Eternal Smile > Christmas Carol
TORGプレイレポート
『Christmas Carol』
限りなく今に近い未来………
今夜、あるいは明朝、さもなければ来週……ほんの少しだけ未来の物語
【CAST】
ジェシカ・オブライアン | (不明) | ヴァンパイアハンター | /オーロシュ |
牧野芹奈(まきの・せりな) | (25) | 火士ハッカー | /ニッポンテック |
カイル | (26) | 騎士 | /アイル |
キャプテン・ライトニング | (27) | ロケットレンジャー | /ナイル帝国 |
Prologue
1897年、ニューヨーク・サン誌掲載の社説より。
『こんにちは、しんぶんのおじさん。わたしは八さいのおんなのこです。
じつは、ともだちがサンタクロースはいないというのです。
パパは、わからないことがあったら、サンしんぶん、というので、
ほんとうのことをおしえてください。サンタクロースはいるのですか?』
---ヴァージニア・オハンロン
現代、12月20日深夜。
「未確認飛行物体です!」「おのれ、またしても侵略者か!」
北米NORAD空軍基地よりスクランブル発進した戦闘機がミサイルを発射し、
その「赤い物体」は撃墜された。
第一幕
シーン1
年の瀬も押し迫った、12月20日の午後。
私、牧野芹奈は、ニッポンを極秘で訪れていた。ストームナイト業を始めるにあたり、報酬用の銀行口座を開設する必要があるからだ。
とあるオフィスビル上層階に位置する、銀行の支店は、予想以上に混雑していた。
さらに予想外なことに、甲冑をまとった集団が現れ、「金を出せ!」と言い始めた。
甲冑のデザインはバラバラだった。恐らく、浪人くずれが日々の生活に困って、銀行強盗を企てたのだろう。見て見ぬ振りはできないけれど、生憎私は戦いの道具なんて何も持っていない。隙を見て警察に連絡し、突入のタイミングをアドバイスするくらいが関の山だ。
視界の隅で何かが動いた。ロングコートに金髪の女性が、カウンター越しに金を受け取ろうとしている強盗へ、つかつかと歩み寄った。
「どうした、パツキンねーちゃん。相手してほしいのか?」
「生憎、私は男には興味がないの」
強盗の目が点になった。次の瞬間、女性行員が後頭部を文鎮で殴り飛ばし、強盗は声もなく崩れ落ちた(*1)。
ガラスの割れる音がした。宇宙服姿の男性が、窓を突き破って入ってきて、宙に浮いたまま見栄を切った。
「キャプテン・ライトニング、推参! 悪党どもよ、ここまでだ!」
彼は背中から火を噴き出しながら、強盗の周囲をすごい速度で飛行した。強盗は目を回してその場に倒れた(*2)。
「てめぇら、こいつがどうなってもいいのか?!」
「幸雄!」
強盗のリーダーが、小学生くらいの少年の首にナイフを突きつけた。父親らしき男性の悲鳴が聞こえた。
ファンタジー世界の鎧姿の騎士が、自動ドアの方から悠然と歩いてきた。
「今、貴様がその子を放せば、悪いようにはしない。いかに?」
彼は一気に距離を詰め、一刀の元にリーダーを斬り伏せ・・・るのではなく、峰打ちで気絶させた(*3)。
そろそろ頃合いだろうか。残りの強盗たちに、私は気の毒そうな表情を向け、降伏を促した。
「彼らの強さをご覧になったでしょう? これ以上罪を重ねて、人生を棒に振ることもないと思いますわ」
正直、同情心なんてこれっぽっちもなかった。銀行強盗するようなマケグミのことなんて、どうでもいい。でも、本心を隠した言葉が、何より効果的に働くことがあるというのを、私はよく知っている(*4)。
シーン1−2(おまけ)
オープニングの後、PLはGMから、「何故ニッポンにいるのか考えて」とムチャぶりをされた。
カイルは、ビル最上階の執務室で、財閥総帥の嵐王寺勇人(らんおうじ・はやと、GMのキャラ)と話をしていた、と説明した。
「嵐王寺さんに呼ばれて、この前の仕事(*5)の後始末をしに来たんですよ」
「プレートメイルとブロードソード姿で?」
『なんか変なのがビルに来たんですが』
『あー、いいよいいよ、通して』
『ごつい鎧着てるんですが』
『大丈夫大丈夫』
『剣とか持ってるんですが・・・』
『大丈夫大丈夫。総帥の知り合いだから。通して通して』
「「「銀行強盗を素通りさせたのはアンタんとこの警備会社が無能だからかー!」」」
勇人の不幸属性に、新たなページが加わった瞬間だった(笑)。
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