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第7回トーグオンリーコンベンションプレイレポート
学園TORG

『新たなる絆、そして未来へ』

 

後編:新たなる絆、そして未来へ

 
第二幕(決戦)

 
1ラウンド目

 レディアスが笛を吹くと、彼のパートナーであるドラゴンが飛来する。ドラゴンは宙へ舞い上がり、デーモン1体(便宜上B)を相手に格闘戦を始める。
 デーモンAは鋭い爪でジェロームに襲い掛かる。ジェロームは防御に専念してそれを受け流す。しかしその背後で、デーモンCが広範囲にビームを発射! シャーリーとビリーの身体を、跡形もなく焼き尽くすかと思われた時・・・前に躍り出てビームを防いだ者がいた。

シャーリー:「ロ、ロイさん?!」
GM/ロイ:「シャーリーさん。貴女は自分の運命に抗う気はないんですか?」
シャーリー:「少なくとも、今は、あなたを守りたいと思ったの。でも、そんなの女性の方から言うのは、はしたないわ」

 ロイはにっこり微笑み、再びデーモンへ向き直る。

「僕は貴女を守りたい。そして今から、僕は自分の運命に逆らいます! 変・身!

 小柄なロイの身体の内側から筋肉が盛り上がり、みるみるうちに、2mを超す大きな甲虫へと、その姿を変えていく。

GM/ロイ:「今まで僕は、ただのミヤマノコギリクワガタ怪人でした。でも、今からは・・・」
シャーリー:「あなたは、立派なストームナイトです」

 敢然とロイの背を見据えて、シャーリーは言う。その言葉を噛み締め、ロイは空へと舞い上がる。
「お前の相手は、僕だっ! かかってこい!」「面白い。よし、相手をしてやろう!」
 デーモンCは舌なめずりをして、ロイを追いかける。これで、ストームナイト4人と対峙するのはデーモンAだけとなった。

レディアス:「アイルの竜騎士の戦い方を見せてやる!」

 言うなりレディアスは再度笛を吹いてドラゴンを呼び、その背を蹴って跳躍。デーモンへ〈間合い〉を仕掛け、逆転負けに追い込む。とはいえ、これだけで片付くほど甘くはない。今こそチームワークの見せ所。

 
2ラウンド目

 レディアスがドラゴンの背に乗ったまま突っ込み、〈間合い〉で疲労を与える。続いてビリーも〈飛翔〉して攪乱し、デーモンは技能なしとなる。

ジェローム「シャーリー、あの悪魔の急所はどこだ?」
シャーリー:「目の間よ! 」

 ジェロームは急所狙いでゴッドライトを発射する。ポシビリティと“ドラマ”をつぎ込むが、ことごとく打ち消される。それでも何とか命中。ダメージは39点。しかし惜しくも重傷どまり。

ジェローム「ちっ、一撃で片付かなかったか。まずいな」

 ジェロームは、先のサーコルドゴスポグとの戦いで、奴らが負傷を受けることを喜んでいたのを思い出し、眉をひそめる。仮に傷を負えば負うほど強くなるのだとしたら・・・長期戦は圧倒的に不利。ただ、幸いなことにデーモンは重傷による苦痛で行動が1回キャンセル。

 
3ラウンド目

 全員一斉に攻撃。デーモンを転倒させる。さらにレディアスが“緊急行動”、這いつくばっているところを〈挑発〉して技能なしを継続させる。この次も先手が取れれば、デーモンに攻撃する間を与えずに押し切れる!

 
4ラウンド目

 場札がめくられた。イニシアティブは、悪役先攻、活力!
 せっかく与えたショックダメージが回復!? 高笑いするGM。しかし、この場のイニシアティブを握っていたのは、レディアスだった。“イニシアティブ掌握”カードを使用して引き直すと、ヒーロー先攻、推奨行動は攻撃/挑発!

「はるばるサーコルドから来たってぇのに、随分と無様じゃねぇか。まだまだ、これで終わりじゃねぇんだろ? 俺と相棒の絆、お前の身体で教えてやるぜ」

 レディアス攻撃、デーモンはダメージを打ち消し、ポシビリティ打ち止め。

「おりゃあっ!」

 ビリーが自由落下しつつナックルで攻撃、1ショックダメージ。

「頑張ってジェローム。あなたにかかっているのよ」

 シャーリーが“リーダーシップ”でジェロームにカードを渡す。

「残念だな。貴様に、未来はない」

 ジェローム攻撃、1レベル負傷7ショックダメージ。致命傷に加えてショックが《耐久力》を超過。遂に、サイバー・デーモンは倒れた。空では丁度、レディアスのドラゴンとロイが、デーモン1体ずつにとどめを刺したところだった。
 


 一瞬の静寂の後、歓声が巻き起こる。

ビリー:「正義は勝つっ!」

 ビリーが人目を引くように名乗りを上げる。一方、中庭の片隅で、変身を解き、片膝をついて荒い息をつくロイ。シャーリーはそっとロイに近づき、何も言わず背後から彼の小さな身体を抱きしめる。

GM/イリス:「お兄ちゃあんっ!」
ジェローム:「言っただろう。俺は約束を守る男だ」

 駆け足で胸に飛び込んでくる妹を、ジェロームはしっかりと受け止め、少しだけ微笑む。

GM/キャミィ:「今の勝利のお気持ちは?」

 頬を上気させレディアスに訊くキャミィ。レディアスは「インタビューしたいんだったら、来い!」とそのままキャミィの手を引いてドラゴンの背に乗せ、大空へと飛び上がる。
 再び歓声。
 


エピローグ

 ハロウィンパーティの翌朝。
 正体を明かした4人は、学園を去ることにする。何故なら、自分たちストームナイトを葬るために、周囲の人間を巻き込もうとする者が必ず現れる、と確信したからだった。

 ジェロームがイリスの部屋の前を通ると、中から声がする。

GM/イリス:「お兄ちゃん・・・。絶対、帰ってきてね」
ジェローム:「お前は、兄ちゃんを信じられないのか?」
GM/イリス:「ううん」
ジェローム:「なら大丈夫だ。お前が信じてくれる限り、俺は必ず生き残る。何かあったら、いつでも、メールで呼べ」

 ビリーの背後に影が差す。振り向くとそこには、エミリーが腕組みして立っていた!

ビリー:「ご、ゴメン、昼飯はおごるよ!」
GM/エミリー:「昼ご飯はいいわ。でも、黙って出て行こうとしたのが許せないのよぉっ!!」

 鉄拳で吹っ飛ばされるビリー。エミリーは倒れた彼の頭をそっと抱え、本心を告げる。

GM/エミリー:「終わったら、絶対、帰ってくるのよ、いい?」
ビリー:「ああ。見ただろう。俺のこのパワーがあれば、海の向こうからだって帰ってきてやるぜ!」

 ドラゴンの傍へ寄ろうとしたレディアスを、キャミィが呼び止める。

GM/キャミィ:「行くのね。じゃあ今度は、本当の新聞記者として取材に行くわ。その時は、インタビュー、拒否しないでね?」
レディアス:「君が新聞記者になる日を待っているよ。・・・だがひとつ訊いていいか。新聞とは何だ?」

 そして・・・
 旅支度を終えたシャーリーのところに、ロイがやって来る。彼もまた、小さなカバンを持っている。シャーリーは手にしていた荷物を降ろし、ロイに手を差し出す。

シャーリー:「一緒に、行きましょ」
 

 限りなく今に近い未来………
 今夜、あるいは明朝、さもなければ来週……ほんの少しだけ未来の物語
 

 TORG Play Report『新たなる絆、そして未来へ』 Fin.

---Thanx a lot for your reading, and
See You at the 8th TORG Only Convention!
 

(→postscript
 


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