第二幕

シーン５　約束の地へ
 

ストームナイトが各々の調査結果を交換し合っていると、
アーディネイ女王の部下が言付けを携えてやってくる。
 

ＧＭ：やっぱり南米の方で人員の流れがあるみたいです。もしかしたら本拠地はあの辺かもしれない。

セバス：前のエデンって何処でしたっけ？

ＧＭ：カリブ海に浮かぶ孤島。ただあそこ自体は、世界政府で押さえてて、アメリカ軍が駐留してるので、大丈夫な筈だろう、という見解。

ディアン：じゃ、どこに本拠地があるんだろうな。

ＧＭ：あとは、今までの符合から、一応念のため、伝説に出てくるバベルの塔やバビロンとかがあった、エジプトの近辺も探ってみたんだって。そしたら、ナイル帝国が元気よく（笑）その辺の発掘作業とかやってるっぽいんで、とりあえず一枚噛んでる気配が濃厚だそうです。

マッコイ：まぁ、前回もナイル来たし。

ＧＭ：それと、ケルビムを名乗った騎士について調べてみたら、該当する人間が出てきた。下の名前は判らないけど、「アーク」という名前。年の頃は君らと、あまり変わらないぐらい。

マキシム：「アーク・・・」
 

アークの経歴について、現在判明している事柄は以下の通りである。
・元地球人で、アイル化した（マキシム、ディアンと同じ）。
・光の軍から叙勲されたが、既に除籍済み。
・エデンの護衛騎士団長として、己の剣をエデンのために捧げている。
・エデンの乱ではかなり奮戦した模様。
何にせよ、エデンの残党であることはもう間違いないので、
今夜にも関係者リストに載せて世界中に手配する形を取るそうだ。しかし――
 

ディアン：「世界中に指名手配をしてしまったら、アークを追い詰めることになって、何か、良くないことが起きたりしないだろうか。それが、少し、心配」・・・というか本当はジェシカが心配！

ＧＭ：そうすると向こうは「うん、判ってるよ」って顔をして（笑）、「確かにそうだけれども、実はデニス・クォーターメイン大統領とこんなやりとりがあって」という話をします。例えるならば、ビン・ラーディンを手配することが、俺はこいつらを潰すよ、という対外的な宣言になり、そうすることにカウンターテロ（テロを未然に防ぐこと）の意味があるんだと。

セバス：まぁ、戦術的なこともあるんでしょ。

ＧＭ：ただでさえ後手に回ってるワケだから、力見せとかんとなぁという。敵に対する刺激も考えたけど、向こうも決意の上での決起だと思うので、そこは、ある意味大丈夫だろう、と言います。
 

そして、アーディネイからの言付けの最後には、
グリゴリの本拠地を突き止めるため、ストームナイトに
「南米の旧エデン」又は「ナイル帝国が暗躍する神話の地」のどちらかへ
赴いてもらえないか、とあった。情報が欲しいのはどこも同じなのだ。
 

ＧＭ：因みに和歌、あなたにとって今回の件はビジネスとして、報酬レベルの話は既にクリアされてると思ってください。

和歌：あ、はい。それどうしようかなって考えてたんだ。

セバス：行くならメリケン人の方だろうなー。実際自分が被害食らってるわけじゃないんだからさ、自分の兵を動かすなんて、普通そこまでやらないでしょ、こういうご時世だったら。

マキシム：何か探してるのかも。エデンの手掛かりがあって。

ディアン：そうか、もしかすると、アメリカ兵が派遣されてるのって、エデンをうちらの目から隠したいからかもしれないのか。

セバス：そうそう。とりあえず公的に派兵しといて、裏で何かを一生懸命探してる、っていう可能性があるから、そっちを探す必要がある。アメリカって基本的に自分の儲けじゃないと動かないから。

マキシム：なんか根拠があるんだよ、動くだけの。

ＧＭ：まぁ第二幕オープニング参照なんで、あはははは。もう息かかってるよー。

和歌：（しばし考えて）じゃＧＭ、稲葉呼びたいな、また。

ＧＭ：おっけー。『はいー、１００人乗っても大丈夫のイナバです』

和歌：「１０１人目はどうなんだい？」

ＧＭ（稲葉）：『駄目でーす（笑）。何ッスか１０１人目の和歌さん』（笑）

和歌：「そうか、１０１人目に入っちゃうんだ私。へー。ま、それはただの冗談として、南米の方に行く荷物と、通行許可証とか、そういうの、少し、ちょろまかしたりできないかなー？」

ＧＭ（稲葉）：『実はですねー、調べたら、アメリカ経由で流れてるんですよー。あそこの軍事ルートを使って流してるんで、うちとしては運送費かかんないんでいいですけど』

和歌：「いい感じだねー！　オイシいじゃん、バリバリにー」

ＧＭ（稲葉）：『はい。あとですね、この件には、とあるヨーロッパかどっかの富豪が、金をかなり出してるッポイんですよ。スイス銀行から』

和歌：「あーら、スイス？　もう誰が誰だかわかんない感じだよねー」

ＧＭ（稲葉）：『ええ。嘘っぽい話なんですけど、その人・・・フリーメーソンっていうんですか？』

一同：うわー！

ディアン：いやー、何か繋がっちゃうんだけど。

ＧＭ：セバスは絶対判るからここで言っちゃうと、第二話BABELの元になってたのは、カバラの基本である奥義で。

セバス：カバラの基本を継いでんのが・・・。

ＧＭ：メーソンですね。ということで、あー、そういう繋がりねっていう。

和歌：「マジっすかマジっすかー？」

ＧＭ（稲葉）『はい。ローゼンクロイツと名乗っている方からお金が流れたらしくって、個人名義なんでちょっとビックリしたんですけど』

和歌：「すごいねー。大金持ちっているんだねー」

ＧＭ：『いつかなりたいなー』素のトーク。

和歌：「っていうか、金欲しいねー（しみじみ）」

ディアン：「（隣でつつく）わ、和歌、和歌」（笑）

ＧＭ（稲葉）：『あと、動きとしてはですね、宇宙開発に、随分前倒しで予算がおりてます』

和歌：「宇宙開発。へぇー。宇宙に行って何しようって言うんだろ。いっそのこと月でも爆破すんのかしら、はっはっは」

ＧＭ（稲葉）：『うーわ、勘弁って感じなんスけど。あ、そうだ、和歌さんにも多分メールニュース行ってんじゃないスか？』

和歌：「何なに？」
 

和歌が端末を叩くと、以下のようなニュースが展開される。

 
 
 
「宇宙空間に巨大物体」

全長５０ｍの巨大物体が赤道上３万６千キロの宇宙空間に浮かんでいるのを、
日本スペースガード協会が発見した。
米国の軍事衛星と推測されているが、そんなに大きな構造物を
どうやって打ち上げたのかも関心を呼んでいる。
この物体は、放送用の衛星などがひしめく静止軌道上にあり、
東経１２０度付近にじっとしている。
７−１０等星くらいの明るさで変動していることから、
形はいびつであることが判明。
最大の明るさから、全長は５０ｍ前後と推測された。
同協会によると、米空軍は１９８０年代から衛星を使った国防システムを計画。
打ち上げる衛星の中には、巨大な電波望遠鏡も含まれており、
発見した物体はそのうちの１つとみられるが、軍事機密のため詳細は不明。
 

ＧＭ（稲葉）：『アメリカさんの打ち上げた軍事衛星なんじゃないかなんて話なんですけど・・・不審なこと書いてあるんですよね。インドネシアの方に浮いてるそうなんスよ』

ディアン：勘弁してくださいよ！

マキシム：軍事衛星が・・・オーロシュの上空に。

ＧＭ：うわ、超ネタっぽーいっていう。マジニュースなんで僕もツッコミどころがないんですけど。

和歌：「へー、そんなのがあるんだー」

ＧＭ（稲葉）：『まぁ今回のこととは関係ないと思うんスけどねー、あははー（笑）。でも久々の日本の宇宙関係のお手柄なんで、盛り上がってますよ。最近NASAの方でも、月の内部にマグマが見つかったーとかって、大騒ぎになったじゃないですか。日本も負けるなって感じで。まぁ地上は戦争ばっかりですから、上の方見たくなるのは解りますけどねー』

和歌：「ドリームを抱くってヤツ？」

ＧＭ（稲葉）：『金にもなんねぇのに』

和歌：「ホントホント。そんな金、あんだったら私によこせって感じだよねー」

ディアン：「和歌、和歌」（笑）
 

和歌は稲葉に礼を言って電話を切る。
彼の話からアメリカの動きがいよいよ怪しいという確証が得られたので、
ストームナイトはマッコイの飛行機に乗り込み、南米を目指すことにする。
 

マッコイ：ヘリは梱包状態にして同時に持って行きます。

ＧＭ：はい、オッケーです。
 

各地で頻発するテロへの対応に追われ、アメリカ軍が右往左往しているとの情報もある。
エデンに潜入するなら今が好機だ。
マッコイは後輩のレルムランナー、シュアに連絡を取り、合流の約束を取り付ける。
そしてしばらくは、快適な空の旅が続く。
 

マッコイ：「あー、あれに見えるは、あれに見えるは・・・」

ＧＭ：そしたらマッコイ、〈発見〉。（含み笑い）

マッコイ：（コロコロ）１５。

ＧＭ：って言ってるそばからナイルの飛行船が、目の前にいるよ。ヒゲマークだー！（笑）

和歌：「最悪だ・・・」

マッコイ：あー・・・翼畳んで格納庫にあるんじゃ飛べねぇのよヘリは。困ったねぇ。（しばし考えて）飛行船こう飛んでるんだよね。挑発ー（と右手をくねらせながら左手の前へ出す）。

ＧＭ：うおぉぉぉ、どうぞ。〈航空機操縦〉で挑発。

マッコイ：（コロコロ）えー、１９。

ＧＭ：そうしたら、後ろから追いついて、目の前を舐めるように飛んで、華麗に上がったところで、向こうも「はっ！　敵だ！」と。
 

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