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TORGリプレイ

『二通の手紙 〜聖なる墮天使〜』

 

第三幕

 
シーン2 告解
 

ジェローム:シスター・アンジェに、背中の傷痕のことを訊きに行きたい。

GM:はい。行くのはジェロームだけですか?

メイ:問い質すような感じだから、「ま、待ちなさいよ!」みたいな勢いでついて行きます。

リン:気になるので、様子を見に行きます。

シグマ:見ていて、止めに入ろう。

GM:では全員ね。シスター・アンジェは教会の中にいます。ものすっごい落ち込んだ顔をしています。そこへあなた方は、わやわやとやって来ました。

ジェローム:「訊きたいことがある。背中の傷というのは、一体何だ?」

GM/シスター:「私の背中の傷ですか?」

ジェローム:「ああ。ロジアナ清浄化委員会の豚男が、直接シスターに訊くのが筋ではないか、と言っていた」

GM/シスター:「それは・・・私の翼の痕ですわ」

ジェローム:「翼?」

GM/シスター:「あなたは私におっしゃいましたよね。私の罪とは何か、と。・・・私は、あの子達の親を、私の手で殺したんです」

メイ:それを聞いてガーン! と、「な、何ですってー!」って感じでショックを受けます。

GM:「私は、教皇ジャン・マルローの奇跡を目の当たりにして、感銘を受け、サイバー教会に身を投じました。信仰に励み、やがて、ゴッドネット(*6)で、名誉ある天使の階級を与えられました」要するに、肉体を捨ててネット内で生きる天使(*7)になったということです。

ジェローム:・・・・・。

GM/シスター:「ある日、私達は、異端審問官と教会警察によって、異端者が立てこもる小さな村に召喚されました。異端者達の抵抗は凄まじく、教会側も少なからぬ損害を被ったために、防御力と攻撃力に長けた私達が召喚された(*8)のです。私達は、教会に真上から強襲を掛け、異端者達を殲滅しました。攻撃が終わった後、私が見たのは、自分達の身体を楯にして子ども達を守った親の姿でした」

メイ:!

GM/シスター:「異端審問官は、『異端の子どもはやはり異端である。拷問の上火あぶりにする』と、配下に命令しました。火あぶりの準備を進めるために、子どもを親の死体から引き離そうとして、私は驚きました。死してなお、親達は、子ども達を守るように固く抱きしめていたのです。そして私は理解しました。何故あそこまで異端者達が頑強に抵抗したのかを。サイバー教会の教義においては、異端者はたとえ改心しても火あぶり。だから、たとえほんの少しでも、子ども達を生き延びさせて、脱出の可能性を与えるために、親達は命を賭けたのです」

リン:・・・・・。

GM:「その後のことは、よく覚えておりません。子ども達を連れてあの場を切り抜け、ようやく落ち着いたのは、リアリティ・ストームを抜けた、スイスの山の中でした」この後の行動は、プロローグに繋がります。「そして、私はこの手で、自分の翼をもぎました。私が天使であることは、コアアースでは、あまりに目立つからです」ジェローム、《知力》チェック。

ジェローム:(コロコロ)ポシビリティを使います。(コロコロ)達成値14です。

GM:14あれば知ってていいです。あなたはネット上で、サイバー教皇領の異端者の村を掃討しに行った天使のひとりが、発狂して、仲間を傷つけた上で行方不明になった、という噂を聞いたことがあります。

ジェローム:「・・・なるほど。まさかあんたが、発狂し教会を裏切った天使だったとはな」

GM/シスター:「そう、私はあの時、発狂したのかもしれません。でなければ、サイバー教会に弓を引くことはできなかったでしょう。でも、私は思います。それこそが、真なる主の思し召しであったと」

ジェローム:「貴様が主の思し召しを口にするな!」

GM/シスター:「(頭を垂れて)申し訳ありません」

ジェローム:「(銃を突きつけて)貴様は罪滅ぼしのつもりで、貴様が殺した親達の子どもを保護しているのかもしれんが、そんなものは、単なる自己満足だ。そしてここに留まることは、子ども達のためにならない。即刻荷物をまとめて出て行け」

メイ:「ちょっと何よ! さっきから聞いてれば勝手なことばかり言ってくれて! 自己満足だから何だってのよ! シスター・アンジェが助けなかったら、子ども達はその場で全員死んでたのよ! どういう経緯だったとしても、あの子達は助かって、今この教会でシスターと一緒に生きてる! それは紛れもない事実でしょ? シスターはちゃんと今、身を削ってでも、あの子達を守って、戦いを続けてるじゃないの!」

ジェローム:「戦いを続けている? 俺達がいなかったらば、この教会はどうなっていた?」

メイ:「・・・・・。今いるからいいのよっ!」

一同:(爆笑)

ジェローム:無理やり持っていった!

シグマ:熱いねぇー。

メイ:「あたし達がいなかったら、ですって? そんなの論じるまでもないわ! あたし達は、シスター達を助けるためにここに来たんだから! それが事実!」

リン:「この世に偶然はない。あるのは必然だけです!」

GM:いいぜー。何て暑苦しいんだー。

ジェローム:「ならお前は、このシスターが、虐殺の現場で、突如発狂したのも、必然だったとでも言うつもりか?」

リン:うーん・・・。

メイ:「大事なのは昔のことなんかじゃないでしょ? 今どうやって、この教会と子ども達を守るか、じゃないの?」

シグマ:「それもその通りだが、けじめはつけねばならんな、シスター」

メイ:おぉ。今度はこっちから。

GM/シスター:「と、おっしゃいますと?」

シグマ:「貴女は、良かれと思ってやっているのだろう。しかし、それ自体が贖罪に当たるかどうかはともかく、法王庁がそれを知れば、さて、どうなるかな。貴女の心は主と共にあるかもしれん。或いは法王庁もそれを認めるかもしれん。しかし、貴女が犯した罪は、裁かれているのか?」

GM:シスターは、「そう・・・ですね」と答えて、こう、深く考えるように、頷いています。

シグマ:「ジェローム。任務を思い出せ。我々の本来の任務は?」

ジェローム:「この教会にいる人間が、サイバー教皇領のスパイでないかどうか確かめること」

シグマ:「そうだ。半分当たりで半分違っている。(リンとメイを見て)彼女達の言い分はある意味正しい。今がどうあるのか。ただ、必要な裁きはまだ行われていないと思うがね。人が下すにしろ、神が下すにしろ。その機会をシスターに与えてはどうだ?」

ジェローム:「お前達は、所詮他人事だからな。俺は当事者なんだよ。サイバー教会に、人生を滅茶苦茶にされた・・・!」“疑惑”ね。

GM:はい、オッケーです。

ジェローム:「だが、別にここでシスターに死ねと言いたいわけではない。(溜息)まだまだだな、俺は」銃を下ろします。

シグマ:「何にせよ、シスターひとりで済む問題ではない。子ども達を放置するわけにはいかん」

一同:・・・・・。

ジェローム:「ところで」リンとメイに、「ここへ来る前に、アイルの女王から、何か策をもらっているか?」

メイ:「人を守るのに、策もへったくれもあるわけないでしょ!」(笑)

リン:「策はもらっていないけれど、後から援軍が来るとだけは聞いているわ」

ジェローム:「援軍か」

シグマ:「こんな片田舎に援軍ねぇ」

リン:「女王陛下には女王陛下のお考えがあるんです!」

シグマ:「ま、女王でない以上、我々にはその考えというのは解らんよ。あるのは現実のみ。提案だ。ロジアナ清浄化委員会に潜り込んで、奴らの中身を見てみたい」

一同:・・・・・。

GM:それはいいんですが、皆さん全員、顔が割れています。ははははは!

シグマ:そこで覆面ですよ、ハハハハハ。そこで夜ですよ、ハハハハハ。

メイ:覆面という響きは、何かとても素敵なものがあるんだけども、ただナイルの覆面っていうと、目の周囲しか隠してないような(笑)。怪傑ゾロとか、蝶人パピヨンとかみたいに。

GM:えー、ではどうします?

メイ:こっちとしては、ロジアナ清浄化委員会のお偉いさんが、証拠持って来いって言うんだったら、証拠を暴き出してやろうじゃないか! という流れになりますね。

シグマ:夜を待ちます。

GM:はい。他の2人もそんな感じ?

ジェローム:「新聞記者にしては、随分と知識欲が旺盛だ」と、シグマに。

シグマ:「新聞記者だからこそなんだがな」

ジェローム:「危険だと知っていてもか?」

シグマ:「この世に戦場カメラマンが何で存在するか解るか?」

ジェローム:「ああ、解った。俺は一生あんたに口で勝てる気がしないよ」(笑)

シグマ:「とにかく方針は決まった。俺としてはこのまま教会へ報告してもいいぐらいだが、ついでをやってもいいだろう。シスターはともかく、子ども達を放置するわけにはいかん。仕事を請けた以上はな」

ジェローム:「女王からの援軍とやらに、子ども達を任せられればいいんだがな。そういう話はつけられぬものなのか?」

リン:「解らないけれども、掛け合ってみます」

メイ:プレイヤー的には、援軍ってこの2人のことじゃないかって気が、ものすごくするんですけど。

シグマ:そうなんだよなー。

ジェローム:アーディネイ女王のバカ(笑)。

メイ:同じような思考回路の奴よこせよ、みたいな。

GM:では、次のシーンに移っていいですか?

シグマ:オッケーです。
 

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