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TORGリプレイ

『Samurai Showdown!!』

 

 限りなく今に近い未来………
 今夜、あるいは明朝、さもなければ来週……ほんの少しだけ未来の物語
 


Prologue

 
「僕の本当の名前は、No.0634」

 地球上に、人間の本名が数字である国家は存在しない。
 つまり、彼は地球の人間ではない。

 宮本の告白は、水陸艇に乗り合わせた全ての者に、衝撃を与えた。

 否、マキシミリアンだけは冷静だった。
 宮本をけしかけ、御前試合で自分と戦わせた、金輪龍一の顔を思い浮かべ、彼は拳をぐっと握った。
(やっぱりあいつは侵略者だった。・・・あいつだけは、許さねぇ)

 そして時が流れ、
 かつてアイルの外交使節としてニッポンに派遣された4人と、ゲルマン忍者闇影が、
 再びニッポンに集った。
 

【CAST】

 ユウイチ・カゲヤマ(26)レルムランナー/コアアース
 リリアン・シュール(18)私立探偵/サイバー教皇領
 闇影(??)ザ・ニンジャ/ナイル帝国
 ディアン・オブロー(28)バーバリアン戦士/アイル
 マキシミリアン(26)バーバリアン戦士/アイル

 


 
ゲームマスター(以下GM):今回、『シノビガミ』というゲームのギミックを、入れてみたいと思います。シノビガミは、忍者になって遊ぶゲームなんですけども、ひとりひとりに、ハンドアウトがまず渡されます。あなたはこういう前提条件のキャラクターで、勝利条件はこれこれこうです、っていうのが個別に渡されるわけです。これを【使命】と呼びます。

ユウイチ:まさか今回、それを導入する?

GM:【使命】には、【秘密】というものが裏にあります。で、表の【使命】はみんな判ってる。例えば「みんなで大魔王を倒しに行こう!」って書いてあるんだけど、【秘密】をめくると、「実はあなたが真の大魔王である。今いる大魔王は、ただの影武者であり、みんなを全滅させるのが本当の【使命】である」とか、「あなたは勇者だけど、魔王とか本当はどうでもよくて、実は、他の女の子といちゃいちゃラブラブしたいだけ」とか。

一同:(笑)

GM:そんな、表向きの【使命】と、裏の【秘密】を、お互いに解き明かしながら、自分の勝利条件を達成するために頑張る。因みにこの勝利条件が相反した場合は、ケースバイケースではありますが、PVP(プレイヤーキャラクター・バーサス・プレイヤーキャラクター)が発生したりするのが、シノビガミというゲームのひとつの特色です。ということで、皆さんのハンドアウトを作りました!(テーブルにカードスリーブを並べる)

闇影:ほうー。

GM:どういった形でも自分の勝利条件を達成することを目指してください。大事なのは、自分の【秘密】の中身を、他人に喋ってはいけません。例えば、誰々のことが好きって書いてあっても、言えません(笑)。

ディアン:他人の【秘密】は、どうやって抜くの?

GM:第二幕以降、〈手掛かり分析〉をやっていただくと、【秘密】を調べることができます。

マキシム:ええーっ?! リリアンが一番強ぇじゃねーか!

リリアン:つまりあれだね、全部を知った上で、私は掌の上で転がす、と。

ユウイチ:うわ、なんてリリアンらしい!

GM:だから、基本的には、シノビガミでいう協力型シナリオ、みんなで協力してひとつの目的を果たそう!(TORGですからね!) なんですけども、皆さんいつもと違って、腹に一物抱えていらっしゃるようです。

ディアン:TORG meets シノビガミ、か。

GM:せっかくニッポンテックのシナリオなんで、ちょっと疑心暗鬼を、楽しんでいただければな、と。
 

 当て書きのハンドアウトが配られ、5人は自分の【秘密】の内容を確認する。
 

GM:今回、メイン舞台は香港です。起承転結の四幕構成で、一幕ごとに、ひとり1枚ずつ、【秘密】を調べることができます。【秘密】はNPCも持ってます。さらに、ハンドアウトのスリーブには、一緒にサイドストーリーカードが入ってます。皆さんは、自動的にサイドストーリーカードをプレイしている扱いになります。“ロマンス”なら、実は愛する人がいて、という話になるわけですね。では順番に、【使命】を読んでください。リリアンから。

リリアン:はい。『あなたは、美しく雄々しいストームナイトである。あなたの【使命】は、真実を見つけ出すことである』

ユウイチ:『あなたは海を愛するストームナイトである。あなたの【使命】は、美しい香港を守ることである』

ディアン:何か起きそうですね。香港に。

闇影:『あなたはナイル忍者である。あなたの【使命】は、正義を実行することである』。そのまんまじゃん!(笑)

ユウイチ:だって、闇影さんは、ひねりようがないから。

闇影:ふーむ・・・。

GM:ディとマキシムの【使命】は、一緒です。

マキシム:『香港返還を成功させること』? 返還って何だ?

GM:えーと、このゲーム内世界では、香港は、まだ中国に返還されていないものとします。

闇影:ということは、1990年代ってことですね。

リリアン:ってことは、ネットもない?

GM:いや、リアル世界とは齟齬が出ちゃいますけど、現代、20XX年の感覚でやっていただいて結構です。

ディアン:ただ、香港返還はこれから、というフィクションでやるわけですね。

GM:はい。ゲーム内時間軸は、6月30日前後。クライマックスは、7月1日です。その日に、イギリス、今のアイルから、中国に返還することになっています。

リリアン:アイル?

GM:はい。イギリスは今、政府が開店休業状態なので、アイルの王宮が、政治を取り持っています。ですから、イギリス政府と一緒に、アイル政府の代表も式典に出て、返すよ、ってやらなければいけません。

マキシム:ふーん。

GM:2人は、高名なストームナイトなので、香港返還の大役を、無事に果たしてください、という【使命】です。丁度ニッポンで、外交的協力、金輪のお金を援助してもらって、アイルの戦線を支えるための、まー、有り体に言うと軍事費なんですけど(笑)、それをもらうための交渉を、ずっとやっていました。今回、交渉がほぼ終わって、あとは香港返還をうまくやって、帰っておいで、みたいな流れになっています。2人を香港まで運ぶために、ユウイチさんは呼ばれていますし、細かい部分をフォローするために、リリアンがいる、という形になっております。一方、闇影さんは、ナイル帝国のウー・ハンが、ニッポンに接触を持とうとしているという情報を得て、追っています。

リリアン:へなちょこボス?

GM:へなちょこ言うな!

闇影:初期作成キャラクターにとっては大敵だぞ?

GM:初期作成キャラクター相手でも、普通に負けるんですけど。ビックリするほど弱いんですけど。ということで、闇影さんは、ウー・ハンをやっつけるだけだと、すぐに達成してしまうので(笑)、全体的に正義を実行することが、あなたの【使命】です。

ディアン:ウー・ハンごとき、悪の中では一番の小物!

リリアン:キングオブ小物だ。

GM:ハンドアウトに書かれた【使命】、本当の【使命】って書いてあれば本当の【使命】を果たすと、追加でポシビリティがもらえます。なので、基本的にはそれを達成するために、頑張ろう。そして、誰かと利害が衝突した場合、話し合いをするか、殺し合いをするかは、皆さんの判断次第となっております。

マキシム:・・・・・。

GM:さて、よろしいでしょうか? 何か、確認が必要な人はいますか?

リリアン:確認するも何も、与えられたものをこなしていくだけさ。

ディアン:オレには、書いてある役目が求められているんだろうから。

GM:そうでーす。頑張っていただけたらと思います。

 
NEXT → ディアンの元に、彼とマキシムの運命を大きく変えうる手紙が届く……
 


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