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TORGリプレイ

『二通の手紙 〜聖なる墮天使〜』

 

第三幕

 
シーン4 信念と誇りを胸に
 

GM:次の日の朝、皆さんは朝ご飯も食べて落ち着いたところです。10時11時ぐらいかな。

シグマ:さて、そろそろ様子を探ってみるか。発信器のスイッチをピッ、って入れます。

GM:入れるんですね。ピッ、ピッ、ピッピッピッ・・・。

シグマ:こっちへ来ますか?

GM:そう。

シグマ:やっぱりな。

ジェローム:「どうした?」

シグマ:「奴等が来る」

ジェローム:「つまり、専守防衛でいいということか」

シグマ:「判らんな。内容次第だ」

GM:では、教会の前にリムジンがガーッと停まってですね、ディアブロは今回、助手席から降りてきて、いそいそと後部座席の扉を開けます。

メイ:その様子を窓から見ていよう。「何事?」みたいな。

GM:中からは、司祭服を着た男が1人と、フードを目深に被った、多分助祭クラスと思われる男女1人ずつが現れます。

ジェローム:・・・ちっ。

GM:ディアブロは相変わらず、白いスーツにバラの花なんか着けて、仕立てのいい靴をピカピカに磨き上げて、もう、いかにもマフィア! って感じの格好ですね。で、ダンダンと扉を叩いて、「失礼する! シスターはいらっしゃるか?」と。シスター・アンジェは出て行こうとする。

ジェローム:「よせ」

GM/シスター:「何故です?」

ジェローム:「出て行ってどうする。奴等はあんたを殺す気だぞ」

GM/シスター:「さあ、判りませんわ。まずはお話を聞かなくては」

ジェローム:「話がまともに通じる相手だと思うのか?」

GM:「伺うまでは判りませんわ」と言って、行こうとします。

ジェローム:「だから少し待て!」

GM/シスター:「(首を横に振って)私は、子ども達の居場所を守らなくてはいけないのです。たとえ何と言われても・・・。あの子達には、心安らげる場所が必要なのです」

ジェローム:「何も、その『心安らげる場所』が、この教会である必要はないだろう」

GM/シスター:「では、何処にあるのです? 私と子ども達は、ここへ来た時、マリア様が私達を迎え入れてくれるヴィジョンを見ました。ここはきっと、 マリア様が私達のために用意してくださった場所なのですわ」

ジェローム:(考えて)マスター、“アイデア”カード使わせてください。

GM:どんな風に?

ジェローム:夢のお告げによれば、彼女が自分を縛っている鎖を断ち切れば、事態は好転するそうですが、具体的にどういうことなのかが見えないので、そのヒントが欲しい。

GM:はい。具体的に言うとですね、彼女は、「子ども達を守る」という思いに囚われた挙げ句に、目先のことしか見えてないです。つまり、自分自身を守ることを完全に放棄してます。

メイ:とにかく今、この子達を、守らなければいけない。たとえ死んでも、って言ってるけれども、死んだらじゃあ、その後どうすんの? ってところに、考えが至っていない。

GM:至ってないです。また、この教会で暮らすにしても、ちゃんと表立って法王庁に話をすれば、許可が出る可能性はかなり高いです。でも、彼女は自分がサイバー教会出身ということもあって、それができなくなっています。

メイ:もっとその辺、素直になって、周りに助けを求めてもいいんだよ、っていうのを、伝えてやんなくちゃいけないんだ。

GM:はい。見ての通り、町の住人からも、既に半分受け容れられてます。

メイ:あとは、最後の一押しをするのが、あの爺さん。

リン:アランさん。

ジェローム:なるほど。

GM:そういう話をしている間、司祭と男女の従者各1人と、ディアブロが、「誰もいないのか!」と叫んでますよ。

ジェローム:シスター・アンジェに言います。「助けを呼びに行け」

GM/シスター:「どこへ?」

ジェローム:「周りに、あんたを助けようとしている者達は沢山いる! それ以上は自分で考えろ!」ゴメン、投げた。後はよろしく。

シグマ:なんだってー。

リン:じゃあ、言います。「確かに、子ども達を守ることは大切です。 でも、町のみんなで子ども達を守れたら、もっといいと思いますけれども」

メイ:「シスターは今まで、ずっとひとりで、子ども達のために頑張ってきたんだから、そろそろ、そのお仕事、他の人達に手伝ってもらっても、いいんじゃないかな? そのために、あたし達だって来たんだし」

GM/シスター:・・・・・。

シグマ:「シスター。貴女が倒れれば、貴女の後ろにいる子ども達もまた倒れる。我々が1人2人欠けたところで、どうってことはないが、貴女は別なのだ。知っての通り、我々は法王庁から来た。少なくとも私の見解は、貴女自身のけじめさえつけば、いい報告をして構わないと思っている。あとは貴女の決意を見せなさい。だがそれは、生命を捨てることではない。解っている筈だ」

GM:はい、オッケーです。シスターは、「解りました」と言って頷きます。

メイ:よかった。ひとまずこれで。

GM:そんなわけで、皆さんが教会の外に出るとですね、ディアブロが言います。「今日から、こちらのお方がこの教会を支配される。シスターを引き渡し、子ども達には出て行ってもらう。勿論、あなた方もだ」

シグマ:「残念だが、法王庁からそのような報告は聞いていない」

GM/ディアブロ:「でしょうな。何しろ、シスターと同じ教会から、いらしたのですからな」

シグマ:「フハハハハハハ! シスターと同じ教会。余所者嫌いのあなたが、余所者を連れ込むとはねぇ。これは面白い」

GM/ディアブロ:「そう、私は余所者は大嫌いですよ。自分の役に立たない余所者はね」

シグマ:・・・・・。

GM/ディアブロ:「さあ、どうする? あくまで邪魔立てして、こちらの方々と戦いますか?」
 

ストームナイトとディアブロが険悪な雰囲気で睨み合っていると、
消防車やパトカー、近所の人々を伴って、町の長老アラン氏が現れる。
ディアブロは鮫のように笑い、彼に話し掛ける。
「どうです、アランさん。このような余所者に、
 あなたの土地の周りで好き勝手されるのは、 面白くないでしょう」
「確かにディアブロよ。お主の言う通りじゃ」
 

GM/アラン:「サイバー教会の者達と騎士達が戦うというのなら、この周辺は火の海になる。さればお主は、立退料を払うことなく、土地を売り、転売の手数料を手に入れることができる。わしもまた、転売から莫大な利益を得る。そして、新たな拠点を手に入れるサイバー教会。三者とも、丸儲けというわけだ。なかなか考えておるのぅ、お主」

ジェローム:・・・・・。

GM/アラン:「さて、皆の衆。わしらには、化け物どもと戦う力はない。じゃがな・・・。騎士達が、こ奴らを葬り去るまでの間、子ども達を、わしらの宝を守る程度の時間稼ぎはできる筈じゃ!」

リンメイシグマ:おぉっ!

GM:「頑張るぞ!」「おー!」という掛け声。ディアブロは、「面白い! では残念ながら、交渉決裂ですな」そうすると後ろの方から、ジェットパックの音も高らかに、ゴスポグが10体くらい飛んで来るのが判ります。

メイ:空飛ぶゴスポグってなんか嫌だな。

シグマ:っていうか、空飛ぶのって確か、第三世代ゴスポグだよ、うわー、 ちょっと面倒くせぇ。

GM:男女2人は、それぞれフードを取ります。サイバーエンジェルです。女性の顔は、シスター・アンジェそっくりです。

シグマ:なるほど、コピーしたか。

GM:コピーではなくて、捨て去った肉体の方ですね。そしてディアブロも言います。「さて、私も、最後の切り札を出すとしましょう。見るがいい。変・身!

メイ:変身って、ホントに変身すんの!(笑)

GM:そうだよ。ミシミシミシ、という音と共に、長い触角。焦げ茶色の身体。

ジェローム:えー?

リン:やな予感が。

GM:がっちりとした顎に、てらてらとした皮膚。台所の隅にいるアレ。

メイ:ぎゃー!

シグマ:まさに、ゴミ。G!

GM:イエース! チャバネ(略)怪人さんです。

メイ:うわー、ゴミゴミ言ってた本人が、ゴミにたかる虫じゃないか!(笑)

GM:因みに、変身怪人は、味方にすると頼もしいですけど、敵にすると、こんな質の悪いモンはありません。それでは戦いです!
 

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