような体験をすれば、神は自然と振り向くはずさ。まず、己の心が動かされない限り、神の心も動かされないものだよ」そう言って、闘技場の方に向かうかな。

GM:おおー。あなたの言葉は、気持ちは、フランソワにすごく伝わった気がします。

 
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