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TORGリプレイ

『Re:Re』

 

第四幕


シーン4 いつか、未来で
 

誰もが悟った。間もなく、この時空の狭間は、‘名づけざるものの端末’とともに消滅する。
 

ディ:「どうすればいい?」

GM/コリン:「もっかいゲート開くからよ、‘あいつ’のこと止めといてやるから、おまえらは先にもどれ」

ディ:!

GM/コリン:「いいんだよ。おれはこのために来たんだから」

ディ:「いや、良くない。誰かが犠牲にならないと、世界が守られないなんて、そんなのはダメだ。何とかしよう」

GM/コリン:「しょうがねーじゃねーか。犠牲なしに得られるモンなんか、ねーんだよ」

ディ:・・・・・。

GM/コリン:「気にすんな。おれは未来へ帰るんだからよ」

闇影:そしたらですね、いつの間にか隣にいて、「犠牲なしに何もできないかもしれない。だが、その犠牲を出さぬよう、そのために我々がいるのだ。未来へ帰ったらば伝えるがいい。よいか! 最後に勝つのは、正義だ!」

アンドレ:おおー。

GM/コリン:「暑苦しいおっさんだぜ(笑)。言っとくが、おっさんのぐるぐる回る技は、カッコよかった。すまん、今のおれの脳では、この表現がせいいっぱいだ」
 

ふと、何かを見つめるような遠い眼をして、コリンがつぶやく。
「わかったぜ。世界はいっぱいあるんだ。ひとつじゃねーんだな」

そしてストームナイトたちは、ほんの一瞬、幻影を見る。
数多の宇宙の中に小宇宙が、小宇宙の中に様々な世界があり、
その全てに「自分」が存在する、という、途方もない感覚。
 

GM/コリン:「アーサーが言ったのは、こういうことだったのか。なるほどな。でも、この世界を救うことは、むだじゃない。それがわかっただけでも、来たかいがあったぜ。あとは、おれの身体をちゃんと戻してくれれば、もんだいねーぜ」

ディオルド:「戻すというのは、つまり、元のところに?」

GM/コリン:「そう。おれの父さんと母さんのところに、おれの身体を連れてってくれ」

ディオルド:コリンのガワの中に入っているのは、未来のコリンなんだよね。

闇影:ただし、数千数万ある未来のうちの、ひとつのどれか。

GM/コリン:「でも、間違いなくおれの未来とおまえらの未来は、つながってんだぜ。アーサーが戻ってきたんだからな」

ディ:・・・・・。

GM/コリン:「‘あいつ’がいなくなったら、きっと全部『なかったこと』だからな。資格をとられたヤツも戻ってくんじゃねーの? そしたら、おまえら拾ってやれよ」

ディ:その言葉にはっとして、「すまない、コリン。オレは、4人の仲間を、助けなければならない。お前と、未来でまた会えると信じて、今は、仲間のところに行かせてくれ」

GM/コリン:「うん。おめーがおっ死ななきゃ、会えるんじゃねーの? おれはきっと、超カッコいい美少年とかになっちゃってるけどな(笑)。おめーはおっさんだぜ。ニンジャのおっさんは、じいちゃんかもな」

闇影:ちらっと見て、「ふん」と、鼻先でせせら笑って、「では、何十年か先の未来で会おう。だがその時は、ばっちりしごいてやるからな」

GM/コリン:「誰がそんな、暑苦しい忍術なんかやるか、バーカ! ぐるぐるまわって、目ぇまわって、吐いちまう」

闇影:「人生の修行よ。忍術とは限らんぞ。 はーっはっは!」

ディオルド:カッコいいとか言ってたくせに。

GM/コリン:「うっせえバカ、うっせえバカ、うっせえバカ!」(笑)

闇影:図星だ。

アンドレ:ゲートってもう開いてんの?

GM:はい。さっきと同じ、白い天使の輪のようなものが見えています。

アンドレ:えーと、空、にあるのね?

GM:正解。

アンドレ:えーと、飛行機は?

GM:食われた(笑)。

アンドレ:きついね。空の上にいきなり、ポーンと放り出されるんだからなー。俺、さすがにそんな都合のいい奇跡持ってないしなー。

闇影:大丈夫。TORGのキャラクターは、たとえ《耐久力》8でも、1000mから落ちたって死なない。

GM:そこはルールの穴です(笑)。

アンドレ:じゃあ、帰りますかね。

GM/コリン:「あー、帰れ帰れ。とっとと帰れ。おれの身体は連れていけ」

ディ:そしたらオレは、コリンを抱っこしている時に、いつも引っ張られていた首のネックレスを、力任せに引きちぎって、コリンに渡します。

GM/コリン:「何だよこれ? 未来に物は持って帰れねぇ、って言ってんだろ?」

ディ:「そう、なのか」

GM/コリン:「おめー、ほんっとバカだな。(小声で)こんな物よりいいモンをもらったんだよ、バーカ」

ディ:・・・・・。

GM:「じゃあな」と言って、最後に彼は、手をぶんぶんと振ります。そして、ふわーっと、霊体が離れていきます。

ディ:見えるのかな、オレには。

GM:全員に見えますよ。確かにこいつ、美少年は嘘ではないな、両親に感謝しろよ、っていう。でも生意気そうなツラですよ。10代前半くらい?

闇影:あー、生意気盛りですね。

GM:で、彼が離れた瞬間、コリンはにぱっと笑って、あなたの顔をペタペタペタ。「でぃー、でぃー」

ディ:えっ? オレ?

ディオルド:最初に喋った言葉がディなのか。

GM/コリン:「でぃおるど、でぃおるど、おっさん、おっさん、あんどれ、あんどれ」

闇影:私はおっさんか!

GM/コリン:「ふくめんおっさん」(笑)

ディオルド:高度な覚え方してるな。

GM:コリンの霊体は、父ちゃん母ちゃんに迷惑かけんじゃねーぞ、おれ! とか言いながら。

ディオルド:迷惑なんかかけたのか、お前?

GM:しらねーよ。幸せになるんだぞ、そこのおれ、っていう顔をして(笑)、あなた方を見送ります。
 

ストームナイトがタイムゲートを抜けるのとほぼ同時に、ゴスポグの皮膚が爆ぜた。
負のポシビリティは、この世界に留まるための器を失い、瞬く間に滅び去った。

コリンの言葉通り、全ては『起こらなかったこと』になった。
食われた筈のシュアの飛行機の中に、仲間たち全員が揃い、そして・・・
 

GM:丁度そこに、おっとり刀でやって来た、ウー・ハン総督の軍勢ですとか、スラッチェンですとか、あとは、事態がよく解らないけどやって来た各レルムの有象無象どもが、雲霞のごとく押し寄せてきています。

ディ:“逃走”カードを使います。

アンドレ:あ、いいんじゃない?

GM:では、世界を救ったあなた方は、そいつらを尻目に、流星のように空を駆けていきます。そして、解放されたポシビリティ・エネルギーが、無数の流星となって降り注ぎ、地球に、新たな朝日が昇ります。
 

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