Eternal Smile > Samurai Overdrive 『Samurai Overdrive!』 あとがき
ディアンのプレイヤー、しゃあみです。前作、前々作とアイルを舞台にした話が続いていましたが、それらとは大きく趣が異なる、ニッポンテックでの戦い、お楽しみいただけましたでしょうか。 ニッポンは、現代の日本とほぼ同じ社会構造ですから、剣を背負っているだけで職務質問ものですし、刃傷沙汰など起こせば、翌日に顔写真が新聞の一面を飾ってしまいます。ストームナイトの面目も丸つぶれです。 そんな制約の多いニッポンで、戦士系キャラクターが存分に暴れられる舞台として、GMは「御前試合」という素敵シチュエーションを考えてくれました。なのに、せっかくの話に乗ろうとしないだなんて、ひどいプレイヤーもいたものです(私です)。 ディアンは、人の命を奪うことを、自らの罪として背負いながら戦っています。何の信念もなく、ただの見せ物として、試合で相手を傷つけるというのは、彼の信条に真っ向から反します。 当然、試合への出場は断りましたが、セッションに参加している以上、物語の進行にきちんと協力する義務があります。得意じゃないけど、情報収集や交渉を頑張ろう。マキシムと闇影を影から支えよう。そして、プレイヤーとしてはきちんと頭を使おう。そんな風にギアを切り替えて臨みました。 「剣を抜かずに戦う」、すなわち、ディアンが頭を使って立ち回り、敵と駆け引きして譲歩を引き出す、というのは、多分今回が初めてです。能力値的にも苦手分野なことに加え、〈名誉〉技能持ちとしての縛りがあるため(嘘がつけないなど)、セリフを考えるのが本当に難しかったです。 難しかった分、面白さと達成感は格別でした。金輪龍一とのやり取りは、個人的にはディアンのベストバウトだと思っています。一般的には口プロレスと呼びますけどね(笑)。能力値では勝ち目がないので、どうやって嘘をつかずに真実をオブラートに包んで自分の目的を達成する(血の惨事を起こさないようにする)か、大いに悩みました。でも、結果として彼に借りを作ってしまったわけで(エピローグ冒頭で、カナワ様はほくそ笑んでおります)、将来どんな形で自分の身にはね返ってくるか、ちょっと怖いです。 GMのありまさん曰く、奥方様の元ネタは「八百屋お七」です。火事の日に出会った男へ恋をして、もう一度火事が起きれば彼に会えると思い、江戸の町に火をつけた少女。確かに、「狂った遊女のようにリングの上を探しまわる」など、それを思わせる描写がありました。 お七は火刑に処せられたそうですが、ディアンは、もし完全に堕ちきっていないのであれば、奥方様を救いたいと思っていました。ただ、オカルト儀式が絡んでいたので、織田か奥方様、どちらかの正体が魔物である、ぐらいは覚悟していました。もしくは、儀式によって魔物が呼び出される、とか。幸い、読みは外れてくれました。そして、みんなの頑張りによって、比較的ハッピーなエンディングを迎えることができました。 キャラクターの立ち位置は、まさに適材適所だったと思います。罠と知りながらも、ニッポンへの個人的な恨みから試合に出ざるを得ないマキシム。ライバルの出現により、決闘へ身を投じることになった闇影。金さえあれば何でもできるニッポンにどっぷり浸かったユウイチ。同じ女同士(?)、ジェイクとの友情が芽生えたリリアン。一番印象的だったのは、ユウイチの染まりっぷりですかね。それはそれは楽しそうに演じておられました。あと、闇影とブランシェットがエントリーするシーン。あれはひどかった。ディアンはテレビを指差して口をぱくぱくさせるだけでしたが、私は大爆笑でした。 さて。 時間軸だけは今のキャンペーンの延長線上として、新キャラで遊んでみたらどうだろう? そう思って、次世代編(the Next Generation)として仕切り直しをすることに決めました。以降のリプレイには、新キャラも続々登場予定です。 勿論、ディアンは私の永遠の恋人なので(え?)、引退させる気はまだありません。丁度1ヶ月前、マキシムとコンビでポンテクメインのシナリオに参加させていただきました。今作ラストより、また一歩、状況が進みましたよ。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました! 次回作は、アイル発の世界移動もの『Red Giant』か、ポンテクを舞台にした季節もの『クリスマス・キャロル』のどちらかになると思います。今から書き始めれば、クリスマス頃には完結できるはず!(笑) 2013.03.23(早くも桜が満開の週末) しゃあみ・拝 "Eternal Smile" Since 2002.02.02 E-mail:charmy_s@mac.com |