限りなく今に近い未来………
　今夜、あるいは明朝、さもなければ来週……ほんの少しだけ未来の物語
 

はじめに

　これは、ＴＯＲＧのプレイ経験が１〜２回のプレイヤー２名と、プレイ経験１０回以上のプレイヤー２名が参加したセッションを、リプレイ化したものです。ＴＯＲＧにあまり慣れていない２名のために、背景世界、判定方法、特殊な用語等について、随時ゲームマスターが説明を行っています。そのため、このリプレイを特に「ＡＢＣリプレイ」と呼ぶことにします。ＴＯＲＧというシステムを知る「はじめの一歩」的な読み物になるよう、頑張って執筆したいと思います。
 

Prologue

　Long Long Ago...

　何処とも知れぬ荒野、大河のほとりで、
　数人の白人男性がネイティブ・アメリカンに話し掛けている。
　「ここに住んでもいいかい？」「いいよ。土地はみんなの物だからね」
　白人はネイティブ・アメリカンに貨幣を手渡す。
　「何だいこれ？　ありがとう」
　「これで、今日からここは俺たちの土地だ」
　言うなり白人たちは石を積み上げ、建物を築き始める。

　And Nowadays...

　アメリカ・ニューヨーク。
　高層ビル群の真っ直中に、突如天空から降下する超巨大な蔓草。
　次の瞬間、自由の女神が粉々に砕け散る。
　街は一気に霧に包まれ、恐竜の咆哮と阿鼻叫喚の悲鳴が響き渡る。
　現れたトカゲ人間たちが、口々に叫ぶ。
　「ウォー！」「ここはオレたちの土地だー！」
　―――暗転。

　And Then...

　ひとつひとつ、人の手によって瓦礫が積み上がっていく。
　再建された自由の女神の傍らに、九龍城を思わせる巨大な建物が屹立する。
　これこそが侵略者に立ち向かうストームナイトたちの前線基地、
　リバティ・フォートレス。
　今、その門が開き、出撃する者たちがいる。
 

ゲームマスター（以下ＧＭ）：じゃ、順番にキャラクター紹介を。形としては、名前と、性別、年齢、キャラクタークラスと、僕はこんな感じのキャラでーす、というのがあれば。

マキシミリアン（以下マキシム）：アイルのバーバリアン戦士で、マキシミリアンと申します。２５歳。前回、別のセッションで（＊１）、奥さん作っちゃいました（笑）。新婚ほやほやです。

ＧＭ：ほやほやですよ。畜生、呪われろ（笑）。

ディアン：同じくバーバリアン戦士の、ディアン・オブロー。２８歳。方向性としては、〈白兵戦〉よりは〈名誉〉と〈威嚇〉重視でいきたいなと思ってます。

ＧＭ：マキシムよりはもう少しね、腰が据わってる。

蓮翔：泉蓮翔（いずみ・れんと）、３０歳。ニッポンテックの、ヤクザのチンピラ。死んじゃったフィアンセの面影を誰かさんに見つけて、追っかけまわしてます。さっき相談したんですが、女だと思って追っかける方向で。男ってバレてない方が楽しいってことで。

ＧＭ：あ、なるほど。

蓮翔：というわけで、可愛く頑張ってね（隣の肩を叩く）。

リリアン：えーと、リリアン・シュール、１８歳、サイバー教皇領の私立探偵です。もうバレちゃってますが、オカマさんです。見た目は黒人系の女の人。で、本人は一応オカマっていうのを自覚はしてるけどゲイではないです。

ＧＭ：メンタリティとしては、女性、ってことでいいんですよね。

蓮翔：女の人の恰好してんの？

リリアン：うん。探偵として便利だから。

ＧＭ：という、４人パーティになります。どうぞよろしくお願いしまーす。

一同：お願いしまーす。
 

【ＣＡＳＴ】

 
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