TORGプレイレポート

『Keynumber is THE "6"

 
 

第四幕:Peace of No.6

 
 金輪記念堂、大会議場にて。
 スーツ姿の若い女性=トルウィン・タンクレッドが、
 集まった面々の顔を見渡しながら凛とした声で決を採る。

「では皆様、金輪龍一を世界永世CEOとすることに、異論はありませんね?」

 その時、大きな音を立てて両開きの扉が開く。「異議あり!」

『こちらはストームナイト・トゥデイです。今、何者かが大会議場に入って参りました!』

 レポーターの裏返った声。
 まるでモーセの十戒のように人垣が割れていく。
 その中を、アーウィン、阿笠、カケル、稼頭姫と、
 Dr.メビウス、ペラ・アーディネイの計6人が悠然と進んでいく。

アーウィン:「恥ずかしくないのか、トルウィン!」

稼頭姫:「いったい幾らで、貴女は買収されたのかしら」

「何を言うのですか。この世界で人々を守るためには、〈ビジネス〉に頼るしかないのです」

アーウィン:「そこまでして生きながらえたいのか!」

「トルウィンくんを責めるのはやめたまえ。彼女は仕方のない選択をしたのだ。・・・久しぶりだな、ストームナイト」

 激するアーウィンに、壇上から声が掛けられる。
 そこには不敵に微笑む金輪龍一・・・TORGの姿が!

 彼が傍らに合図を送ると、突然天井から檻が降ってくる。
 その檻を蹴破って現れたのは、ひとりの屈強なエディーノス。
 さらにもうひとり、司祭服に身を包んだ男が進み出る。

「・・・今や私は、金輪枢機卿ジャン・マルロー」

「俺様バラク・カー、金のために戦うぜ。くそ、こんなこと言いたくねぇ!」

稼頭姫:「無様ね」

「うっせぇ! うっせぇ!」

 2人の元ハイロード、バラク・カーとジャン・マルローは、
 金輪龍一を守るように通路に立ちはだかる。
 カケルが回線を繋ぎ、阿笠が全世界に向けた演説を行うためには、
 この2人を何とかしなければいけないようだ。
 

ラウンド進行:1ラウンド目

 バラク・カーは得意の〈白兵戦〉でアーウィンに襲いかかる。
 しかし、さすがは歴戦のストームナイト。
 かつての力を取り戻した以上、そう簡単にやられはしない。
 アーウィンはカーの攻撃を難なく受け止める。一方のマルローは。

「さて、貴様らはジャン・マルローの奇跡を体感する光栄を得ることになるだろう。【アンビリーバーズ・ドゥーム】!」

アーウィン:はーい、その奇跡、なくなってください(“敵方失敗”使用)。

「! 神よ、何故聞き届けてくださらない!」

カケル:「多分お賽銭が足りなかったんだろう」(笑)

 不信心者を直接攻撃する奇跡が不発に終わり、動揺するマルロー。
 その間に、アーウィンを除く3人が壇上に到着する。

阿笠:「ここに集う人類の皆さん。私の話をよく聞いてください」きらーんと歯を輝かせながら、〈魅了〉。(コロコロ)20!(コロコロ)40!

アーウィン:何かが起きた!

カケル:神がいるよ!

阿笠:(コロコロ)56。ポシビリティ使っておこう。(コロコロ)10。さらに振り足し。(コロコロ)78。〈魅了〉達成値42。

 阿笠は“偉業”カードを使用。世界中の人々の目が彼に向けられる。
 同時にカケルが全世界に向けて回線を繋ぎ、〈説得〉の下地が整った。

 ここで、60億人〈説得〉を表現するためのオリジナルルールを、
 マスターが説明する。
 〈魅了〉達成値をもとに、味方になった人数を求める。
 そして次回以降の〈説得〉に、人数分のボーナスを得るのだ。
 今の〈魅了〉によって、地球全人口の1%=6千万人が味方についた。
 6千万人を換算表にあてはめると、+37ボーナス。
 つまり阿笠は、次回以降〈説得〉に+37することができる。

 そして、60億人を〈説得〉するには、達成値104が必要となる。
 

2ラウンド目

稼頭姫:カー様に対して、「マネー・ウォー!」行きます。(コロコロ)20! “ヒーロー”も使って・・・〈ビジネス〉達成値41。

「ぐわぁぁぁ!」

 〈ビジネス〉技能を持たないバラク・カーは、あっさり買い取られた。

阿笠:では始めましょう。「全地球の皆さん。確かにポシビリティ戦争は、金輪産業の名の下に終息した。だが!」(〈説得〉成功、味方は7千万人に)

 バラク・カーが一撃で倒されるのを見たマルローは、
 阿笠の精神的動揺を誘う作戦に切り替える。

「はっはっは。人の心を動かせるのは宗教のみ! お前がやっていることは無駄だ」

アーウィン:今ここで彼にくじけられるのは非常にマズいわけで、“敵方失敗”。「そんな〈挑発〉、彼には通じないぞ!」

阿笠:「そう。お前の宗教など、知ったことか! 私の信念に比べれば屁でもないわ!」

 一方、金輪龍一も乱入者集団の切り崩しを開始する。

「さて、ペラ・アーディネイ。今、アイルで民は大変苦しんでいる。君の〈名誉〉と引き換えに、食糧を援助してあげよう。民よりも〈名誉〉が大事か?」

「何ですって?・・・わかりました」

アーウィン:おいっ! ナメとんのか!
 

3ラウンド目

 続けて金輪龍一は、Dr.メビウスへ向き直る。

「ところでファラオ。君の〈マッドサイエンス〉は非常に素晴らしい。ひとつ私に売ってくれないか?」

「何? まぁいいだろう」

「サインしたな。君の〈マッドサイエンス〉技能を全て売るという契約書に」

「何だって?! よく見なかった!」

 その横で、マルローはターゲットを稼頭姫に変更する。

「よくもやってくれたな。恐ろしいつけが返ってくるぞ。すなわち、天罰だ!」(コロコロ・・・1)

稼頭姫:リンク切った!(笑)

「も、もうダメなのか、神よ・・・」

アーウィン:ジャン・マルローうざい(笑)。「私がマルローを片付ける! 心置きなくやってくれ!」

阿笠:さっきの続きね。「だが! 君たちの身の回りを見たまえ。何が変わったと言えるだろうか。戦争前と何も変わっていない。これは全て、金輪産業が、君たちに圧政を敷いているからだ! その事実に目を向けよ!」

「そ、そうだ、確かにあの男の言う通りだ」

カケル:「全員、力を込めろ! 俺たちにはまだ、可能性がある!」ここで【シフト・ポシビリティ】、起動!

 4人は、決戦へ赴く前に、ひとつの新たな能力を会得していた。
 グループパワー【シフト・ポシビリティ】・・・仲間ひとりに
 ポシビリティを送り込み、行動を支援するという強力な能力だ。
 ゲーム的には、何かの判定を行う際、グループ全員でダイスを振って
 最も良い出目を採用することができる。

 4人でダイスを振った結果、カケルが44という出目を叩き出す。

阿笠:44採用。ここで見せ場宣言といきましょう。まず“ドラマ”使います。

稼頭姫:「聴衆は貴方に耳を傾けているわ、自信を持って」(“計画”を交換、“ドラマ”を再使用するため)

 ありったけのカードをつぎ込み、人数ボーナスを足して求めた
 阿笠の〈説得〉達成値は、106
 見事60億人を味方につけることに成功した。

「俺たちは変わらず貧乏だ。何故なんだ、その理由は?」

阿笠:「それは、あそこにいる、世界CEOを名乗る男、金輪龍一が全てを操っているからだ」

「な、何だって? あいつが俺たちの金を奪っているのか!」

阿笠:「見よ! 〈名誉〉の鑑であったトルウィン・タンクレッドがあのような姿に。さらに、この地球を支配していたあいつも、あいつも、あいつも」と、次々と指差して、「全て金輪の金の力の前に屈したのだ」

「そ、そうなのか・・・」

「金輪が悪いのは解った。だがあんたの理想は何なんだ?」

阿笠:「私の理想は、金の力に頼らず、自らの力で、自らの幸せを掴むということだ。そう、そのための力が、君たちにはある! 君たちの内なる力を今こそ燃やす時なのだ! 立ち上がれ民衆よ!」

「私はあの口振りを確か聞いたことがあるぞ! いつかやって来てくれる筈のストームナイト! だが頑張るのは俺たちなんだ!」
 

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