Eternal Smile > Portrait of Wu-Han
 

第一幕

 
シーン１　嵐を呼ぶ男（承前）

 
２ラウンド目

ＧＭ：（場札をめくる）あっ、超レア。ヒーロー逆転負け、悪役逆転負け。双方逆転負け！

セバス：どーなんの？

ロン：お互いに、よく判んねぇけどピンチになります。

ＧＭ：そうだなー、まずユウイチは、飛行艇を飛ばそうとしたら、後ろが焦げ臭い気がする。

ユウイチ：え、誰か火の不始末やらかしたか。

ロン：あー、タバコは吸わないしなー。

ユウイチ：えーと、思い出せおれ。カーゴルームに何が入ってた？　あ、油圧が下がり始めた！　油圧が下がり始めた！（大慌て）

ＧＭ：他の人はどうしようかな。

ロン：敵も味方も両方だから、例えば竜巻が起きるとか、突然流砂がとか、そういうのでもいいと思う。

ＧＭ：なるほど。では、突然リアリティ・ストームが発生しました。

ユウイチ：リアリティ・ストーム？

ロン：異なるリアリティがぶつかった時に起こる、エネルギーの嵐みたいなヤツです。その中で自分を保つには、〈リアリティ〉の判定が必要なんですけど、ここで大失敗とかすると、すごい勢いで、ポシビリティが持っていかれます。

セバス：あー、やばいねー。

ＧＭ：ストームの強度は、基本値１０で、（コロコロ）５を振ったのでマイナス５。セバスとロン・ウーは、〈リアリティ〉で難易度５のチェックをしてください。低っ！

ロン：達成値６以上になればオッケーです。

セバス：（コロコロ）ぶっ！　２。マイナス１０すると、３。

ロン：これ食らっちゃうと、ポシビリティ削られたりするので、ポシかカードを使って、逃れといた方がいいと思う。

セバス：うーんじゃあ、ポシします。ヤバいから。

ロン：僕もさすがに５は大丈夫。

ＧＭ：超えましたね。今のリアリティ・ストーム、突然巻き起こった嵐によって、視界を塞がれたり、「何なんだこれは！」という状況把握に１０秒かかったということで、このラウンドの行動はキャンセルです。

ロン：はい。動きは止まると思います。

ＧＭ：一方、ウー・ハンたちですが、えらいことになってます。ストームの中で、巨大化したショックトルーパーが元に戻り、ウー・ハンが墜落しました。

ロン：おお、向こうの方が大変だ。

ＧＭ：で、ショックトルーパーの上に尻持ちついて、痛いアルーと言ってます。

 
３ラウンド目

ＧＭ：ヒーロー先攻、悪役後攻、推奨行動〈威嚇〉／〈トリック〉です。ロン・ウーから、行動どうぞ。

ロン：そうだな、小っちゃくなった奴が、気の毒ではあるので、武道家だったら「立て」って言って、待ってあげるところなんだが、でも何の迷いもなく撃つ（笑）。

ＧＭ：誰を？

ロン：ウー・ハンの下敷きになってる奴。

ユウイチ：ウー・ハンじゃないんだ。

ロン：ウー・ハンはまだ、取っときます。

ＧＭ：ワタシをオマケみたいな言い方するのは、やめるアルよ！

ロン：大丈夫、メインディッシュ、メインディッシュ。（コロコロ）ここは当てとく方が面白いので、ポシビリティを使います。

ＧＭ：打ち消すアルよ！

ロン：ウー・ハン狙ってないよ？

ＧＭ：その場にいれば消せます。ワタシのガードがいなくなったら困るアルね！

ロン：それはもっともだ。ということで、達成値１４。

ユウイチ：カード交換って、いつでも大丈夫なんだっけ。

ロン：あ、そうですね。一声掛けてくれれば。

ユウイチ：じゃ、エンジンの出力一気に上げて、砂煙で目隠し。「いっくぞー？」

ロン：「・・・了解」ということで“アドレナリン”もらいました。達成値１７で２人相手。

ＧＭ：当たります。

ロン：やったー。そしたらダメージが、１７。

ＧＭ：「ぎゃー！　ギャー！」と言っています。「何事アルね！」

ロン：じゃ、おじいちゃん、追い撃ちかけちゃって。

ＧＭ：ユウイチは？

ユウイチ：おじいちゃん終わってからにしようかな、おれ、ウー・ハン狙っちゃおうかなと思って。

ロン：ウー・ハンかよわい子だから優しくしてあげて（笑）。

ユウイチ：うん。優しく、一撃で終わらせてあげるから。

セバス：じゃあ、その辺のショックトルーパー５人に、一喝でもしようかな。「どけ、こわっぱが！」（コロコロ）１７。“ひらめき”使っちゃおうか。“ひらめき”２枚で＋６でしょ。〈威圧〉達成値２８。

ＧＭ：こっち萎縮してるのにー。逆転負け。「ひぃっ！」と、ウー・ハンの方に向かって、逃げ始めております。

ロン：あー、集まった集まった。

セバス：いいことだいいことだ。

ユウイチ：集まってんだったら、機関銃一発ぶっ放せば、どうなるかなー。

ロン：多分いけますよ。当てるだけなら。

ユウイチ：当ててみんなして吹っ飛んでもらおうかなー。倒れてるの含めて全員の雑魚と、ウー・ハン。

ロン：ウー・ハン入れると８人ですね。

ＧＭ：対人じゃない兵器を人に向けて撃たないでください（笑）。

ユウイチ：いや、まあ、相手はウー・ハンだから。

ＧＭ：相手がマンガの世界の住人だからって、人命軽視していいワケじゃないんだからね？

ロン：大丈夫、ちゃんとドカーンってマンガ吹っ飛びしますから（笑）。

ユウイチ：「呪ってやるー！」って言いながらね。ＧＯ！（コロコロ）８。ポシも使いましょう。

ＧＭ：打ち消すアルよ！

ロン：そしたらこれ（“アドレナリン”交換）、「今こそ当て時。あそこ」

ユウイチ：「オッケー」そうすると、＋１の修正になるから、達成値１２。

ＧＭ：１２で８人狙いね。さすがにそれだと当たらない。近くの地面をこう、ががががっと穿っただけですな。

ロン：まぁいいです。次で決めるから。

ＧＭ：では悪役側ですが、どう見ても不利なので、ウー・ハンは、「う、ううー。頼みの綱であった、【グロウ】のギズモも、こんな肝心な時に壊れてしまうとは、何ということアルか！」と言って、はーっと一息ついて、「これで勝ったと思うなアルよー！！」

セバス：ああー。

ＧＭ：と叫ぶと、手に持った、ギズモのボタンを（押す）。
 

沈黙。
 

ＧＭ／ウー・ハン：「ん？」

ロン：さっきリアリティ・ストームあったけど大丈夫？（笑）

ＧＭ／ウー・ハン：「この肝心な時に壊れたアルか。あ、そうか、掛け声が足りなかったアルな。（咳ばらいして）ほれ、ぽちっとな！」

セバス：ああ、そういうワードなんだ。

ＧＭ：そうするとですね、奇妙な現象が起きます。セバスチャン。

セバス：はい。

ＧＭ：あなたが、ショックトルーパーのど真ん中にいます。

セバス：はいはい。・・・は？

ロン：位置関係を変えるギズモか。

ＧＭ：そして、飛行艇の後方から、声がします。ウー・ハンの声です。「ん？　何だこの飛行機は。・・・アイヤー！　な、な、何故ワタシがそこにいるアルか！」と言って、ショックトルーパーのど真ん中にいるウー・ハン総督の身体になったセバスチャンを指さします。

セバス：は？！

ユウイチ：中身の入れ替えか。

ロン：ほうほうほう、これは、おかしなギズモを作ってきたな。

ＧＭ：だから、あなたは、ナマズひげ中国人のヴィジュアルで、手に押しボタンを持っています。

セバス：うわ、最低だ！（笑）

ロン：じゃ、今のをもっかいやれば戻るんじゃない？

セバス：「ふむ。ぽちっとな！　で、いいのかのう！」って言いながら、押してみる。

ＧＭ：動きません。皆さん、〈リアリティ〉判定をしてください。

セバス：（コロコロ）１９。＋６だから、達成値１９。

ＧＭ：ではそうすると、遺跡の石像の瞳の、青い光がすーっと収まって、消えてしまったのが見えました。

ユウイチ：あれー？

セバス：っていうか、ずっとこの身体のままって、やだなー。

ロン：それは人生が辛い（笑）。

ＧＭ：「い、一体これはどうしたことアルか？」と、セバスチャンの身体で。

ロン：「それはこっちが訊きてぇよ！」

セバス：「わしの身体を返せ！」

ロン：一応銃を向けながら、「早く戻せ。その身体、老い先短ぇぞ？」

ＧＭ／ウー・ハン：「ワタシが選んだワケじゃないアル！」

ロン：「あるのかないのかどっちなんだ！」

ユウイチ：「・・・とりあえず轢いていいかな？」

セバス：「やめい！　わしの身体に何をするんじゃ！」

ＧＭ／ウー・ハン：「何ということアルか。【テレポート】のギズモがこんな誤作動を起こすとは、聞いてないアル」

ロン：「だからどっちなんだよ！」（笑）

ＧＭ／ショックトルーパー：「そ、総督！　我々を置いて【テレポート】されるつもりだったのですか！」

セバス：『とりあえずあいつ（セバス姿のウー・ハン）を捕まえろ』

ＧＭ／ショックトルーパー：「り、了解！」（笑）

セバス：じじい遅いよー。《敏捷度》８だからね。

ロン：捕まえた捕まえた。いかんいかん、この面白光景を見ているだけで嬉しいぞ俺は。

ＧＭ：ここでシーンを切ります。カードの補充と、もし要らないカードがあれば１枚交換どうぞ。あと、はいこれ（セバスにキャラクターシートを渡す）。

セバス：うわお、マジで？・・・なんか、能力値が変わったらしいんだけどさ。

ロン：弱いでしょ？

セバス：いや、《筋力》と《精神力》が１下がったぐらいで、他の能力値３つばかりさ、＋３してるんだよね（笑）。

ＧＭ：ウー・ハンの中に入ったら強くなった、って、どーいうこと、これ？

ロン：これで判るのは、おじいちゃんに力がないってこと（笑）。

 
NEXT → セバスチャンの堂々たる立ち居振る舞いに、ショックトルーパーは……
 

→PREVIOUS

→back to Replay Library

→back to Eternal Smile