限りなく今に近い未来………
今夜、あるいは明朝、さもなければ来週……ほんの少しだけ未来の物語
Prologue
―地球の某所、古代遺跡にて―
それは、いずれの王朝の物とも知れない、古代の壁画。
楔型文字や象形文字に似た様々な文字が、雑多に描かれている。
壁画の前には、コンピュータを叩き、懸命に文言の解析を試みる研究者の姿がある。
文字配列のパターンを解析プログラムにかけているところで、
研究者の男は、ある4文字の言葉が繰り返し壁に描かれていることに気づく。
『Y.H.V.H.』
Y・H・V・H・Y・H・V・H・Y・H・V・H・・・・
「これは・・・」
何やら天啓のようなものを思いつつ見上げると、大きな壁画を抱いた預言者の絵と目が合う。
そしてさらに上を見上げ、男は気づく。
竪穴の先にある天空で、月が美しく輝き、男と遺跡を照らし出していたことに。
―会議室にて―
テレビ画面には、記者会見の模様が流れている。
NASA=アメリカ航空宇宙局のスポークスマンが、カメラに向かって宣言する。
"Moon's heart melted, say lunar Love Numbers."
(月のハートはとろけてしまったと愛の数値が示しているのだよ)
物理学者ラブ氏が導いた数値「ラブ・ナンバー」と、最近の観測結果を根拠に、
NASAでは、月の内部にマグマの層があるらしいとの結論に達したという発表である。
ブラウン管の中でフラッシュが焚かれる度、室内が一瞬だけ明るくなる。
灯かりの消えた部屋に並ぶ多くの人々・・・否、人間以外も含まれている。
エディーノス、スタレンジャー、その他雑多な種族が一堂に会しているのだ。
やがて、誰かがリモコンを操作してテレビを消す。室内の闇はいよいよ濃くなる。
月の明かりだけが照らす中、騎士のような格好をした若い男が口を開く。
「諸君。時は来た。我らが、再び自由を取り戻す戦いを始める時が来たのだ。
・・・エデンを、再び!」
男が拳をぐっと握り締めるのと同時に、室内の人々は一斉に立ち上がる。
我ら、楽園に無慈悲な女王を、迎え入れん。我らの上に、光、あれ。
【CAST】
マキシミリアン | (25) | バーバリアン戦士 |
マッコイ・ナガ・ハーラム | (28) | レルムランナー |
サー・ガストン・セバスチャン | (65) | ヴィクトリア人の執事 |
甲藤 和歌[かっとう・わか] | (22) | 浪人 |
ディアン・オブロー | (27) | バーバリアン戦士 |
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