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TORGリプレイ

『剣は誘う』

 

あとがき

 
 まずは、最後までお読みいただいたことに、心より御礼申し上げます。

 うーん、見れば見るほど、「親バカぶり」が際立って、恥ずかしいですね(苦笑)。

 白状しますと、プレイを開始してからも、魔剣を抜くシーンの直前まで、ずっと悩んでいました。
 自分の大切な持ちキャラであるディアン・オブローに、罪を背負わせることになるわけですから。
 「だったらこんなシナリオ作るなよ!」というツッコミはご勘弁を。
 

 今回のテーマは、普段あまり語られない、アイルの暗部を知ってもらうことでした。
 ペラ・アーディネイ女王はストームナイトの良き協力者だけど、
 階級社会の頂点に立つがゆえに、見えていないものがある。
 半人たちへの差別を至極当たり前のこととして捉えている。
 そこに違和感を感じてくれれば、このセッションは成功だと思っていました。

 いざプレイが始まると、バランゾ(反乱軍リーダーのミノタウロス)との戦いや
 ディアンの離脱を経て、プレイヤーのお2人にも色々と考えるところがあったようです。
 おかげで半人たちの未来に希望の光が射す、素晴らしいエンディングになりました。
 物語的に美しくまとまったのは、ひとえにお2人のおかげです。
 

 偶然か必然か、このセッションは当サイトで一番初めに書かれたプレイレポート
 『EDEN』の展開をなぞる形となりました。
 本文中にも書きましたが、闇の力を秘めた道具に操られた少女の手から、
 その道具を弾き飛ばしたディアン本人が、同じことを繰り返したというのには、
 何とも不思議な巡り会わせを感じます。

 『EDEN』の例に倣えば、ディアンも反逆の罪で投獄されたっておかしくありません。
 しかし、アーディネイ女王が何の罰も与えなかったのは、彼女が過去のディアンの功績を
 よく知っており、なおかつこの件がアイルの内乱に留まったからだと思われます
 (『EDEN』の時は、世界規模の危機でした)。
 ・・・っていうか、そういうことにしておいてください(汗)。
 

 そういえば、冒頭でディアンのことをライバルだと言っていたマキシム、
 最後の武装解除を除くと、実は一度も攻撃してこなかったんですよね。
 後で理由を尋ねたところ、プレイヤーさんは次のように言っていました。

「一度手を出しちゃったら、命のやり取りになるから・・・。
 どっちかが死ぬまで止められないと思ったから、出せなかった」
「自分でも意外だったんだけど、あ、俺、仲間のことは攻撃できないなーって」

 これを聞いた時、ものすごく嬉しく思いました。
 初めて自分の背中を安心して任せられる「相棒」を見つけた気がしました。

 また、ユウイチも、キャラとしてディアンと共演するのは初めてだったのに、
 ディアンを信じ、心のこもった熱いセリフで正気に戻らせようとしてくれました。
 その信頼に応えたい。「困った時には、いつでも、呼んでくれ」というのは、
 今のディアンの偽らざる気持ちです。
 

 今回の件をきっかけに、ディアンはアーディネイ女王の元を離れました。
 とは言っても、ストームナイト活動は今まで通り続けますし、女王から何か頼まれれば
 二つ返事で引き受けます。要は、精神的に依存するのをやめたということです。
 今後マキシムとディアンが、アイルや世界各地で、何と出会い、何と闘っていくのか。
 一緒に見届けていただければ幸いです。
 まずは、魔法使いと決着をつけなくてはならないでしょうけどね(ニヤリ)。
 

 最後になりましたが、マキシミリアン、ユウイチ・カゲヤマのプレイヤーさんと、
 『EDEN』でGMを務めてくださったありまさんに、このリプレイを捧げます。
 ・・・ありがとうございました!

2005.06.29 しゃあみ・拝
 


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