Eternal Smile > Samurai Showdown 『Samurai Showdown!!』 あとがき
ディアンのプレイヤー、しゃあみです。『Samurai Showdown!!』、少しでも早く読んでいただきたくて、我ながら、かなりのハイペースで書き終えました。現時点でのTORGキャンペーンの集大成とも言えるリプレイです。 シノビガミのギミックをTORGに融合させるというアイデアは、ニッポンテックの特徴を際立たせる、素晴らしいアイデアだと思います。名付けて「TORG meets シノビガミ」。疑心暗鬼と自縄自縛。【使命】と【秘密】の板挟み。 しかも、GMは明らかに、マキシムとディアンのガチバトルを望んでいました。ハンドアウトをもらった瞬間から、嫌な予感はしてたんです。その予感は、マキシムが金輪龍一に特攻を仕掛けると宣言した時、確信に変わりました。 幸い、私はシノビガミのプレイ経験があるため、マキシムを言いくるめて直接対決を避ける、という絵がすぐに浮かびました。「オレはお前を信じている」って、彼の【秘密】を知らなかったからとはいえ、卑怯なセリフだよなぁー。 マキシムは、“仇敵”金輪龍一を倒すことを一時棚上げにする、と言ってくれました。これでディアンが【本当の使命】を達成できる、と喜んだのも束の間、彼はとんでもない【秘密】を抱えていました。まさか、人質になっている家族を助けたければ、彼自身の手で金輪を倒すしかない、だなんて・・・。 私は以前、ディアンを闇堕ち(笑)させるシナリオを作ったことがあります。その時に懲りたので、もう二度と仲間を攻撃することはない。この禁を破る時は、彼が表舞台から去る時だ、と心に決めています。 つまり、『天より来りしもの』で“自己犠牲”を引いた時と同様、ディアンを演じるのはこれが最後になるかも、と思っていたわけで、録音を聴くと、悩んでいる様子が解りすぎて逆に笑ってしまいます。 何としても戦いを避けたかった。GMをあっと言わせてやりたかった。だから、詭弁の類ではありますが、解決方法を思いついた時には、本当にホッとしました。ディアン自身の行動(隅田川での負けロール)を伏線として使えたことも、すごく嬉しい。 きっかけとなったのは、リリアンとマキシムの言葉でした。 確かに2人の言う通りだと思いました。これまで共に戦ってきた相棒と、卑怯な手を使ってストームナイトを同士討ちさせようとするハイロード。どちらの味方をするべきかなんて、考えるまでもないことでした。でもディアンを演じている時には、〈名誉〉の騎士であることに拘るあまり、大切なものが見えなくなっちゃうんですよね。まさに自縄自縛。 金輪龍一を「裏切る」行動が、〈名誉〉の規範に反しないかどうか、微妙なところではあります。けれども、私はあの時、たとえ〈名誉〉のレベルが下がっても構わない、と思っていました。悪法も法、金輪龍一が悪法を笠に着るならば、こちらも大義名分を立ててから、一矢報いてやろう、と。 余談ですが、マキシムの行動があまりにも判りやすすぎて、プレイヤー一同が油断したため、彼の【秘密】が後半まで明かされなかったことに、GMは心の中で拍手喝采していたそうです。何故なら、その方が面白いから! ・・・当事者としては、「面白かった」よりも「しんどかった」という感想になってしまいますけど。 それにしても、金輪龍一は、とんでもない下衆野郎でした。思わずディアンは、今まで誰にも向けたことのない、憎悪に満ちた眼差しを、彼にぶつけてしまいました。だって、あんな風に嘲笑われたら、頭に来ますって! と、私は結構いっぱいいっぱいでしたが、他のみんなは、すっごくカッコよかった! 頼れる参謀役、リリアン。事件になかなか関わってくれず、やきもきしましたが、それも“疑惑”のサイドストーリーを演出していたからだと知って、合点がいきました。「めっ!」の一喝で世界を救っちゃうし、さすがは最強の漢女(おとめ)。ところで、ディアンが一生懸命考えながら金輪龍一に啖呵を切っているところで、リリアンは「あんたたちの感情が証拠でしょ?」と助け船をくれましたが、明らかに、何も考えずに発言してましたよね? 最近とみにニッポンテック化しつつある、ユウイチ。経費で飲み食い、お大尽。彼の立ち位置は、金輪産業から利益を得ている人もいる、というのを解りやすく示していて、ひそかに重要だと思っています。今回も女性の扱いはユウイチに任せて安心でした。飛行機からのレールガン発射、一体どこに飛行機が停泊していたのかとか、どうやって地下に照準を向けたのかとか、ツッコミどころは満載ですが、ノリと勢い重視なので見逃してください。 義理堅い忍者、闇影。マキシムの家族を助けてもらう見返りに、芭蕉の身代わりになる任務を引き受けた、と聞いた時には、本気で感動しました。なのにエピローグでは自分で助けに行っちゃうし(笑)。また、メルキエラとの“ロマンス”にも驚きました。彼女の滅茶苦茶な強さは、序盤の戦闘でよーく解っていたので、彼女を“ロマンス”の相手方にするという機転がなければ、このシナリオはハッピーエンドにならなかったかもしれません。 徹頭徹尾シリアスだった、マキシム。そりゃあシリアスにもなります。自分の腕に、家族の命運がかかっている。これは【秘密】だから、誰かに暴いてもらうまで、誰にも相談できない。しかも、金輪龍一を倒す際の最大の障害になりうるのは、自分の相棒である、ディアン。相当しんどかっただろうな、と思います。 NPC勢揃いも、嬉しかったですね。苦労が報われるような気がしました。ジェシカのセリフには、愛を感じました(笑)。リプレイ中に登場したのは少人数でしたが、他のみんなもきっと、舞台裏で一緒に戦ってくれていたのだと思います。 まだまだ語れそうですが、いい加減長くなったので、結びに入ります。 マキシムは本懐を遂げ、ニッポンテックメインの物語は、一段落しました。 ディアンが聖騎士にクラスチェンジするかどうか、実はまだ結論を出していません。次にTORGをプレイできる時まで、いや、次にディアンを演じる時まで、悩み続けると思います。でも・・・。 『何と答えたとしても、ずっと彼は、ストームナイトです』 2014.04.18(一日中冬のような寒さ!) しゃあみ・拝 "Eternal Smile" Since 2002.02.02 E-mail:charmy_s@mac.com |