TORGプレイレポート

『Keynumber is THE "6"

 
 

第一幕:Realm of No.6(承前)

 
機械の友:「なんだって! あの金輪龍一がハイロードだって? そんなバカな!」

「ほう、そこまで知っているのか。全員捕らえて、本社で尋問させてもらおう」

騎士:「や、やめておきたまえ。貴方はひとりしかいない」

「私が負けるわけがない。それに私がひとりだと思っているのかね。なあ、雲海」

「はっ。この私、雲海がいれば、こんな奴ら一網打尽です」

 金輪龍一の背後に、首から数珠を下げた、禿げ頭の大男が音もなく現れる。

財閥の総帥:「まあ。忍者軍団を束ねる方を従えているなんて、さすがに本物でいらっしゃるようね」

政治家:「ニンジャとは何だ?」

『企業に雇われて殺しをする連中だ。雲海はその忍者の頭領』

機械の友:「なるほど、あれはウー・ハンみたいなものなんだな」

「ほう。私を侮辱するのか」

機械の友:「ウー・ハンのどこが侮辱してるんだ! ウー・ハンだぞウー・ハン!」

「・・・殺してやる(笑)。隠形している忍者に敵うと思うな」

 雲海の姿が目前から掻き消える。同時に、4人はあらゆる方向から殺気を感じる。インカムから芭蕉の声が無情に響く。

『このストームの中、逃げるのは困難だ・・・戦うしかない』
 

3ラウンド目

 戦闘再開。ところが、機械の友がショベルカーを操って〈トリック〉をかけようとしたところ、いきなりリンクを切断。

機械の友:「しまった! くそっ、マシンからの声が聞こえねぇ!」

 気を取り直し、騎士は隠形中の忍者たち(雲海の部下)を〈威嚇〉。プレッシャーを与える。続けて財閥の総帥が〈トリック〉を仕掛ける。

財閥の総帥:「(携帯電話の着信音)私よ。・・・もうすぐ着く? そう。判ったわ、ありがとう」

「! か、金輪様、救援が来るらしいですよ」

「くぅっ・・・これは明らかに我々が不利」

 これが見事にプレイヤーズコール(判定者が言う通りの状況が発生する)となり、忍者は2対2に分かれて戦い始める。

「お前たち・・・金輪龍一を裏切って生きていられると思うのか」

財閥の総帥:「別に、使い捨てにするだけだから」(笑)

一同:ひ、ひでぇ。

政治家:「お初にお目にかかる。あんたとは一度面会してみたかった。これは名刺だ」(名刺を投げつける〈トリック〉を行うが失敗)

「君のような、私に従わない政治家の名前は知っているからな」

 続けて雲海の放った手裏剣が政治家を襲う。政治家は“緊急行動”で何とかそれを避ける。金輪龍一は、財閥の総帥に対し〈威圧〉を仕掛ける。

「君は、とある財閥の総帥だな。私に楯突くとは愚か者め。良い目を見ないよ」(出目が1、失敗)

財閥の総帥:「奢れる者も久しからずって言葉があるでしょ。いつまでもあなたの天下と思わないことね」

「ほう、言ってくれるな」
 

4ラウンド目

 ヒーロー疾風(二回行動)。大きな変化が起こる。

騎士:「(弓に矢をつがえて)この魔法の矢は邪な者には必ず当たる。当たれば必ず死ぬ。私に弓を引かせたくなければ、おとなしく姿を現せ」

政治家:「(携帯電話の着信音)私だ。・・・・ああ、わかった。(向き直り)雲海。お前はもう金輪につくことはないだろう。今金輪産業に政府から捜査が入った。私につくなら今のうちだ」

「な、なにー!」

 雲海は騎士に電撃手裏剣を投げつける。しかし手元が滑ったのか、手裏剣はあさっての方向へ飛んでいく。

「何をしている雲海。私がやるしかないな。食らうがいい。マネー・ウォーだ!

騎士:何だそれは!

 金輪龍一の謎の科白と共に、財閥の総帥が携帯していたノートパソコンに、驚くべき光景が映し出される。

機械の友:「これは! 俺たち4人の残高のうち、ひとりが減ってる! 誰だこの名前は?」

「騎士、私の財力でお前を買い取ってくれる!」

 なんと金輪龍一は、自らの〈ビジネス〉技能で騎士に攻撃を加えてきたのである! 騎士は慌てて積極防御を行うが、時既に遅し。少なからぬ金銭的損害を被った。

『これこそ金輪龍一の奥義、マネー・ウォーだ。まさかもう使ってくるとは。気をつけろ! みんな、買い取られてしまうぞ!』

騎士:まさか経済的にダメージを受けるとは思わなかった。予想外だった。

財閥の総帥:「(笑いをこらえて)なるほど、さすが金輪龍一ね。恐れ入ったわ」

 金輪龍一が奥義を使い始めた以上、残高が底をつく前に決着をつけねばならない。不利を悟ったストームナイトは、連係プレイで攻撃を開始する。まず機械の友がショベルカーで突撃し、目前で方向転換して金輪龍一の後ろを取る。

機械の友:「ふうっ、金持ちってのは背中が煤けてるもんだな」

政治家:「敵の前で隙を見せたな。それ以上小賢しい真似は止めてもらおう」(〈威嚇〉射撃し、萎縮に追い込む)

『チャンスだ! 金輪龍一は、肉体はそれほど強くはない。直接攻撃で倒せるはずだ』

財閥の総帥:「彼は揺らいでいるわ。坊やの実力を見せて頂戴」(カードを交換)

機械の友:「(にやり)札束で背中は護れないぜ」

 機械の友はありったけのカードとポシビリティをつぎ込んで攻撃。オモチャみたいな外観の銃から、円形の光線が迸る。しかしその威力は本物で、金輪龍一の胸に風穴が開く!

「ぐわぁーっ! く、くうっ、なんという攻撃だ。だが・・・覚えたぞお前らの顔。そしてひとつ教えてやろう。お前らが仇として追っている金輪龍一は、私では、ない!」(絶命)

機械の友:「たとえお前が3人4人、6人いようとも、また倒してやるさ!」

 主を失い狼狽する雲海は、騎士によって捕らえられる。本物の金輪龍一の居場所を吐かせようとしたものの、心当たりはないと言う。

 と、辺りに尺八の音が響く。編み笠を被った虚無僧スタイルの男がこちらへ向かって歩いてくる。リアリティ・ストームは、いつの間にか止んでいた。

「素晴らしい働きだ、ストームナイトの諸君。私の名は、芭蕉。君たちにこそ、協力してほしい。金輪龍一の野望を砕くために!」

一同:なんだって?

「金輪龍一は生きている。それは何故か。彼はクローンを持っているからだ。君たちが倒したのは、金輪龍一γ(ガンマ)にすぎない。今証拠を見せてやろう」

 4人は思わず息をのむ。
 編み笠の下から現れた芭蕉の顔は、金輪龍一とそっくり同じであった・・・。
 

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