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TORGリプレイ

『天より来りしもの』

 

第一幕

 
シーン2 Ground Zero

 
爆風をものともせず、ユウイチの水陸艇は海上に着水する。
しかし、粉塵が収まるまでは、動きが取れない。
もどかしい思いで、外に出られる時を待つ。
 

GM:ある程度落ち着いたところで、あなた方は町の中に入ります。ここは、さっきも言ったように、人口300万人オーバーの都市でした。

リリアン:うん。

GM:何もありません。

ディ:!!

ユウイチ:さっきの爆発で、全部吹っ飛んだってことね。

GM:はい。中心部、つまり、樹が立ってたところから半径3kmぐらいには、瓦礫も残っていません。巨大なクレーターがあるだけです。

マキシム:樹も、なくなってる。

GM:ないです。

リリアン:ほうー。

GM:半径6km、爆心地から中距離。この辺、瓦礫などが残っています。生存者皆無。ごく稀にですね、人間とか、犬とか猫とかカラスとかの、残骸みたいな、何の生物か判らない肉片が、ペチャッ、ペチャッと張り付いています。

マギー:あうー。

GM:さらにその外、半径9kmまで来ると、さすがに瓦礫があります。ごく僅かですが、生存者もいます! まぁ、みんな致命傷入ってますが。

リリアン:ちっ。

GM:そこから先は、推して知るべしです。

ユウイチ:逃げ惑う人多数、ってことね。

マキシム:ディアンの肩に手を置いて、「まず生存者を助けよう」

ディ:・・・・・。

GM:中心部まで行きますか? それともこの辺で生存者を助けますか? 勿論、救急車とか消防車とかは、必死で走ってます。

ユウイチ:シュバルツ、じゃなくて、ゲルマン忍者を探した方がいいんじゃないかな。

GM:どこをどう探しますか?

ユウイチ:そういえば、連絡があった時、どこに来いという指示はなかったんですよね。

GM:はい。「レシフェまで来てほしい」だけですね。多分飛行機が来たら、向こうから見つけに来るよ。だって、神出鬼没のゲルマン忍者。

ユウイチ:そしてそのゲルマン忍者が行方不明か。

ディ:闇影のことだから、きっと、後で、またここに現れる。オレたちには、今、やるべきことがある・・・。

リリアン:とりあえず、あるだけの包帯を取り出して、こいつらにぱぱぱって渡して、その後に、動かせそうな車を探す。鍵付きの、できればジープか何か。

GM:えーとですね、固定されてない車はほとんどひっくり返ってます。

リリアン:ひっくり返ってるよね? もっかいひっくり返せば走るよね?(笑)

GM:〈重量挙げ〉で。

マキシム:〈重量挙げ〉持ってるよー。

ディ:アイル人のたしなみだよー。

ユウイチ:2人とも、フルパワーでやるなよ? 1回転するからな。

ディ:(コロコロ)えーと、達成値18だから、加減できたんじゃないかな。

GM:18あれば充分。では、あなた方は車で移動して、怪我人を助けようとするんですけど、殆どは、あなた方が手を伸ばすと、既にもう事切れてる。さっきまで生きてたのに! という状況です。

マキシム:うわー。

GM:だんだんだんだん、中心部に近づくとですね、もっとひどくなって、踏み込んだそこには、死の匂いすら存在していない。

ディ:・・・・・。

GM:あるのは巨大なクレーターのみ。人の痕跡は、そこに転がっている、壊れたラジオがガリガリと立てる音。そんな感じですね。

リリアン:じゃあ、そこら辺に、植物みたいなものの破片が転がっていないかチェーック。

GM:〈発見〉ロールしてください。

リリアン:(コロコロ)達成値18。

GM:いやー、そんなモン、何も転がってないですよ。

リリアン:破片も残ってない。

マキシム:あんなでかい樹が、跡形もなく、全部吹っ飛んじゃってる。

GM:はい。半径3kmのクレーターがあるだけです。

マキシム:で、リリアンがきょろきょろしているのを見て、みんなにさっきのことを話す。「さっき、ユウイチがヒコウキを旋回させた時に、あの爆発の中で、植物の種みたいなものが吹っ飛んでったんだ」

ユウイチ:「種、ねえ」

マギー:「ほう。それは、どのようなものだったのじゃ?」

GM:大きさは、一抱えぐらい。

リリアン:でかっ!

ユウイチ:樹のサイズからすればそうでもない。数は1個だけ?

GM:1個だけです。

ディ:「ユウイチ、頼みがある」

ユウイチ:「何?」

ディ:「ユウイチは、世界中に、注意を呼び掛けるための、話す手段――プレイヤー発言すると、無線機とか――を、持っていないか?」

ユウイチ:「ああ、それはあるけど」飛行機に積んであるでしょうからね。

リリアン:電波を発しろと?

ディ:「マキシミリアンが見た、種が、次にどこかの町に落ちるかもしれない」

マギー:「ならば、食い止めねばなるまいのう」

GM:では、そういう話をしているとですね、皆さん、もっかい〈発見〉ロールしてくれるかな?

ユウイチ:(コロコロ)10は振り足しでいいの?

ディ:振り足しです。

ユウイチ:(コロコロ)20! 30。

GM:技能持ってるんだったらさらに振り足し。

ユウイチ:持ってる。(コロコロ)44。+12でしょ、〈発見〉15だから、27。“ひらめき”使って、達成値30。

GM:だったら判りますね。瓦礫の下の方から、小さな小さな呼吸音が聞こえます。

ユウイチ:え? 呼吸音?

マギー:なにーっ!

ユウイチ:「なんか聞こえるぞ。・・・聞こえるぞ?」

ディ:瓦礫を持ち上げます。

GM:〈重量挙げ〉ロールを。

ディ:(コロコロ)ポシビリティを使います。

マキシム:2人でやろう。俺もポシ使う。(コロコロ)達成値18。

マギー:近くをちょろちょろして、「何か手伝えることはないのか?」って言います。“アドレナリン”交換。

ディ:「ありがとう。大丈夫だ。気持ちは充分、もらって、いる!」これで達成値18です。

GM:では、瓦礫の下から、どうやら、地下収納庫と思われる蓋が出てきます。

リリアン:おっと。

GM:地上の建物は吹っ飛んじゃったけど、何とか生き残ったらしい。

マキシム:じゃあ、蓋を、持ち上げます。

GM:鍵はかかってないです。ギィィと開けて、こう、中に光が差し込むとですね、中から、2つか3つぐらいの小っちゃな女の子が、目ぇこすりながら、「あは? みつかっちゃったー!」

リリアン:ドラクエかー!

ユウイチ:ドラクエだー!

GM:「つぎはねー、アーたんがさがすばんなの!」と言って、あなた方の顔をじーっと見て、「・・・にーにーと、ねーねーは?」

ディ:!!

ユウイチ:あー・・・。

GM:「にーにーは? ねーねーは? シスター・ママは?」

マギー:うわー、返答に困るなー。どうしようー。

リリアン:そしたら、ひょいと抱き上げて、「にーにー達ね、どっか行っちゃったんだよねー。探しにいこっかー。にーにーはどんな髪の人?」って言いながら、車の鍵を開けよう。

ユウイチ:さすが、こういう時はリリアン。

GM:車の方へ移動するわけですね。そうすると皆さん、奇襲を受けるかどうかのチェック。〈発見〉ロールを。

マキシム:奇襲かよ。

GM:因みにこいつの〈隠れ身〉は・・・(コロコロ)。

マギー:奇襲されちゃたまらん。ポシビリティ使いまーす。(コロコロ)達成値20ぴったり。

ディ:同じく達成値20です。

ユウイチ:“サバイバル”のカード使って、21と言っておこうか。

GM:オッケー。では、ガサガサと地面を盛り上げながら、あなた方と車の間の地中から、何かが湧き出てきます。

マギー:「何奴ぅっ!」

GM:とりあえず皆さん、この子を中心にどういう立ち位置か、教えてください。

マギー:あーもう当然、眼前に立つ。

マキシム:俺も前だな。

GM:はい。現れたのは、シャコみたいな化け物です。一番よく似ているのがシャコ。

リリアン:シャコ?

ユウイチ:それが、1匹?

GM:いや、5体ほど(しれっと)。

マキシム:キモい奴が出てきたな。

GM:外見をざっと説明させてもらいましょう。まず、シャコと同じ、3対の移動脚。そして、1対の攻撃腕。全長は2mから3m前後。体高は70cm。今は戦闘目的で、上半身をぐわーっと持ち上げてるんで、1m30cmぐらいになってます。顔の中央に、ひし形の複眼があり、その左右に4つ、単眼がついてる。あとは多分、呼吸口でしょうね。身体の脇、攻撃腕の後ろ辺りに、小さな孔がいくつか。

リリアン:ということは、そこを洗剤で埋めたら、窒息死する(笑)。

GM:というところで、ラウンド進行に移ります。

 
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