TORGプレイレポート

『Keynumber is THE "6"

 
 

 限りなく今に近い未来………
 今夜、あるいは明朝、さもなければ来週……ほんの少しだけ未来の物語
 


Prologue

 
ポシビリティ戦争の勃発から1年半……
ストームナイトの活躍によって、戦況はコアアース側へ急速に傾きつつあった。

ナイル帝国で、或いはサイバー教皇領で。
侵略者とコアアース軍の戦力差は、以前ほど絶対的なものではなくなってきた。

アイルにおける食糧問題は解決された。
リビングランドでは「サクラメントの奇跡」以後、コアアース軍の大勝利が続いた。
最凶のレルム、オーロシュの魔物にさえ、立ち向かう術が広く知られ始めた。

人々は思った。
地球にやって来た5つのレルムの侵略者たちは、
みな劣勢へと追い込まれている。
ポシビリティ戦争はコアアースの勝利に終わるだろう。
我々の科学技術と社会制度が勝利を導いたのだ。
今や誰もがそう感じていた。

だが
本当にそうなのだろうか?
 


第一幕:Realm of No.6

 
 舞台は北海道のとある過疎地域。設置されたばかりの現金自動預入支払機(ATM)の前で、レポーターが道行く人へインタビューをしている。

「いやー、便利になりますねー」

「近頃噂の、重機を使用して、ATMを根こそぎ持って行くという強盗団も、こんな村まではやって来ないでしょうからね」

「・・・おや、何でしょうか、今、地響きがしました。煙が見えます。あっ! 重機です。ショベルカーがやって来ました! ショベルカーには、人間が箱乗りしている模様です!」
 

 一方、ショベルカーの車内では、4人の男女が依頼主からインカムで指示を受けていた。

『さて、君らの仕事ぶりを見せてもらおう。
まだ互いの名前を覚える必要はない。
このビジネスが巧くこなせないようでは、これから先不安だからな。
君らの任務は、あのATMを根こそぎ奪い取ることだ』

「それではまるで我々が強盗のようではないか」

「これは立派な作戦です。すなわち正面突破!」

「芭蕉。ひとつ聞かせてくれ。採算は合うんだろうな?」

『勿論だ』

「(溜息)これで私の政治家生命も終わりかもな」
 

 というわけで、芭蕉と名乗る男にスカウトされた4人のストームナイトは、ショベルカーでATMへ挑むことになった(泣)。

 勿論、単なる金欲しさの強盗ではない。ニッポンテックでは、レルムを形作る杭、スティリーをATMに偽装している。つまり、今破壊しようとしているATMは、ニッポンテックのハイロードである金輪龍一が、北海道を侵略するために築こうとしたスティリーなのである。

 どこに隠れていたのか、目の前に強力な武装を携えた商安局員が100名ほど現れる。戦いの火蓋は切って落とされた。
 

ラウンド進行:1ラウンド目

 ATM型スティリーを破壊するには三つの行動が必要となる。まず〈手掛かり分析〉で弱点を発見。次に、ショベルカーを操縦してATM本体を破壊。最後に〈リアリティ〉でスティリーを無力化するのだ。

機械の友:「おっちゃん、おばちゃん! 前にいるなら早く弱点を見つけておくれよ!」

財閥の総帥:「・・・誰のことを呼んでいるんだね?」

機械の友:「あんただよ、おばちゃん!」(笑)

『なかなか良いチームワークのようだな。ではビズ(ビジネス)を見せてくれ』

騎士:「さあ、来るがよい!」(他の3人の前に立ちはだかり積極防御)

機械の友:「なんだ、怖くて近寄ってこられないのか?」(ショベルを上に向けくいっくいっ、と〈挑発〉)

「な、なにー! 我々を商安局員と知っての狼藉か!」

「よーし、あの騎士から撃ち殺してやる!」(60対1で攻撃)

騎士:「当たったら痛いので、ポシビリティで振り足し。(コロコロ)32で成功。全部弾き飛ばしました」

「今ごろミンチだぜ!」「な、なにぃ?! 俺たち60人で撃ったのに!」

政治家:「ビズは急いでということで、〈手掛かり分析〉といこう。我々には暇がない」
 

2ラウンド目

 前のラウンドでATMの弱点を見抜いたストームナイトは、一気に攻撃へ転じる。

機械の友:「わかった、根元だな! 行くぜっ!」

政治家:「これはコアアースにとっては余分な物だ。排除させていただく!」

 政治家が自らの〈リアリティ〉を集中させると、ATMは砕け散る。そして、その一点を中心に強烈なリアリティ・ストームが巻き起こる。轟音と爆風。ストームに巻き込まれたテレビ局のトレーラーや黒塗りの車が、地面に激突して爆発炎上する。

 その炎をバックに、ひとりの男が歩いてくる。

 インカムから芭蕉の声が聞こえてくる。

『君らに言ってあったな。このビズが成功したら、ニッポンテックの黒幕を紹介すると』

機械の友:「あ、あんたが芭蕉か?!」

『いや違う。君らの目の前にいる男。それこそが、ニッポンテックの支配者、金輪産業CEO、金輪龍一だ!』

一同:ええーっ?!
 

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