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TORGリプレイ

『二通の手紙 〜聖なる墮天使〜』

 

第三幕

 
シーン1 清浄なる我が町のために
 

ゴスポグ侍の襲撃から一夜明けた、翌日。
教会の前に1台の街頭宣伝カーが停まり、三つ揃えのスーツの男が、演説を始めた。

『諸君! 我々は今、最悪の危機に直面している!
 中東にはナイル帝国、アメリカにはリビングランド、
 そしてフランスにはサイバー教皇領という脅威が存在する!
 従って我々は、侵略の波及を防ぐためにも、この町から余所者を排除せねばならない!』
 

GM:『しかるに諸君! 昨日の謎の敵との戦いを見たか! シスターの背中の傷痕を見たか! あの行動を、あの、非人間的な力を見たか!』と、殆ど直接的に、シスターをテロリスト扱いするようなことを言ってますね。

リン:・・・・・。

GM:『ああいう人物がこの町にいるのは好ましくない! 我々、ロジアナ清浄化委員会は、彼女を糾弾し、この町から退去させることを、皆さんのために訴えようではないか!』人ごみの中にですね、「おー!」「その通りだ!」とか言ってる、どっかで見たような連中がいて(笑)。

メイ:サクラじゃねぇか。

GM:町の住人の反応を見ると、こないだの老人とか、反対派の人達は、賛同しているようですけども、それ以外の人達は、「何じゃあいつらは」って顔をしてます。

ジェローム:「よくもぬけぬけと嘘がつけるものだ。あのゴスポグを連れて来たのは、奴ら、ロジアナ清浄化委員会のビルから来た車だぞ」

メイ:それは、こっちに予め周知の事実?

ジェローム:いや、今初めて言った。

メイ:「何ですって!? それ本当?」

ジェローム:「俺が嘘を言うと思うか?」

GM:“疑惑”カードは出ていますがね(笑)。

メイ:「それじゃあ、シスターのせいどころか、あいつらがあの変なサムライをよこしたってことになるじゃないの!」

GM:ってことを、いきなり大声で言うんですね。

メイ:大声です。不必要に声がでかい。

ジェローム:「おい、待て」と抑えようとしたけど遅かった。

GM:遅かったですね。そうすると彼はちらっとあなたを見て、『私を侮辱なさるのか! この、ロジアナ清浄化委員会委員長、ディアブロを、あなた方は、あのような者を引き込んだ張本人だとおっしゃるのか! その証拠が一体何処にある!』

メイ:「じゃあ、あんた達は、あの変なサムライが来た時に、何をしてたって言うのよ! この教会だけじゃなくて、 バザーに来ていた、町の人達だって、脅威にさらされてたのよ。平和を取り戻したいって言うんだったら、あんた達が真っ先に助けに来なきゃいけないんじゃないの?」

GM/ディアブロ:『何を言う。我々が駆けつけた時には、既に事態が終わっていたではないか。そう、君達余所者の手によってな!』

シグマ:ジーッ・・・。カメラ回しときます。

GM:『君達のような余所者がいるから、あのような連中がやって来るのだ! 余所者がいなくなれば、あのような連中はやって来ない! そして、余所者がいるから、我々には仕事が来ないのだ! 町のあちこちに浮浪者がいるから、町が汚くなるんだ! 余所者は排除しなければならない!』と、ディアブロは異常に偏った話をまた、延々繰り返しますけど。

メイ:最近、ヨーロッパ方面でよく出てくるような論調ですね。

シグマ:ロジアナ清浄化委員会って、政治組織? 宗教組織? 宗教系なら、必ず「神がなんたらかんたら」とかいう主張があると思うんだが。

GM:それはないです。

メイ:街宣車も引っ張り出してきてるし、右翼みたいなモンですかね。

GM:まー、一番手っ取り早く言うと、ネオナチ。

シグマ:なるほど。

メイ:しかし、証拠があるのかって言われたら、こっちはぐうの音も出ないです。

ジェローム:俺が追い掛けてって、俺が目撃したっていうだけなんだよな。

シグマ:余所者が言っても、それを信じさせるのは困難。

ジェローム:そう。だから言えないんだ。解ってる。

リン:ゴスポグのどこかに、「メイド・イン・ナイル」とかって書いてないですか?(笑)

シグマ:いや、あのゴスポグはメイド・イン・ジャパン。

GM:連中が、後ろから糸を引いているという証拠は全くないですね。

ジェローム:「委員長殿に訊きたいんだが」

GM/ディアブロ:『何でしょう?』

ジェローム:「シスターの背中のうんぬん、というのは一体何だ?」

GM/ディアブロ:『おや、あなたはその場に居なかったのですか。なーに、見なかった方が幸せかもしれませんよ。はっはっは。さて、よし、次の演説場所へ行くぞ!』

ジェローム:「待て、話は終わっていない」

GM/ディアブロ:『それについては、私よりシスター本人に訊くのが筋ではないですか?』

ジェローム:「いや、俺が訊きたいのはな、何故お前がそれを知っているのかということだ。つまりその時、お前はその場に居合わせたことになる。違うか?」

GM/ディアブロ:『あれだけの騒ぎですよ。噂にならない方がおかしいでしょう。それとも何ですか、あなたは、その場に居なかったからといって、見聞きしたものが人の耳に入らないとでも思っているのですか?』

ジェローム:「・・・なるほど」

GM:こう、宣伝カーの上から、下を見下ろしながら、ニタニタ笑いながら言ってます。

ジェローム:「よく解った。だが憶えておけ。火のないところに煙は立たぬという言葉があるのだ。東方にはな」

GM:『そう、おっしゃる通り。火のないところには、煙は立たない。はーっはっはっは!』高笑いしながら、ディアブロは去っていきます。
 

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