Eternal Smile > The Right Way to Save the Earth 『正しい世界の救い方』 限りなく今に近い未来……… Prologue(ゲームマスターによる卓紹介を転載)
今回のシナリオテーマは王道復古。 倒すべきは何か、守るべきは誰か。 力があるものがヒーローなのでしょうか。 TORG【正しい世界の救い方】 ヒーローの登場を、世界は待ち望んでいます。 スティリー抜こうかなって。
第一幕 私の名は牧野芹奈。今回のビジネスは、端的に言うと、アメリカ、リビングランドと呼ばれる原始世界に残っている、自由人村の住民5万人に、希望を取り戻させることだ。 地球の可能性を奪いに来た侵略者との戦い、いわゆる「ポシビリティ戦争」が始まって数ヶ月。防衛側の地球は、少しずつこの戦争のルールを理解しつつあった。 侵略にはスティリーと呼ばれる杭を使う。3本のスティリーで囲まれた三角形の内部が、異世界(レルム)となる。アメリカ軍は、その杭を1本でも抜けば、レルムが崩れ、元の地球(コアアース)に戻ることを知った(言い換えれば、実践したということ)。ただし、レルムの中に残されていた人間の多くは、燃え尽きて死んでしまったらしい。 燃え尽きず、生き残れた者たちには、共通点があった。どこかで「希望の物語」を耳にしていたのだ。その物語は、私たちストームナイトが何かを成し遂げ、人づてに、またはメディアを通じて語られたものに他ならない。 つまり、私たちに求められているのは、レルムのど真ん中にある自由人村で、「みんなに希望を与えられるような、大きな成果を上げる」こと。その「希望の物語」を、5万人の住民全ての胸に届け、希望の欠片(ポシビリティ)を取り戻させること。 だからかしらね。集まったチームのメンバーは、全員とても身体が大きかった。克己が小柄に見えてくるぐらい。 スキンヘッドのブラックピープル、ドミニク・イェーグ。彼はアメリカで人気のあるリポーターらしく、人を惹きつける話し方をする。 ドミニクと並んで2メートルの巨躯を誇る、ロザリオマスク。司祭服の覆面レスラー。ゴリラに育てられたという噂だけど、さすがにそれはないわよね。マンガじゃあるまいし。 「安全ピンのマリー」。フランスから来たパンクなお嬢さん。逆立てた髪型(敢えて言うと、モヒカン)の分も入れれば、身長は克己とほぼ同じ。多分、彼女と克己が、このチームの火力担当。 私の武器は、モバイルPCと情報。ハッキングによって世界の行く末を少しずつでも変えていく。それが私の選んだ戦い方だ。この後、原始世界へ入ることが判っているのに、役に立つのか、とお思いの方も多いでしょうね。でも、マキシミリアンのマネージャーとして、彼をサポートするために同行するんだったら、文句はないでしょ? アメリカ軍が、スティリーを抜く作戦を決行するのは1週間後。つまり猶予は1週間。私たちは軍に同行し、村に着き次第、別行動を取ることになっていた。 実を言うと、アメリカ軍からの要請は「スティリーを抜く前に5万人を避難させる」ことだった。でも、わざわざ自由人村なんて名前をつけて、レルムのど真ん中に残っている人たちだ。筋金入りの頑固者に決まってる。そういう人を無理やり動かそうとすれば、私たちへの心証が悪くなる。 動きたくないなら、動かなくていい。レルム崩壊の衝撃をやり過ごせるように、「希望の物語」を聞かせてあげればいい。 ・・・ブリーフィングでの一幕を思い出した。 『彼女は単なる協力者。我が軍の作戦へ口出しするのは、越権行為では?』 幸い、指揮官のスティーブ・ゴールデンベルグは、話のわかる人物だった。 『我々とて、銃で同胞を追い回したくはない。だから待機する』 彼は、自由人村の住民に「ストームナイトは味方だ」と思ってもらえるように、憎まれ役を買って出てくれた。それは、とても有り難い配慮だった。 スティーブ指揮官は、こうも言っていた。 聞くところによると、ロザリオマスクと、その英雄アーネストは、よく似た背格好をしているらしい。ジャングルの王者なんて、また、随分と強そうな二つ名ね。その人と背格好が似ているということは、ロザリオマスクも、実はすごい人だったりするのかしら。 (→NEXT) "Eternal Smile" Since 2002.02.02 E-mail:charmy_s@mac.com |