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TORGプレイレポート

『地球のハイロード』

 

 限りなく今に近い未来………
 今夜、あるいは明朝、さもなければ来週……ほんの少しだけ未来の物語
 


はじめに

 これは、第12回トーグオンリーコンベンション2番卓のプレイの模様をまとめたものです。
 ゲームマスターは、今回がオンリーコン初参加のweekさん。実は、以前にも別のコンベンションでご一緒したことがあり、約10年ぶりの再会でした。長年遊び続けていると、こういうこともあるんですねー(笑)。

 『地球のハイロード』は、米国出版元のオフィシャルキャンペーンシナリオ(未訳)です。これをweekさんがオイシいところだけつまみ食いできるように再構成してくださいました。おかげさまで、ものすごく充実したセッションでした。
 


 
 それでは、ハイロードに喧嘩を売ろうという命知らずの5人(GM談)を紹介いたします。

・リディア=リトヴェルク
 ナースキャップがトレードマークの、自称赤十字社員。しかしその正体は、「スターリングラードの魔女」という異名を持つ秘密工作員。〈説得〉の天才。チームのメンバーを信じ、的確な言葉でチームの心をひとつにまとめる。キャラクターの外見年齢は最も若いが(10代後半)、彼女以外にこのチームのリーダーはあり得ない。

・ジョー・ギリアム
 左腕に「サイコガン」という名のエネルギー兵器を仕込んだ、サイバー教皇領のシークレット・エージェント。オーロシュのホラーだろうとアステカ超人だろうとハイロード候補生だろうとビームでなぎ払う。中盤に“自己犠牲”を引いていたけど、そんなもの使わなくても全然オッケー!

・レオン・クォーターメイン
 テラ出身。大学院で考古学を修めていたが、ある日「ギミックウォッチ」という名のギズモを入手し、ロケットレンジャーに変身できるようになる。ものすごーくカッコいい“正体”カードの使い方をしていた。ジョーとコンビを組めば怖いものなし!

・カドフェル
 セイセルムの牧師。ヴィクトリア紳士の鑑のようなお方で、エルモと他3人との接し方に雲泥の差がある。得意な奇跡は【ブレス】と【磔刑(クルシフィクション)】。なんとラストから2番目のボスを逆さ磔で瞬殺。マジ半端ねぇ。“個人的利害”で、中ボスのオカルティストが実の弟ということになる。

・エルモリー・クレイドル
 エルフの魔法使い。通称エルモ。一見すると黒人ラッパーのお兄ちゃん(ニット帽とドレッドヘア)のため、カドフェルからは終始「ポーター」呼ばわりされた。普段はオネエキャラだが、パーソナリティは男性。本気モードに入ると口調が変わる。そして、こんなイロモノなのに“ロマンス”担当(笑)。
 


Prologue

 
 ストームナイトは、連続殺人犯マルコム・カーンと、彼に従うオカルティストのキボスを、あと一歩のところで取り逃がした。
 カーンは、腕に刻まれた蛇の刺青を見せ付けるようにしながら、ひとりの女性の心臓に、黒曜石の短剣を突き立てた。
「シンシアー!」
 叫ぶリディアとレオン。恐怖の力に身がすくみ、呼吸することすら難しい。カーンの高笑いと共に、3人の姿は見えなくなった。
 


第一幕

 
 それから1ヶ月後。
 リディア率いるストームナイト5人のチームは、アイルの聖騎士トルウィン・タンクレッドから、中南米のベリーズで発生した連続殺人事件の解決を依頼される。新聞記事によると、発見された20人ほどの遺体は、どれも心臓がくり抜かれていたらしい。さらに、遺体が起き上がって街を徘徊した、という目撃情報もある。

 セイセルムの牧師でありながら、〈オカルト〉への造詣も深いカドフェルは、心臓をくり抜くというのは、ゾンビを作成する際の最もポピュラーな手法であり、別の場所に保管してある心臓を燃やし尽くさぬ限り、ゾンビに真の死を与えることはできない(魂が転生してしまう)と皆に告げる。

 5人は、ベリーズに住むトルウィンの知人、ムーサ刑事の元に飛ぶ。トルウィンからの書状を見せると、ムーサはこちらを信用し、全ての情報を開示してくれる(“知人”カードを使用)。

・軍がこの件のもみ消しに動いている。メンドーサ大佐に用心しろ。
・清心教会のルイス神父は信頼の置ける人物だ。
・被害者は若い男性が中心。多くが街の北西部で発生している。

 また、エルモの発案で、霊安室に置かれている遺体を見せてもらうことにする。犯人の髪の毛1本だけでも入手できれば、【トラッカー】の呪文を使うことによって、心臓の保管されている場所(すなわち、オカルティストのキボスが潜伏している可能性が高い場所)への道が判るからだ。

 遺体をよく観察すると、心臓にぽっかりと空いた穴の中に、小さな黒曜石の欠片が見つかる。それに手を伸ばそうとした時・・・遺体がむくりと起き上がり、襲い掛かってくる!
 心構えができていたことと、情報を着実に集めていることが功を奏し、5人は克服チェックに見事成功。こうなればゾンビ1体など恐るるに足らず。ジョーのサイコガンで、ゾンビの肉体は一瞬にして消滅した。しかし、正しい方法でとどめを刺されたわけではないので、その魂は、邪悪なる輪廻転生の輪の中に飲み込まれていった。

 カドフェルはぎりりと拳を握り締める。何故なら、このゾンビの創造主であるキボスは、彼の実の弟であるからだ(“個人的利害”)。聖職者である自分の弟が、このような邪悪な事件の犯人だと知られたら、自分は破滅する。決して誰にも知られてはならない。そう、自分の仲間にも。

 清心教会へ着くと、中からひとりの人物が飛び出してきて、北西の方向に走り去る。
 ルイス神父は、息子ヴィクトールの身を案じている。ヴィクトールは、奇妙な夢を何度も見ているそうだ。そして、彼が最近付き合っている連中は、ベリーズ軍のメンドーサ大佐と繋がりがあるらしい。

「蛇の神ケツアルクアトルが町を飛び回るだとか、アステカ風ピラミッドの上で、男が女の胸に短剣を突き立てるだとか、男の腕には蛇の刺青があって、蛇の目が、赤くらんらんと光っているだとか」
「ご子息は今どこに?」
「さっき出ていったのが、息子じゃ」
「これは、すぐ追いかけないとまずくないか?」

「GM、この先、女性NPCは登場しますか? もし出ないなら、ヴィクトールの性別を女の子に変えてください!」
 エルモの荒業を、GMは渋々了承。その瞬間から、ヴィクトールは、美少女ヴィクトリアとなった(笑)。

 ムーサ刑事からもらった地図によると、町の北西部には、いかにも怪しげなゴミ集積所がある。そこには排水路が通じており、土管を通ってショートカットできそうだ(“アイデア”使用)。

 その頃、ゴミ集積場で、ヴィクトリアはメンドーサ大佐と対面していた。
 父親に夢の話を信じてもらえなかったことに落胆し、軍の偉い人へ相談すれば何とかしてくれるに違いないと、勇気を振り絞って告白するヴィクトリア。
「ありがとう。君の悪夢はもうすぐ終わるだろう。そう、君の死をもって!」

 無数の銃口がヴィクトリアへ向けられる。蜂の巣にされる寸前、ストームナイトが到着! “イニシアティブ掌握”で何とか先攻を奪い、走り寄ったエルモは【アース・シールド】で防護壁を作る。
「お嬢さん、怪我はないかい?」
「は、はい・・・(吊り橋効果で胸キュン)」

 メンドーサ大佐は、カドフェルの奇跡【磔刑(クルシフィクション)】によって瞬時にKO。有象無象の兵士たちも、ジョーのサイコガンの威力を目の当たりにして、あっさりと降参する。
 

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