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TORGリプレイ

『Pandora』

 

第三幕

 
シーン2 Impossible n'est pas Français

 
 目を閉じれば、人工神経線維を通じて、ゴッドネットのほころびが「見える」。
 マルセルはクラッキングを開始する。失敗のイメージは微塵も浮かばなかった。
 

マルセル:“ヒーロー”の使い方って、後出し可能?

勇人:そうです。ポシビリティと全く一緒です。

GM:因みに、ゴッドネットを乗っ取る時に60が出ても、偉業とみなせると思います。だから、チャンスは2回。

マルセル:〈サイバーデッキ操作〉で振ります。(コロコロ)8。ポシビリティ。(コロコロ)18、26。+9で、22。

GM:では、マルセルがサイバーデッキに指を滑らせると、偽りの天上の世界を映し出していた聖ビジョンの画面が、突然ざざっと乱れて、真っ暗な空間になりました。

マルセル:偉業ではないので、演出を若干弱めにします。近辺の聖ビジョンを、1分だけクラックします。聖ビジョンに流れていた画像が、サイバー教会の画像から、セックス・ピストルズのPVに変わります(笑)。

マキシム:おおっ!

勇人:いいですねー。カッコいい。

神崎:パンクだね。

GM:「何だ?!」ってなるよね。見てた人は。

マルセル:しかも、サブリミナル効果があり、人格的には、全く別の何かが刷り込まれるので、大混乱になります。
 

「ロックを流してみたい」冗談のように、神崎の前でそうつぶやいたマルセルの選曲は、
 ロックミュージックの中でも特に荒々しく、反体制色の強い、パンク・ロック。
 映像は、サイバー教会のみならず、教会外の人々にも、計り知れない衝撃を与えた。
 

勇人:たまたま聖ビジョンを見てたパンクスの連中は、「うわー、ピストルズだー!」(笑)

マルセル:その状態で、ふうっと、中空を見ながら、つぶやくわけですよ。「挨拶代わりだ・・・」と。

勇人:「さすがマルセル卿。趣味がいい。セックス・ピストルズと対バンですか」

マルセル:といったところで、次。

神崎:よし、頑張れ。

GM:聖ビジョンを見ている人に向かって、〈説得〉で呼び掛けてください。

マルセル:別に、俺は喋りませんよ。ただ、セックス・ピストルズのジョン・ライドンが、『全てに中指を立てろ』って、ただひたすら、1分間、楽しそうに飛び跳ねながら、見てる人間に、呼び掛けるだけなので。

勇人:いいですねー。

マキシム:〈説得〉なのか、それ?

マルセル:個人的には、〈挑発〉で振りたいです。

GM:いいと思う。私も同感です。

マルセル:(コロコロ)5。ポシ切っていこう。ポシ切っていこう。

勇人:ええ。まだチャンスは充分あります。

マルセル:5足す、(コロコロ)20!

GM:おおーっ!

マルセル:25足す(コロコロ)3、28。“ヒーロー”1枚目。(コロコロ)40。2枚目。(コロコロ)19、59。ここに“ドラマ”があるじゃろ?(コロコロ)20!

勇人:来た!

マルセル:(コロコロ)81。で、最後に“偉業”を場に出しまして。

神崎:よし、偉業だ!

勇人:いえーい!(拍手)

GM:81は、+20です。

マルセル:+3がつくので、〈挑発〉38。
 

『全てに中指を立てろ。教会の支配なんてクソ食らえ』
 抑圧され閉ざされていた、人々の心の奥の扉が、カチリと開いた。
「「「そうだ」」」
 

マルセル:下位のホスピタラー(病院騎士)が、装備をおもむろに地面にバーン! と投げ捨てて、「やめだやめだ! 酒でも飲みに行こうぜ!」

GM:職場放棄を始めました!

マルセル:パンクスとホスピタラーが殴り合いを始めて、最終的に殴り合ってたのが仲良くなって、一緒に酒飲みに行ったりとかして。

勇人:いいですねー。

マルセル:上のホスピタラーたちは、「どういうことだ、どういうことだ!」って言ってる中で、「うっせぇんだハゲ!」って殴られて。

神崎:「なめんな!」

マルセル:もう、大混乱ですよ。その様子をモニタリングしながら、「楽しくなってきたじゃないか」とほくそ笑んでます。

神崎:いやー、出目よかったね! 素晴らしい!

マルセル:あざーす!

勇人:数値的に言うと、38は地球一周の距離なので、きっとこの偉業は、地球一周して伝わりますよ(笑)。

神崎:見た瞬間に、「おっ、これだ!」と言って、ネット配信をすぐに始める。

勇人:そこから拡散される。聖ビジョンクラックなう!

GM:教皇領だけじゃなく、全世界に広がりそうだね。

神崎:通信を入れます。「やったな!」

勇人:「やりました。最高のギグでした! さて、ここからです」

GM:そうすると、神崎さんの方でも、イベントが起きます。あなたは、ベッドに寝かされてたんですけど、隣の部屋のドアが開く音がして、目の前を通っていったのは、宝条ナオミ。

マルセル:おお。

GM/ナオミ:「ロックよー!」(笑)

神崎:ああー。

勇人:見ちゃったかー。

神崎:あ、助けなきゃ、と思って、「あっちの方でコンサートやりますよ」と言って、彼女を入口の方に押し出します。

GM/ナオミ:「ホント?!」
 

 宝条ナオミが興奮した足取りで駆け出した直後、
 視界の隅に黄色い光が見えた気がして、神崎は反射的に身をすくめる。
 

GM:頭上を飛び越えて、目の前に、ドローン・ウルフ、機械化された狼が、光り輝くパワーソードをくわえて、あなたに狙いを定めています。

勇人:ブレードライガー!(笑)

マルセル:ゾイド?(笑)

GM:妖刀が、嬉しそうに言います。『遂に始まるのだ、妖刀大戦が!』

マキシム:ええーっ?

マルセル:大混乱だな、もう。

神崎:「お、始まるか。よかった、ホントに狼に会えた」

勇人:この人たち、持ち主も道具も、比喩表現が通じない人たちだった!(笑)

GM/妖刀:『奴は狼。疲れを知らぬ木偶人形。力の出し惜しみなどするでないぞ』

神崎:「解ってる。ただ、悪いな妖刀。100人を助ける方が先だ」と言ってですね、「それぐらいのことはわきまえてる。俺は今、サムライじゃなくて、ストームナイトだからな」

GM:おおー。

マキシム:カッコいいな。

神崎:と言って、妖刀じゃなくて、脇差の方を抜きますよ。

GM:では、ドラマチックシーン、いきます!

 
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