Eternal Smile > The Doll Festival
 

　当サイトでは、キリ番を踏んでくださったお礼として、３つのお題に基づいてシナリオを創り、進呈させていただくことにしました。見事王台の１０，０００ヒットをゲットされたコーディさんは、モンスターメーカーに関わりのある占いカード「ナルドのカード」を使って、お題を決めてくださいました。

• 鎖
• チェス盤
• 操り人形

　各カードの意味は、コーディさんのサイト『リフレクション』にて紹介されています。詳細はそちらを見ていただくとして、「鎖＝血縁、束縛」「チェス盤＝運命を操る者」「操り人形＝傀儡」というイメージでシナリオ化してみました。ものすごーく時間が掛かってしまって、ゴメンなさい！

参照：ガラクタ箱＞Toy programの下から２番目「ナルドのカードデータ」

　なお、本文中に出てくるキャラの名前をクリックすると、公式サイト内の画像へ飛びます（直リンクしています）。無断複製は絶対にしないでくださいね。
 

はじめに

　これは、ＴＯＲＧではなく 『モンスターメーカーリザレクションＲＰＧ』用のシナリオです。シナリオ中の行動によっては、終了時に「ドラゴンプライズ」を獲得します。このプライズは、キャラクターがドラゴンライダーへ転職するための条件です。
 

ストーリー

【起】
　ドラゴンライダーが住むと言われている「硫黄の山」を目指して旅を続けてきたパーティは、クルアフ山地にあるクリール村に到着しました。地図で見ると、硫黄の山は村から目と鼻の先。しかし村人たちはドラゴンの話をタブー視しており、情報を集めようとするキャラクターを冷たくあしらいます。
　それでも何とか食糧などを調達し、硫黄の山へ挑むパーティ。この山には猟師も近づいてはいけないことになっているらしく、そのせいか、今まで旅してきたどの山より、鳥も動物も豊富なように思われます。

　落葉林の中をしばらく歩いたところに、落とし穴が掘ってあります（感覚判定に成功すれば発見できます）。全員敏捷判定を行い、失敗したキャラクターはその中へ落ちてしまいます。穴はかなり深く、底まで５ｍほどあります。助け上げようとしたその時、上空からばっさばっさと翼の羽ばたく音が聞こえます。ブレスと石化攻撃が脅威の、コカトリスです。コカトリスは交渉には一切応じず、穴の上のキャラクターに襲いかかってきます。
　パーティが苦戦を強いられていると、青い服に身を包んだ戦士風の少女が現れ、コカトリス撃退に力を貸してくれます。

「私の名はデイアーネ。ヘリオス兄様を探しているの」

　少女はこう名乗り、キャラクターを穴から引き上げるのを手伝ってから、旅の安全を祈って去っていきます。彼女と別れた後、知性判定に成功すれば、「あなたの記憶にある彼女とは、どこか違う」こと、すなわち、彼女のシンボルとも言える、神の力が秘められている斧「ホリィアックス」を持っていなかったことに気づきます。
 

【承】
　コカトリスの難を逃れ、一息ついたパーティの頭上に、大きな影が差します。銀色の鱗を持ったドラゴンです！　ドラゴンはぐるりと大きく旋回し、山の向こうに姿を消します。
　辺りを少し探すと、ドラゴンが飛び去った方向へ続く踏み分け道が見つかります。その道は通る人が殆どいないようで、落ち葉と下草に埋もれて消えかかっています。高低差はあまりなく、行けども行けども同じような風景が続きます。いい加減歩くのに飽きてきたその時、前方に小屋が現れます。

　小屋の前にある木には、ネットが落ちてくる罠が仕掛けてあります。不用意に近づくとネットに囚われ、木の枝からぶら下げられてしまいます。ぴーんと張ったロープが鳴子綱を引き、大きな音が鳴り響きます。程なくひとりの人物が小屋から飛び出してきます。手には物々しい装飾の施された剣、肩には羽飾り、そして頭には一本の角。

「お前たち、何者だ？　こんなところへ何しに来た？」

　知名度チェックに成功すれば、それが誰だか判ります。ユニコーン族の生き残りであり、銀竜という名のドラゴンと心を通わせるドラゴンライダー、ハーゲンです。ハーゲンは、パーティが銀竜へ危害を加えに来たのではないかと疑い、警戒心むき出しの表情を見せます。しかし、「ドラゴンに会いたくて来た」などと訴えて真摯に説得すれば、それに応じてくれます。
　なお、ここで「ドラゴンライダーになりたい」と主張した場合、そのキャラクターはハーゲンにスリングの腕試しをされます。的を狙った射撃（命中判定）と、ウサギ狩り（感覚、勇敢、命中判定）の両者を行い、成功すれば銀竜の卵を貰えることになります。その卵と心を通わせ、孵化を見守ることが、ドラゴンプライズを得る条件です。
 

【転】
　ハーゲンの案内で、パーティは、山の斜面にぽっかりと開いた洞窟へやって来ます。奥にドラゴンの産卵室があり、銀竜もここにいるとのこと。しかし洞窟には、思わぬ先客がありました。階段の下に向かって、真新しいブーツの足跡がついているのです。それに気づいた直後、ハーゲンが苦しげな声を上げて膝をつきます。さらに、洞窟の奥からドラゴンの咆哮が聞こえてきます！

「銀竜のところに、女がやって来て、突然、斬り掛かられた。毒を、使われた。
　頼む、銀竜を助けて、くれ・・・！」

　ハーゲンは銀竜の痛みを自分の痛みとして感じており、やっとの思いでこう伝えます。
　産卵室では、銀色の鱗を持った美しいドラゴンが、首と尻尾を振り回して暴れています。見境をなくし、自分自身をも傷つけそうな勢いです。そして、それを冷ややかに見ていたのは・・・先ほど出逢ったデイアーネでした。

「あら、奇遇ね。あなたもドラゴンを殺しに来たの？　ヘリオス兄様をさらったドラゴンを」

「ドラゴンと、一緒の筈なのよ、兄様は。私は、兄様を、捜してるの。邪魔、しないで！」
「兄様と会って、それから・・・それから・・・？」
「ディアーネ？　違うわ、私の名前はデイアーネよ」

　実はデイアーネは、魔女ミッドガルダがレオスリック王女ディアーネの姿形を真似て、戯れに創った、カラクリ人形です。自分がヘリオスの妹であると暗示を掛けられ、人里離れた山中で、決して成果の上がらない人捜しを続けていたのです。
　デイアーネのＨＰが半分以下になると、産卵室の中に尊大な女性の声が響きます。

『やれやれ、もうおしまいかぇ。まあよい。お前のような出来損ないでも、それなりに楽しませてくれた。だが、妾のコレクションに、出来損ないは不要。そのまま壊れてしまうがよい』

　声の主は、産卵室の隅に潜む１匹のヘビ。これはミッドガルダの使い魔です。ミッドガルダは、ヘビの目を通じて、デイアーネとパーティの一連のやり取りを傍観しています。苦痛に顔を歪ませつつ、階段を降りてきたハーゲンは、この声を聞いて硬直します。そして、デイアーネは、更なる狂乱状態に入ります。

「壊、れる？　コワ、レル・・・いやあぁぁぁっ！？」
 

【結】
　ＨＰ、ＭＰ、「意志：ヘリオス兄様を捜す２０」のいずれかが０になると、デイアーネは、糸の切れた操り人形のように崩れ落ちます。ヘビはいつの間にか姿を消しています。
　または、ヘビを攻撃してＨＰを０にした場合も、デイアーネは動きを止めます。ぺたんと地べたに座り込んで、無言でぼんやりと虚空を見つめ続けます。

　銀竜の傷は、プリースト魔法「解毒」、ヒーラーのアクション「解毒」、若しくは一般アイテム「解毒剤」を使えば治せます。手当てをしていると、痛みが消えてようやく動けるようになったハーゲンが呟きます。

「出来損ない、か。くっ・・・母さま・・・」

　ハーゲンは、銀竜の生命を救ってくれたことに感謝し、もし望むならば、銀竜が卵を産んだ時、その卵と心の結びつきを持てるかどうか試してもいいと言います。この申し出を受ける場合、キャラクターは硫黄の山に残り、卵の孵化を見守って、ドラゴンライダーとしての生活を始めることになります。
 

Illustration Copyright (C) 1988-2011 Kugatsuhime(九月姫). 禁無断複製
「モンスターメーカー」は、有限会社翔企画の登録商標です。

→back to Eternal Smile