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TORGリプレイ

『太陽のまわり道』

 

第一幕

 
シーン5 Je vous demande
 

捨て台詞を残して退散するショックトルーパー。
ユウイチに庇われていた少女ソレイユは、好奇心に満ちた瞳でロンへ歩み寄る。
その耳元で、赤いピアスがキラリと光る。
 

GM/ソレイユ:「おにーさんって、つよかったんですね」(笑)

ロン:最初は何だと思ってたんだ、と思いつつ。「武道家だからな」

GM/ソレイユ:「ブドウって、なんですか?」

ロン:「矛を止めると書いて武と読む。その道のことだ」・・・絶対理解できないと思うんだけど(笑)。

GM/ソレイユ:「むずかしすぎて、わかりません」

ユウイチ:「えーと、騎士道とかは解るかな? それと武器が違うだけで、その道の筋の人だ」

GM/ソレイユ:「もうすこし、かんたんにせつめいしてくださいよお、ミシェルおにーさん」

ライアン:ちょっと待て、ミシェル?

メイ:来たー! ひょっとしてこれはアレか?

ロン:「ミシェルお兄さん?」俺に向かって言ってます?

GM:はい!

ロン:「・・・誰?」(笑)

ライアン:つまり、“人物誤認”!

ユウイチ:「ロンさん。あなた、ミシェルという名を持ってるんですか?」

ロン:「ないないないない。アメリカ系中国人だけど、そんな名前はない」

GM:因みに、マックス・ボルテージは、まだ気を失ったままです。かなりの大怪我なんで、誰か何とかしてやってね。

ロン:何でお前がヒロイン属性なんだよ。こーいう時に気を失ってるとかさ。

GM:それはほら、ソレイユを庇って、とか、そういう風に考えましょうよ。

ユウイチ:え、ソレイユちゃん庇ったのは私だもん。ただのマヌケ?

メイ:早く手当てをしないと!

ユウイチ:では〈応急手当て〉しときましょう。「おい、マヌケ、生きてるか?」(コロコロ)達成値14。

GM:とりあえず出血は止まって、目を覚まします。

ユウイチ:包帯がなくなっちゃったんで、そこら辺に落っこってた、何かの布切れで巻いております。

リリアン:きちんと後で病院へ運ばないと、感染が怖いな。

GM/マックス:「うっ、うう・・・レルムランナーのキミ」

ユウイチ:「えっ? まあ、レルムランナーですね。でも、私はただの運送屋ですから・・・」

GM/マックス:「頼みがあるんだ。ソレイユちゃんを、イングランドまで連れて行ってあげてはくれないか?」

ライアン:「(横から)えー、金は幾ら払える?」

ユウイチ:「こっちも航空機を使う以上、お金が掛かっちゃうんだよね。特に燃料代って高いんだよね。航空燃料は最近値上がりしてるし」

GM/マックス:「解った! 僕の全財産5ロイヤル(*17)でどうだい?」(笑)

メイ:ロケットレンジャーと同じ金額だ!

ロン:よかったな。持ってるだけマシな方だ。

GM/マックス:「あの子の手を取った時、衝撃が走ったんだ。この子は何か、辛い宿命を背負っているに違いない。命に代えても守ってあげたい。そう思ったよ」

ユウイチ:それは置いといて、ソレイユちゃんの方を向いて、「キミのお家はどこ? イングランドだよね?」って確認してみよう。

GM/ソレイユ:「おうち、ですか? いいえ、フランスのドンレミィです」

ユウイチ:「ということは、イングランドに行きたい理由は? それによっては、私も行かせる行かせないを考えなきゃいけませんから」

GM/ソレイユ:「フランスを、すくうためだと、おねえさんがいっています」

一同:お姉さん?

ライアン:お姉さん、とは?

GM/ソレイユ:「はい。ソレイユにときどきよびかけてくるんです」

ロン:「呼び掛けてくる? 頭の中で声がする、そういうこと?」

リリアン:電波系?

GM/ソレイユ:「『フランスを、すくうためには、じょおうへいかに、あわなければいけない』」

ライアン:えっと、この世界で女王陛下と呼び慣わされている人物は、アーディネイ女王以外、いない筈だよね?

ロン:あとは、イギリスの女王様も、ご健在です。

ユウイチ:はて、どっちに会いに行ったらよいものか。

メイ:イングランドってのは、アイルの勢力下でしたっけ?

GM:そうです。

メイ:イングランドに連れてってくれ、女王陛下に会わなければいけない、しかも、電波を送って来るとなると、ペラ・アーディネイ女王ってのが、妥当な線ですよね。

ライアン:電波って(苦笑)。

ロン:天啓とか、テレパシーってことにしておけば。

ユウイチ:しょうがないか。「連れて行くだけなら、私はいいんですけど、ただ護衛がいませんからねぇ」

メイ:「だったら!」ドンと胸を叩いて、「私が護衛を引き受けるわ! マックス・ボルテージが助けた女の子ですもの!」

GM/マックス:「ナイスだっ! うっ、ゴホゴホ」

ライアン:「えー、長生きしたければ、軽薄な喋り方をまず何とかしろ」(笑)

ユウイチ:ゴメン、それは演出的に無視させてもらって、隣を見る。

メイ:えー? スルーされた!

ユウイチ:「ロンさんぐらいの人が来てくれるんだったら、心強いんですけどねー」

ロン:取っ付き悪いよ。愛想ないよ。俺ニッポンテックだから。

GM/ソレイユ:「ロン、さん? ミシェルおにーさんではないのですか?」

ロン:「誰のことだそれ? 今は何だ、他人の空似が流行ってんのか?」(笑)

ライアン:そうだな、確かにここにもいるし。

GM/ソレイユ:「きょうかいにつれていかれた、おにーさんですよ」

ライアン:えー、待て、教会?

ロン:教会っつったら、サイバー教会だよな。

リリアン:ライアンと2人でこう視線を合わせて、ギラリ。

ライアン:ギラリ!

リリアン:「どうやら、行くしかないようね」

ロン:頭を指差して、「・・・似てるのか?」(笑)

メイ:弁髪のフランス人。

GM:「あれ、こんなのがついてるんですね」と言って引っ張る。

ロン:「痛い痛い痛い! やめやめやめやめ! 飾りじゃねぇから、それ」

GM:「あっ、すみません!」ぱっと離す。

リリアン:つまり、おさげがないだけで、あとは瓜二つってことね。

ロン:ビックリだな。よくフランスでそんなカッコで生きてられるな。連れて行かれたみたいだけどな。

メイ:カッコのせいだ、きっと!(笑)

ライアン:この異端め! って、間違いなく言われるだろ。

ロン:どこどこ家の出とか、財産がある、とかそういう特別なことがあったりするのか?

ユウイチ:訊いてみましょう。「キミは普通の家の子かな?」

GM/ソレイユ:「はい、うちはのうかです」

ライアンユウイチ:農家?

リリアン:・・・・・(思案顔)。

ユウイチ:そうすると、家からお礼に農作物でも貰えれば、それなりの稼ぎには、なるかな。さらに、女王様にご面会して、うまく立ち回れば儲けになる。

ライアン:えー、教会が関わっているということを聞いた段階で、サイバー教皇領出身の2人は行く気満々ですが。

ロン:偉いなぁ、素晴らしい。

ライアン:だって教会はこの2人にとって、倒すべき敵だもん。

メイ:で、どうやらこの女の子は、教会の手に渡してはいけないっぽい。だったら。

ユウイチ:イングランドに行くべき、ってこと?

ロン:まぁ、そうなるか。

ユウイチ:じゃあ、行きますか。どっちみち次の仕事決まってないし、燃料費が稼がれるかもしれないから。

ロン:「えー、金になんねぇのかー」みたいな顔をしてて、またおさげを引っ張られて、「痛ぇ、いてぇ、いてぇ!」とか言いながら(笑)、ついて行きます。

リリアン:悟空だ、悟空だ。

GM:はい、ここで第一幕終了です。ポシビリティを皆さんに1点ずつ差し上げます。“人物誤認”のサイドストーリーが起きているライアンとロンの2人は、2点どうぞ。

ロン:わーい。
 

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