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TORGリプレイ

『RELIVE』

 

第二幕

 
 小さいが手入れの行き届いた庭を臨む茶室にて、和服の男が茶を立てている。
 その向かいで、白いスーツの男が、正座して窓の外の庭を眺めている。
 すっと茶が差し出され、スーツの男は静かにそれを口元に運ぶ。
「おいしゅうございます」男の左目には、頬にまで達する大きな傷痕。
 ジャケットに留められたκマークのピンが、きらりと光る。

「例の件は、どうなりました?」
「必要な人員は配置しました。あとは、報告を待つのみです。
 二三、他の厄介なレルムが動いているという報告もありますが、
 あのストーマーたちなら、うまくやるでしょう。ご安心あれ」
「だといいのですが。常に、不安要素は排除しておかなければ、ね」

 茶室の外、木々の緑のその先は、スモッグが立ちこめる汚れた空。
 暗くよどんだ空気は、リビングランドの深い霧にも似ている。
 


 
シーン1 濃霧の中へ
 

GM:第二幕開始です。雪さんが、消息を絶ったのは、オレゴン州辺りだと聞いています。今は、完全にリビングランド勢力下です。プレイヤー情報なんですけども、この辺は、ニッポンテックが、こっそりスティリーを植えて、ニッポンテックのレルムにしていた地域でした。そこをリビングランドに取り返された、という風に、認識してもらって構いません。

ディオルド:了解。

GM:既に皆さんは、装備品とかを整えて、リビングランドに突入しています。で、彼女が通っていたという大学の辺りに、避難民が逃げ込んでいるらしい、という情報を途中で仕入れて、そこまでやって来たところです。ということで、車を運転しているマッコイ、迷ったりしないかどうか、〈サバイバル〉で振ってください。

マッコイ:技能持ってなーい。

GM:では、〈サバイバル〉持ってる人が振ってください。

ディ:持ってる。(コロコロ)3(笑)。

マッコイ:《知力》で振ってもいい?

GM:いいよー。

マッコイ:(コロコロ)19。+6。えー、達成値14。

ディオルド:お、いいね。私は13。

GM:14が一番高いですね。今度は〈地上車操縦〉。一応今の《知力》判定の成功度を、僕の方で加味します。

マッコイ:(コロコロ)9。−1だから、達成値15。

GM:そうすると、並みいる霧も何とやら、迷うこともなく、ですね。

マッコイ:あれ、俺は今、すごく大事なことに気がついた。確か今乗ってる車って、5人乗りだろ。(ひとりずつ指差して)1、2、3、4、5・・・。

ディ:ということは、連れてくる時、雪が乗れないってこと?

大悟:いや、俺はバイクだから。

GM:ああ、バイクの人も〈サバイバル〉振ってください(笑)。

大悟:〈サバイバル〉は持ってないから《知力》か。(コロコロ)10、振り足し。(コロコロ)17。達成値13。

GM:はい。それなら何とか、マッコイの車の後を、ついて行きますね。
 

しばらく走ると、霧の中に、うっすらと大学が姿を現す。
どうやら構内にハードポイントがあって、
リビングランドに飲み込まれずに残っているらしい。
門の向こうにはテントやバラックが建ち、難民キャンプ状態となっている。
 

GM:あなたたちが近づいてくるのを発見したスタレンジャーが、空からふわふわふわふわーと寄ってきて、同じスピードで、車と一緒に飛びながら、トントン、トントン(窓を叩く)。

マッコイ:トントンと叩き返して、「よっ」(片手を上げる)

GM/スタレンジャー:「・・・よっ」

一同:あれー?(笑)

GM:ではスタレンジャーは戻っていって、民兵らしい人とやり取りをして、その人が「ストップストップ」と言って、車の方に寄ってきて、「今、スタレンジャーから聞いたんだが」

マッコイ:「救援物資と人捜しだ」

GM:「ああ、レルムランナーの方ですか。ありがとうございます」って言って、通してもらえます。で、通るとですね、もう、既に人々がいい感じで群がっていて、物資ー、物資ー、という風に。

マッコイ:「(手を叩き)あー、順番だ、順番に渡すから、落ち着きなさい!」

GM:向こうの人たちも判ってるらしくて、「子どもや、病人がいる家庭からだー」と、仕切ったりして。

ディ:オレも、降りて、手伝う。

GM/避難民:「ああ、ありがとうございます」

シオン:マスター。病人のいるテントに移動して、奇跡使おうと思います。

GM:そうすっと、ここの、キリスト教圏の人たちがですね、あなたを見て、「失礼ですが、あの、ご宗派の方は?」

シオン:「私は、カトリックだよ」

GM/司祭:「ああ、すみません、ちょっと、それっぽくなかったものですから(笑)。失礼しました、はい」

シオン:「まあ、言わんとしていることは、判らないでもないがな」

GM/司祭:「お互い、救おうとする人に対して、奇跡かけて血を吐かれるのは、二度と見たくないです」(笑)

シオン:「神のご威光は、どの人間にも、あまねく届くものなのだよ」

GM/司祭:「ありがとうございます。ありがとうございます」

シオン:プレイヤー的には、そんな世間知らずのお嬢さんは、絶対看護婦としてヒーヒー言ってる筈だと思って、テントに来てるんだけど。

GM:なるほど。そうすっとですね、ヒーヒー言ってる人はいますけど、雪さんはいませんね。

シオン:じゃあ、そこで聞き込みを。

GM:解りました。他に何かする人は?

大悟:こういうトコでも、必ず、裏街みたいのはあるよね。

GM:勿論ですよ。

大悟:じゃあ私は、裏街道辺りを回ってですね、チンピラ叩きのめしながら、話を聞く。

GM:ああ、いいですねー。ちょっと待っててくださいね。

マッコイ:ではマスター、現地のスタッフに救援物資渡すついでに、雪さんのことを伝えて、いるかどうか。

GM:「こういう人いる?」って感じで、写真とか見せるわけですね。(コロコロ)そうすっと、周りの人たちは「ん? 知らなーい」みたいな感じが多いですね。

大悟:ニッポンテックの人っているの?

GM:結構いるみたいです。ざっと見た感じ、2、3割ぐらいが、日本人です。かなり多いですよ。

ディオルド:これはコアアース的思考なんだが、名簿を調べれば、どこにいるか判るんじゃないのか?

マッコイ:よし、大学の学生課に行ってみよう。

GM:学籍名簿を見せてもらって探す、ということですね。〈手掛かり分析〉で。

マッコイ:(コロコロ)5かよ。ポシ使います。(コロコロ)達成値18。

GM:ではそうすっとですね、かなりの量があったんですけど、素晴らしい検索能力で、時間を一気に短縮して、あ、この人だ、と見つけられます。ちゃんと名前は「三崎雪」で登録されていて、一年生。

マッコイ:学部とかもじゃあ、判るわけですね。

GM:はい。とりあえず、学生課の人に聞き込みすると、「お見かけしたことはあります」と。ただ、「今どこにいるか」と訊くと、「詳しくは存じてないんですけど」

マッコイ:「日本人が集まっているところはどこかな? 案内してほしい」

GM:今、正直学校は休校状態で、完全に難民キャンプとして活動しているだけなので、そういったことは判らないそうです。

マッコイ:テントを片っ端から覗いていくしかないかー。「解った、ありがとう」

GM:2人、〈発見〉。

マッコイ:(コロコロ)7かよ、まわんねぇなー。

ディオルド:(コロコロ)とりあえず達成値12。

GM:そうすると、雪の名前ですが、留学生っていう棚から探したから早かったのもあるんだけど、見つけやすいところに、この資料が置いてあったなー、と思います。

マッコイ:「そういえば、我々より先に、何か調べ物をしに来た連中はいたかな?」

GM:そうすると、この部屋を管理してる人がですね、「えーと・・・あれ?(帳簿をめくって)あれ?」という風に言っています。「あなたたちが来る前・・・人がいた筈なんだけど、書いてない」

マッコイ:記憶を消された?

GM:不思議がっています。

ディオルド:書類を改ざんした痕跡みたいのは感じられますか?

GM:ないですね。

ディオルド:ナイルの催眠術かな?

GM:かも。その辺は、充分ありえる話なんで。はい。

シオン:魔法的なもので記憶を失わせられるっていう可能性は?

GM:それはちょっとはっきりとは判らないです。彼は、「あまりお役に立てずに、すみません」と謝ります。

マッコイ:こんだけ判れば大丈夫大丈夫。動いてるとしたら、あの辺だろうから(笑)。

GM:ということで、他の人に移ります。

 
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