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TORGプレイレポート

『Operation "C"』

 

 限りなく今に近い未来………
 今夜、あるいは明朝、さもなければ来週……ほんの少しだけ未来の物語
 


はじめに

 第10回トーグオンリーコンベンションにて、1番卓に集まったメンバーが意気投合し、キャンペーンを始めよう、ということになりました。これは、キャンペーン第一話のプレイレポートです。私のキャラ、ジュカがエディーノスであることを織り込んでいただき、大感謝なのです。
 ゲームマスターを務めてくださった、羽生響さんの日記はこちらです。是非一緒にご覧ください。
 

第一幕

コアアースにて

エディーノスのオプタント、ジュ・カーイ(通称ジュカ)。
ストリートパンク、The Needle(本名キース・コールマン)。
元空手家の英雄的政治家、アンドリュー・マリソン。
ヴィクトリア人保険勧誘員(実はワーウルフ)、ロイズ。

そして、紅一点の新メンバー。
好みのタイプは知的な男! ハンドル握ると性格変わっちゃう!
秘密工作員(表の顔は販売員)、マリア・サローティ。

 5人は、ジェームズ・エドワード元下院議員の要請で、ワシントンD.C.に集う。
 ジェームズはかつてアンドリューの政敵だった(“正体”サイドストーリー)。病院や医療機器メーカーを支持基盤に持つ元弁護士で、愛国心が旺盛。現在、彼はデルファイ評議会の一員となっている。アンドリューは議会で何度か彼と衝突したことがある。それなのに何故、アンドリューを、さらに外見がどう考えても「合衆国の敵」である、エディーノスのジュカを呼んだのか?

 彼の依頼は、リビングランドの中にあるレジスタンス村に食糧及び医薬品を届けてくれというものだった。その村は、リビングランドの奥地へ踏み入るための中継地点として、レルムランナーたちの間でよく知られている。恐竜の目撃証言があるため、荒事にも対処でき、土地勘のあるストームナイトのチームを探していたとのことだ。なるほど、ジュカなら【シー・スルー・ミスト】の奇跡で深い霧を見通せるし、〈方位感覚〉もある。彼は、利用できるものならトカゲでも利用する、という合理主義者のようだ。

 この物資の輸送を、ジェームズが自分の人気取り(票稼ぎ)のネタにしようとしていることは明白。積荷の出所について尋ねると、彼はこう答える。
「・・・私にも色々バックボーンがあるのだよ」
 ロイズは、その声色に後ろめたそうな空気を感じ取り、アンドリューを押しのけて主張する。
「引き受けるにあたっては、ひとつ条件がある。私をこの契約の代表者にしてくれたまえ!」
 他の仲間からは総ツッコミが入ったが、ジェームズは拒まなかったため、契約成立。早速リビングランドへ向けて出発することとなった。
 


 用意されたトラックには、大小2つのコンテナが積んであった。大きい方が補給物資、小さい方が道中の食糧とのこと。特に中身の確認はしなかった(ヘタに梱包を解いて、物資喪失のハプニングを招いても困るので)。

 レジスタンス村までの移動には、ドラマチックな行動解決をアレンジしたルールが用いられた。1ラウンドが1日で、D段階までクリアすれば村に到着。なお、1ラウンドにひとりが行える判定は一度のみ(複数回行動はできない)。

A 目印を見つけて進む:〈方位感覚〉、なければ《知覚》
B 車にトラブル発生!:〈地上車操縦〉で故障修理
C 悪路を無理に通る、または迂回路を見つける:〈地上車操縦〉または〈発見〉
D 急なスコール!:〈サバイバル〉で車ごと避難できる場所を見つける

 イニシアティブの引きが良かったので、1ラウンド目にC段階までクリアし、次のラウンドで難なく終了。ジュカもリビングランドの独自技能である〈方位感覚〉で貢献。イメージ的には、トラックの運転席の上に足を投げ出して座って、【シー・スルー・ミスト】で霧を見通して案内するという感じ。また、ロイズが“サバイバル”カードの恩恵にあずかって振り直したりした。このカードが有効活用されるのは珍しい。

 と・・・前方から地響きと共に恐竜が出現する。判定でヘボったので、カーノルという名前しか判らない。巨大なアゴをしていて前足は短く、肉食であることはほぼ確実。ニードルがサイバー教皇領製の武器で攻撃するも、分厚い鱗に阻まれて殆どダメージ無し。そして、唯一トラックの外に出ていたジュカを、尻尾の強烈な一撃が襲う。計算したらポシで消しても重傷というダメージだったため、見せ場宣言で“アドレナリン”を使って何とか避ける。直後にニードルが“逃走”カードを場に出して使用。別の恐竜が乱入してきて、その隙に逃げ出すことができた。
 今振り返ると、ここでは重傷を負っておいて、【ヒーリング】の奇跡で治すのが、ケタ・カルズの信者としては正しいロールプレイだったと思う。「おれの痛み、ラナーラ様うけとった。おれ、もう痛くない!」って感じに(笑)。
 


 レジスタンス村の村長に補給物資を渡すと、「食糧には困っていないが医薬品は有り難い」と言われる。そして5人は町中央の大きめの建物に案内される。隠し扉の奥の地下室には、年代物の蓄音機、ピンボール台、壁にかけられたサブマシンガンなどがあり、人々がレコードの曲に合わせて歌い踊っていた。・・・ここは禁酒法時代の密造酒場。蓄音機がハードポイントとなり、この建物をコアアースのリアリティで包んでいるのだ。

 なお、補給物資を食糧庫へ運び込む際、パッケージにメーカー名が全く書かれていないことに気づく。医療品は風邪薬、鎮痛剤など応用範囲の広い一般的なもので、食糧はクラッカーや缶詰など。念のためニードルが1パックずつキープしておく。

 皆が寝静まった夜中、風に当たろうと窓を開けたニードルは、暗闇から声を掛けられる。
『例の荷物は運びこんだのか? いつ発つ?』
 どうやら誰かに間違われているらしい(“人物誤認”サイドストーリー)。
「3日後だ」ニードルは話を合わせ、逆に問う。
「俺はこの先のことを聞かされていない。何が起きるんだ?」
『答える必要はない。お互い、指示されたことをすればいい』
 

(→NEXT
 


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