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TORGリプレイ

『Samurai Showdown!!』

 

第三幕

 
シーン2 大胆不敵

 
リリアン:「あの2人、様子がおかしかったわよね」
 

 昨日と違うカフェ。
 オープンテラスでお茶を飲むリリアンの隣には、肉まんを頬張る闇影の姿がある。
 

GM:闇影さんは、何だかんだ言って、ずっと追われ続けてるから、お腹も減る。

闇影:小休止しながら食べる。食べてるところで来る。

リリアン:いきなりカウンターの〈威圧〉を食らう。「ちょっとあんた、黙ってなさい!」みたいな感じで、下忍の動きが止まる。やられるってパターン。

GM:この繰り返しです。余裕ぶってるけど、実は、結構脂汗をかくレベルです。

闇影:だってー。ちゃんとやらないと、困ることがあるんだもん! 俺じゃなくて。

GM:うん、うん。

ディアン:ん? 何のことだろう。

リリアン:「で、何だっけ、マキシムの家族が、芭蕉とかいう人にさ、人質に取られてんの?」

闇影:「全く逆だ。契約の代わりとしての、報酬を欲しいと言っているだけさ。ニッポンの人間としては、当たり前だな」

GM:芭蕉は、人質に取られてるのを助け出してきてあげようか? って言ってる。

リリアン:「ふーん。居場所は知ってるわけ?」

闇影:「俺は知らないな。だが、必要とあれば。いや、そのための・・・」って言って、自分の【秘密】を見つめますよ。

リリアン:「手っ取り早いのは、あたしとあんたで、助けに行っちゃうことなんだけど」

闇影:「それは無理だな。我々2人では、さすがに相手の数が多すぎる」

GM:さっきも言った通り、芭蕉を逃がさないために、十重二十重の包囲網が築かれているので、香港からまず出ることができません。次に、居場所を見つけるのに時間がかかるので、多分2人を欠いた状態で7月1日を迎えます。

リリアン:「結局、こっちはこっちで、スティリーをどうにかするしかないか。っていうか、信頼できるのかい? その芭蕉って人は」

闇影:ニッコリ笑って、頷きますね。

リリアン:「あんたの首、賭けれる?」

闇影:首の付け根をパンパン、と叩いてから、背中の忍者刀を、ぽーんと放り投げますよ。

GM:おおー。

リリアン:そしたらパッと取ってすぐにパッと返しながら、「解った解った。だったらいいわよ。あたしもちょっとツテを当たって、人手を集めるから。騒ぎは起こせるようにするけど、その後どうするか、もっかい考えないとね」

闇影:「まずは、あの銀行の周辺を、徹底的に調べる必要性がある」

ユウイチ:「それについては、手がないわけじゃないんですけどねー」って言って、お茶を飲んでましょう。

闇影:おう?!

リリアン:鉄扇でバシーン! と顔を叩いて、「人の話に、横から入らない!」

GM:香港で買ったばかりの、モノホンの鉄扇ですよ。

ユウイチ:ああー、ちょっと目覚めそうで怖い(笑)。

マキシム:やばい。ユウイチが。

ディアン:変なキャラになってきた。

ユウイチ:というわけで、おれはここで、リリアンの【秘密】を、みんなにオープンにします。

リリアン:いいけど、後で半殺しになるまで殴られるからね。「なんでバラしたの!」

ディアン:「リリアン、落ち着いて!」(笑)

GM:では、リリアンの【秘密】です。
 

 あなたに対し、ラウル・ブロックという反金輪グループから接触があった。
 あなたが秘密裏に彼らを味方につけることができたなら、ストームナイトの大きな力になるであろう。
 

闇影:ほうー、ラウルかー。

GM:リリアンは、いつでもラウル・ブロックに接触を持つことができます。ってことで、金輪に対抗する大きな勢力としては、ラウル・ブロックと、ストームギルド。それ以外の、フリーのストームナイトが皆さんです。

ユウイチ:(リリアンをじっと見る)

リリアン:「しょうがないわねー」と言って、ラウル・ブロックにコンタクトを取ります。

GM:解りました。回線が開き、ラウル・ブロックのエージェントが、『待っていた。何か力になれそうかい? それとも、力になってくれるのかい?』

リリアン:とりあえず、7月1日に、こういうことが起こりそうなんだけど、というのをぶっちゃけて、「この話って、知ってた?」

GM:彼らは、超常的な集団ではなく、あくまでビジネス的に、金輪の力を削ぎたいなーと思ってる人たちなので、まずビックリした。『全く知らなかった。きみの情報であれば信じよう。貴重な情報をありがとう』

リリアン:「っていうか、これだけのこと直球で話してるんだからさ、人手を貸してほしいんだけど」

GM:『勿論。対価は何を払えばいい?』

リリアン:「大日本銀行香港支店とやらの、周りのインフラ関係のデータ。あなたたちの中で、動ける人の数。騒ぎを起こせそうな人の数。あとは・・・ニッポンのどこかに、うちのマキシムの家族がいるらしいんだけど、テレビ電話で話をしたらしいから、その情報を逆アセンブルかけて、どこから会話してたか、調べてくれない?」

GM:それは可能なんだけど、ゲーム的にはやっぱり、助けることはできないものとさせてください。

リリアン:すぐには調べられないってことね。「とりあえず、香港支店の方が、火急のことだから」

GM:『了解した』と言った後で、『失礼。ひとりの人物が、話をしたいと言ってきているが、構わないか?』

リリアン:「それはいいけど」

GM:映像が出て、スーツ姿の若い少年が、『はじめまして。嵐王寺勇人(らんおうじ・はやと)と言います』

ディアン:あっ、嵐王寺さんだ!

闇影:えっ、マイトガインか!(笑)

GM:マイトガインが、ベースイメージです。嵐王寺グループという財閥の総帥です。『リリアンさんの噂は、かねがね』

リリアン:「あんまりいい噂じゃなさそうだけど」

GM/勇人:『いえいえ、いい噂ばかりですよ。お話は聞きました。さすがにそれは、今後のアジア、いや違うな、ポシビリティ戦争全体の趨勢に関わるかもしれません。香港が落ちれば、中国。中国が落ちれば、アジア全土のパワーバランスが変わって、かなりまずいことになるでしょう』

リリアン:「結局のところ、スティリーとやらをどうにかするしかなさそうなんだけども、貴方なら、何かいい知恵ないかしら?」

GM/勇人:『少なくとも、時間を省略しましょう。この状況だったら、きっとバックもでかい。僕がその周辺を全部買います!

リリアン:ああ、その手があるかー。「大丈夫なの?」

GM/勇人:『伸るか反るかのバクチを、する人は少ないですが、僕もストームナイトなんでね!』

リリアン:「まったく。気のいい坊やだこと」

GM/勇人:『負けたら僕は、一市民から出直すだけです』(笑)

リリアン:「ってことは、簡単じゃない。私たちが勝てばいいってことでしょ?」

GM/勇人:『そこに全部ベットします。カードを5枚、場に伏せて、あとはショウダウンです!』

リリアン:「オーケイ。それなら、大船に乗ったつもりで、買ってもらいましょうか。このチケットを」

GM/勇人:『エースが何枚あるのか。ジョーカーは入ってるのか。それともブタか』

ユウイチ:はーい。ジョーカーでーす。

GM/勇人:『親父は言ってましたけどね。賭け事はするなって。僕はあんまり出来のいい息子じゃないんでね』

リリアン:「オーケイ」

GM/勇人:『僕は、多分そこに入れてくれないでしょう。この状況ですから、そうですね、貴女に、託しましょう。ひとつだけ約束してもらっていいですか?』

リリアン:「はい」

GM/勇人:『一時的にでも構いません。ラウル・ブロックのメンバーになってください』

リリアン:「いいですよ」

GM/勇人:『常に忠誠を求めるものではありません。少なくともこのビズにおいては、僕の代理人として、指定します』

リリアン:「解りました。お請けします。っていうか、私でいいのかしらね」

GM:顔に、他にいないんだもん、って(笑)。

マキシム:まあ、そうね。

GM:彼はいつもいつも、スタッフに恵まれないので。ホントに。『オーナーは貴女にしておきます』

ディアン:おおーっ。

マキシム:銀行のオーナーになっちゃった。

リリアン:「オーケイ。あとは、開けてもらいに行くだけね」

GM/勇人:『はい。後手後手に回る中、さすがの金輪も、この手を打ってくるとは思わないでしょう。向こうが口を出す前に、貴女が大金庫のキーを押さえてください!』

ディアン:カッコいいー!

GM/勇人:『恐らく、妨害はされるでしょう。銀行の中までです。そこから先、キーを手に入れるところと、手に入れたキーを携えて、扉を開けるところまでが、貴女たちのビズです』

リリアン:「オーケイ。あとは出たとこ勝負か」

ユウイチ:いつも通りだ。

GM:ということで、リリアンのところにデータがバリバリ送られてきて、オーナーの書き換えもされて、いっぱい電話が掛かってきます。『貴女は誰ですか?』から入るんだけど。

リリアン:そこら辺は、そつなく、ソレイユにこなしてもらいましょう。

ソレイユ:「え、ええーっ?! わたしですかー?!」

リリアン:「超若手秘書ですわーん♪」(笑)

ソレイユ:「えーと、それは、じゃっかん4さいで、ばくだいなざいさんをうけついだ、っていう、せっていですか?」

闇影:その方が世間的にはウケるよね。

ソレイユ:「おねーさん、いつもムチャぶりしますねー」

リリアン:でも、これだけ目立ったら、変なことできないからね。刺客を送ったりとか。

GM:今、香港中が、てんやわんや。何だこれ! 何でこんなことになってるんだ! と大騒ぎです。

リリアン:やっぱりここは、チャイナドレスに着替えなきゃダメよね。

GM:いけますよ。経費で落ちますから!(笑)

闇影:そうやってる横で、ゆっくり立ち上がって、「では、我はちょっと、友人に会ってくる」

GM:ああー、解りました。

闇影:と言って、ここから消えるんで、悪いけど消えた瞬間に、私の【秘密】を皆さんに展開してあげてください。

リリアン:言っちゃっていいの?

闇影:いいですよ。この場合むしろ、言った方がいいです。
 

 あなたは、芭蕉と呼ばれる忍者の友人である。
 あなたは彼の身代わりになって、敵を撹乱する忍務を引き受けた。
 

ユウイチ:お友達だったんだ。

マキシム:じゃあ、芭蕉のこと知ってるわけか。

闇影:因みに、報酬があります。

ディアン:報酬?

闇影:決まってるじゃないですか。(マキシムを指差す)

マキシム:じゃ、俺の・・・!

ディアン:そうだったんだ! なんて仲間想いの忍者!

ユウイチ:なるほどね。

闇影:だから私、いっぺんも名乗ってないでしょ?

ディアン:うん。我が名は闇影って言ってないのは、こういうわけかー。うわー。すげー。

 
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