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第一幕

 
シーン１　From Russia with Love（承前）

 
ＧＭ：（場札をめくり）スタンダードシーン、ヒーロー先攻、悪役後攻。推奨行動は〈間合い〉／〈威圧〉。〈間合い〉は、素早く動くとか、懐に近づくとか、ともかく動きで、相手に仕事をさせないようにして疲弊させる行動です。〈威圧〉は、知性に訴える脅しです。よく言われるのが、弾の入っていない銃でも、〈威圧〉はできる。お前はひどい目に遭うんだぞ、というイメージを見せつけられるから。実際にパーン！　と撃つと、音で驚かせる〈威嚇〉になります。〈威嚇〉は、知性がない、単純な動物なんかにも効きます。

ジョシュア：解りました。

ＧＭ：推奨行動に成功すると、カードが１枚もらえます。練習として、推奨行動を試してみるのもいいと思います。相手は、コルセアというアイルの海賊さん４人。便宜上ABCDとします。行動順序は、基本的には《敏捷度》順です。

宗元：《敏捷度》は１１。

裕人：１３です。

イリス：こちら９です。

ジョシュア：１０。

ＧＭ：裕人、宗元、ジョシュア、イリスの順ですね。ということで裕人、お手本を兼ねて、行動どうぞ。

裕人：〈間合い〉やります。イリスを残して、そのまま走り出します。

ＧＭ：懐に近づく感じですか？

裕人：近づきます。（コロコロ）〈間合い〉１４です。

ＧＭ：成功です。Aが萎縮まで入ったぞ。

裕人：じゃあ、こそっと、「遅いよ？」

イリス：カッコいい。

ＧＭ：推奨行動成功なので、カードを差し上げます。

裕人：はーい。あっ。“自己犠牲”。

ＧＭ：これは、死亡フラグが立ったので、派手に散るために、前払いでポシビリティを多くもらえる、というカードです。

ジョシュア：なるほど。

ＧＭ：サイドストーリーのひとつなので、使うか使わないかは選べます。使わないと言って流して、１ポシと交換でもいい。

裕人：使いません！　わたし死にたくない！

ジョシュア：どんな敵でも倒せるのか。これ、手だな（笑）。

裕人：“緊急行動”を場に出しておきます。

宗元：ワシも〈間合い〉。この場合、Bにやった方がいいのか。

ＧＭ：幅広くペナルティを与えてもいいですし、今、萎縮しているAは、技能基本値が下がっているので、この状態で畳み掛けると、プレイヤーズコールが狙いやすくはなります。

宗元：対象はB。（コロコロ）１９か。＋６で〈間合い〉１７。

ＧＭ：成功です。萎縮になりました。近づかれて、「う、わあああ、来やがった！」

裕人：うわー！　ヤクーザ、ヤクーザ！

宗元：銃を見て、「そんなもんじゃビビらへんぞ！」と言ってこう、悠々と歩きながら間合いを詰める。

裕人：かっこいいー！

ＧＭ：ジョシュアどうぞ。

ジョシュア：Cに〈威圧〉をしましょう。「ところで、お前程度の技術で、金輪の武器を使えるとでも？」（コロコロ）１０。（コロコロ）１９。

宗元：また振り足した。

ＧＭ：さっきからおかしいですよ出目！

イリス：いや、いつもだよね。

ジョシュア：〈威圧〉１９です。

ＧＭ：逆転負け。うわーん、いぢめられてるー。平気だもん、リンクさえ切らなければ！

ジョシュア：行動成功したので１枚いただいて。“リーダーシップ”。

ＧＭ：“リーダーシップ”は、場に出して使用すると、自分の手札から２枚を、他の人の場に出せます。さらに、補充ができます。

裕人：最終戦闘で、カードが足りない！　って時に、これを出して補充！　ってことができるんですよ。

宗元：ダメージディーラーにカードを集中とか。

裕人：そうです。

ジョシュア：なるほど、それはいいですね。ここでは“緊急行動”を出します。

ＧＭ：イリスどうぞ。イリスの行動が終わってから、逆転負けの演出をします。

イリス：では、〈威圧〉を試みよう。ビビリなんで深呼吸した後に、Dの人をすっと指差して、「アイルの人なら知っているはず。アイルの魔女を敵に回すと、どれだけ恐ろしいか！」

ＧＭ：怖いよ、マジで怖いよ！

イリス：（コロコロ）１２。せっかくなんでポシビリティを使ってみよう。（コロコロ）１０、振り足し。（コロコロ）１５、３７。

ＧＭ：勘弁してくださいよ。

イリス：＋１１で、〈威圧〉技能はないので、《知力》１１と足して、２２。

ＧＭ：ふふふふふ。うわーん、逆転負けだよう。

イリス：１枚もらいます。おや？　“個人的利害”。

裕人：『シナリオのストーリーに個人的利害があることが明らかになる』。

イリス：ヒロインいるっぽいから、もらっとこうか。とりあえず“ヒーロー”を出します。

ＧＭ：逆転負け演出の対象が、CとDの２人になりました。Dは、「うわー！」と焦って、Cも、「撃てるさ！」と意気がって、撃ったんですが、２人とも狙いを全然外してるんですよ。Dさんなんか、恐れおののいて空なんか撃つ勢いです。その結果、派手に跳弾して、丁度近づいてきた、ロンドン名物二階建てバスの、タイヤを穿ち、バスがスピンして、コントロールを失って突っ込んできてCとDを跳ね飛ばして、今、皆さんの眼の前です。

イリス：うわ！

ＧＭ：で、時計ストップ。

裕人：はい。かちっ！（ストップウォッチを押す音）

ＧＭ：プレイヤー全員、行動が終わってますよね。どうしますか？

宗元：このままだとバスに轢かれる、というオチ？

ＧＭ：はい。

ジョシュア：状況としては、バスが今、スリップしてる状態。

イリス：とりあえず我々の身の安全を図らないと。

宗元：・・・どうにかバス止めれねぇかな。

ＧＭ：ありがとうございます。《筋力》判定で、物理的に止められます。

裕人：《筋力》１１って言ってます。

宗元：自分も１１だ。

ＧＭ：マッチョなヤクザとタメはるって、吸血鬼、ぱねぇな。

宗元：いや、むしろ逆だと思いますよ。ヴァンパイアと互角の《筋力》のヤクザって、何？（笑）

イリス：に、ニッポン人ってすごい人種デスネ（笑）。

ＧＭ：ただし、皆さん行動済みなので、バスを止めるためには“緊急行動”を使ってください。

宗元：やべぇ、出すべきカードは“計画”じゃなかったか。

ジョシュア：私は英国紳士だから、“緊急行動”を使ったとしても、《筋力》８。

ＧＭ：もしくは、英国紳士なので、“緊急行動”しろ、と言って誰かとカードを交換すればいいのですよ。

ジョシュア：それか！　じゃあ、「矢士田。できるな？」と。

宗元：「バスの中の人たちを、見捨てるわけにいかないやないけ！」

ＧＭ：難易度は１８です。判定に参加するのは、宗元さんひとりだけかい？

裕人：２人でできるんですか？

ＧＭ：できます。２人でやる場合は、どっちかがメイン、どっちかがサブになって、サブの人は難易度１０でいいです。クリアするとメインの人の達成値に＋２されます。

裕人：じゃ、自分も“緊急行動”使っときましょう。サブとして行動します。１１スタートです。（コロコロ）９。丁度１０ですね。

ＧＭ：成功。２上がった。

宗元：やってやらぁー！（コロコロ）２０！

一同：おおーっ！（拍手）

宗元：（コロコロ）３７。＋１１なんで、２２。

ＧＭ：＋２して２４。ということは、突っ込んできたバスを、２人がかりで、押し止めた！

宗元：「ふぅんぬぁー！」

ジョシュア：ニッポン人すごいな（笑）。俺たちも、次に生まれ変わったら、ニッポン人だね。

宗元：「相島！　根性出しぃや！」

裕人：暑苦しいなー、と思いながら、「おー」（笑）

ＧＭ：因みに、避け損ねた場合のダメージは、（コロコロ）振り足し。

ジョシュア：あ。

ＧＭ：（コロコロ）２７。＋９、２５。ということで、可哀想なCとDに、２５ダメージ。

宗元：死んじゃうわ、それ。

ジョシュア：危ねぇー。

イリス：止めて正解でしたね。

宗元：ふーっ。びっくりした。

ＧＭ：因みに、ここまでがヒーロー側の行動です。“緊急行動”使ったから。悪役側、この状況で、どうしろと。こんな人間離れした奴ら！

宗元：目の前でバス、素手で止めてますからね、２人で。

裕人：そうですね。

ＧＭ：逃げさせていただきます。ということで、戦闘終了です。
 

 
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