TORGリプレイ
第三幕 GM:シオンが帰ってきます。 シオン:日記帳とロケットを見せる。 ディアン:「えっ・・・(セバスの持つロケットと見比べて)同じ、か?」 シュア:「同じ物だね」 シオン:「ところで、このロケットには肉が付いているのだが、これはどういうことか説明してほしい」(笑) GM:はははは。簡単です。人狼にとって、銀って痛烈な弱点なので、獣化した時に持っていると、傷が入るんですよ。 シオン:なるほどね。 GM:続いて、リックが帰ってきます。フィアナと一緒に。 シンディ:わー(拍手)。 GM:集会所で今あったことを話しますか? リック:みんなには黙っておく。後でセバスとだけ、ちょっと話をしようかな。 シオン:フィアナが戻ってきたんなら、ロケット隠すよ。 セバス:ああ、そりゃ隠すわ。 シンディ:「セバスさん、こんな物を見つけたんですが、この指輪の紋章はどこの家紋でしょう?」 セバス:はいはい。とりあえず〈知識(家宰)〉ね。(コロコロ)達成値14。 GM:14なら判ります。アレントン家の紋章です。 セバス:あれぇ?
GM:事件は半年前に遡ります。オカルティストであるエリナー・アレントンと対決した3人、ランバート、エマニエル、マルセルは、あと一歩の所まで彼女を追い詰めたのですが、マルセルがその時呪いを掛けられました。獣化の呪いと狂乱の呪いです。それらは、ある一定の期間を置いて急に発症し、気がついたら、マルセルは、仲間のランバートを殺し、愛する人を傷つけていました。日記には、エマニエルが力を振り絞って、自分がフィアナを殺す前に、助け出したらしい、と書いてあります。
GM:そしてマルセルは、逃げるようにヨーロッパを離れ、アメリカへ渡ります。因みに彼は、先程の新聞記事にあった列車事故を防げなかったことを悔やんでいます。その列車事故は、実はエリナー・アレントンが仕組んでいたものでした。逃げ出そうとする彼女の足を切り落としたまでは良かったのですが、とどめを刺せずに、そして列車を止められずに、事故が起きてしまったのです。 一同:・・・・・。 GM:彼が受けた呪いは、彼の自由になる部分を大きく奪っています。傷を受けると、あっという間に暴走を始めます。そして日を追うごとに、だんだんと彼の人間としての部分がすり減っていきます。
GM:少し前から日記が再開しています。『ジェイク・ノリというテレビ局のプロデューサーから連絡があり、両足のない女オカルティスト――恐らくはエリナー・アレントンだろう――が、自分を追っているという話を聞いた』『最後のチャンスだ。エリナー・アレントンを殺すことができれば、自分はこの呪いから解放されるかもしれない』日記の最後の日付は、2日前です。 セバス:獣化の呪いと狂乱の呪い・・・。 GM:(カードを公開し)グレゴールの正体。スカラバスです。契約者に〈オカルト〉技能を与える悪魔。 シンディ:『悪魔(スカラバス)。死せるエリナー・アレントンの守護者。また、フィアナに対して〈オカルト〉の技能を与えているのは彼である。PCが何らかの手段で止めない限り、フィアナの魂は奪われてしまうであろう』・・・死せるエリナー・アレントンですって。 セバス:あいつ、死んでんだ。 シンディ:セバス先生に訊きます。エリナー・アレントンを滅ぼしたら、呪いなんて解けるモンなんでしょうか。 セバス:滅ぼせれば解けますが。 シグマ:どうすればエリナー・アレントンをもう一度殺せるか。 セバス:難しいねー。真の死でしょ? リック:“アイデア”カード使っていいッスか? エリナー・アレントンに真の死を与える方法を、俺たちは思いつける? GM:はい。あのエリスが死体だとするならば、恐らくエリス=エリナー・アレントンは、何らかの形で魂を別の器に入れ替えることを狙っています。 セバス:ふむ。 GM:そして、乗り移る瞬間に、霊体を斬ることができるならば、倒すことができます。 ディアン:(息を飲む)そうか。 GM:因みに、エリナー・アレントンは、まだ魔物ではなく人間の状態なので、迂闊に殺してしまうと、待ち人の館(注:堕落した魂が転生する順番待ちをする場所)に行ってしまいます。逆に、ここで魂を滅ぼせれば、魔物になる前の真の死となります。 シュア:ただ、スカラバスが彼女を守ってるから、先にそっちを何とかしなきゃいけない。 GM:あ、スカラバスは、もうほぼ無力化されています。何故ならばリックが、フィアナに契約を切らせたから。悪魔は契約がなければ力を発揮できないんです。 リック:へへっ(得意げ)。 GM:簡単に言うと、エリナー・アレントンは、マルセルを人狼にして、マルセルの社会的なもの、地位、友人知人、全て消し去って、彼を知る者が誰もいなくなってから、マルセルの名前を奪い、その肉体を自分の器にしようとしています。サイバーウェアで強化され、狂乱しやすく、再生能力を要する肉体を。 シグマ:なるほど。 GM:なおかつまだ魔物になる前、人間として、一回安全策を残したままで、力を得ようというのが、今回のエリナーの計画です。
GM:その時、シグマの電話が鳴ります。 シグマ:「・・・シグマだ」 GM/ジェイク:『アタシよアタシ! 整ったわよ、舞台が! 人狼が来るわよ!』 一同:・・・・・。 GM/ジェイク:『さぁ、ショウよ! 月の光の下で、狼狩りが始まるわ!』 シグマ:「ジェイク」いつもと違う声で言います。「今回は、やめておけ」 GM/ジェイク:『馬鹿言わないで。もう準備は万端なのよ?』 シグマ:「多分、お前も死ぬ。下手をすれば」 シンディ:電話の向こうへ聞こえるように叫びます。「ジェイクさん、お願い、逃げて!」 GM:うわ、死にフラグ立てやがった(笑)。『はぁ? 何言ってんのよ。どこそこのビルに、あと2時間であいつが来るのよ。だからフィアナと一緒に早く来てねー』 シグマ:「よく聞け。お前の後ろにも、お前を狙ってる奴がいる」 GM/ジェイク:『な、何言ってんのよ・・・』 シグマ:「わからんのか! 関係者は全部消される可能性があるということだ」 GM:『そんなこと、あるわけないじゃない!』コン・・・『ん?』ツー、ツー、ツー。 セバス:あーあ。 シグマ:時間通りに人間と狼の切り替えが始まるとは限らないからね。しょうがない。 シュア:ジェイクさん、見所かなりあったんだけどなぁ(笑)。 シグマ:電話をプチッと切って、周りに一言。「あいつが現れた。行こうか」 GM:では、次で決戦が始まります。 NEXT → 月明かりの下、命を賭した〈説得〉が始まる……
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