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TORGリプレイ

『Be Alive』

第二幕

 
シーン3 Dedication to the Creator

 
 低脂肪・高タンパクの肉が、美味しそうに鍋の中で煮えている。
 強力の水炊きは、ここリビングランドでは滅多に味わえぬ、滋味そのものであった。
「みんな! 戦いの前に、たくさん食べて、精をつけるのだ!」
 

裕人:どうしよっかなー。どうやって、食べずに誤魔化そうかなー。

ディアン:ユウトは、本当に食事も何も要らないの?

裕人:食べてもいいけど、それは、実際のエネルギーにはならない。確か、食べたら気持ち悪くなる、って設定でしたよね。

GM:はい。食べたら気持ち悪い。さっき、美味しそうだな、と思ったのは、昔の記憶です。

ディアン:マジで可哀想になってきた。

GM:でないと、ヴァンパイア、いいことずくめだから。

裕人:ウマウマー、ウマウマー。夜だって? やったね、サイコロ2個だ!(笑)

GM:「ヴァンパイアになんて、なりたくねぇな」って思わせないと。これがナイルなら、「わ、ヴァンパイアすごい、カッコイイ!」で処理してもいいんだけど、オーロシュだからちょっと、イヤな感じを出したい。

強力:ところで皆さん。正直に言いますね。僕ね、こいつ(強力)を、この後どうにかして調査に放り込もうと思ったんですけど、どうすればいいのか、思いつかないんです。

GM:そうッスねー!

強力:強いていうなら、リビングランドの、エディーノスの集落に、適当にぶらっと行って、〈調査(物理)〉(笑)。

GM:因みにユキさんは、あなたと角力を取りたいんですけど。

強力:あ、挑まれたんだったらやるよ。

GM:やる! やってみたい!

裕人:それ、すっげぇ、カメラ回したい!

GM:いい一番を取ると、ちゃんと、後の戦果変わるよ? みんなが鼓舞されるんで。

強力:よく解らないな(笑)。

GM:では、次はそういうシーンにしましょう。改めて説明しますと、廃ビルの外には、生きた木を使った大っきな住居がいくつかあって、エディーノスの子たちと、人間の子たちが、分け隔てなく、出入りしています。どの子がどこん家の子か、よく解んない。

マンジマル:みんな同じに見える。

強力:ひとつのファミリーだよね。

GM:はい。部族単位で育ててるので。みんなで一緒にご飯を食べつつ、ユキが、「ストロング! もういっぱいくれ!」

強力:でかいお椀に、ザバーッ!「ほれ」

GM/ユキ:「これを食べおわったら、一番とってくれ」

ディアン:「一番、取る?」

GM/ユキ:「ふふふ。おそわったぞ」(ドヤァ!)

強力:誰に教わったんだろう、って顔しながら、片眉を上げて、「俺は強ぇぞ?」

GM:「わたしもだ!」超大人げないから、奇跡とか使うぞ!(笑)

マンジマル:ほらきたよ。

ディアン:「ユキ。それは、正々堂々の勝負と、言えるのか?」

GM/ユキ:「もちろん!」

強力:こう言います。「できることは全部やっていい」

GM/ユキ:「ん!」

強力:「ディアン。角力を知っているか?」

ディアン:「ニッポンに行った時に、てれびという箱で、少し見た」

GM:「ふふふ、わたしはおぼえているぞ。ばしょをあけてくれ」って言うとみんな広がる。「丸をかくんだ」

マンジマル:描いた描いた。

GM:ちょっと歪んでっけど(笑)。だいたい真ん中ら辺に2本、線を。

強力:どうやらユキは完全にガチをお望みなようなので、ディアンに向かって、「見ていろ」と言って、一度出て行きます。しばらくすると、まわし締めて戻ってきてあげる(笑)。

GM:ん! やった!

強力:ディアンに言います。「角力は、身にまとっている・・・」まわしをバンバン! って叩いて、「これだけだ。他に何もない。そうやって、比べあって、神様に、力のぶつかり合いを捧げるのが、角力だ」

GM/ユキ:「うん、うん!」

ディアン:こくっ、と頷く。

強力:「武器もない。騙しも何もない。あるのは、互いが持っている力だけだ。もし、奇跡とやらの力を、この娘が持っているというのなら、全てを出すがいい」

ディアン:「ストロング。勝負は、どうしたらつく?」

強力:「ああ。この丸から出るか、手が、地面に着いた方が負けだ」

ディアン:「解った」

GM:ユキは嬉しそうに、上をバサーッ! って脱いで。

ディアン:「ユキ?! うわぁぁぁ!」

強力:うはははは!

GM:胸のところは巻いてるから大丈夫だよ。あやめさんが、「ここは取っちゃダメ」「ダメなのか」「取っちゃダメですよ」「そうか」

裕人:じーっと見て、いい身体だな・・・(笑)。

マンジマル:それは、どっちの意味かは解らんが。

GM:超絶健康美、です。元々は白い雪のような肌のお嬢さんだったのが、いい感じに褐色になってるんで。

マンジマル:では、この喧騒に紛れて、拙者は姿を消します。

GM:かっこいいー。因みに、奇跡を使う時は、普通、儀式とか祈りの言葉とかを唱えるんですけど、リビングランドでは「痛いの痛いの飛んでけー!」って言うと【ヒーリング】になります(笑)。神様が直で聞くので。というわけで、「戦いのじゅんびだー!」【インクリーズ・ストレングス】!

ディアン:《筋力》を上げた。

GM:(コロコロ)ポシビリティ使いまーす。(コロコロ)いえーい。+10。

強力:じゃあ、一言言います。「準備はできたか?」

GM/ユキ:「じゅんびオッケーだ!」

強力:「俺も、お前と同じように、角力を取る前に、儀式をしなくちゃいかん」と言って、特に何の効果も要らないんだけども、〈武道〉で振ります。四股を踏む。(コロコロ)18。ポシ使います。

ディアン:まるで、往年の千代の富士のような、まっすぐな脚。

強力:(コロコロ)達成値27。意図は、場の邪を祓う、四股本来の意味を込めて踏みます。

GM:ではあなたが四股を踏むと、大地に一時的に可能性(ポシビリティ)の力が満ちて、みんなの心に希望が戻ります。一瞬だけですけど。一瞬、満たされて、うわ、すごい! って。TORGでは、武道家が操る「気」は、ポシビリティ・エネルギーなんです。

ディアン:空気が、変わった。

GM:はい。違う世界の、神への祈りであり、儀式である、っていうのは見て解ります。

強力:そして、柏手をひとつ、パーン! と。

GM:さらに、空気が清廉になる感じがします。

強力:(裕人に)あなたは、邪悪ではないから大丈夫です。邪悪だったら、今のでヘタしたら死んでた可能性があるので(笑)。

裕人:よかったー!

強力:こちらから言うべきなんだろうな。にっこり笑って、「はっけよい・・・」
 

 ふたりの勇者が同時に大地を蹴り、即席の土俵の上、真正面からぶつかり合う。
 

GM:〈武道〉と〈格闘〉。まず組み合おう。こちらは15ベース。(コロコロ)

強力:いきます。(コロコロ)〈武道〉18。きみが〈武道〉持っていなかったら19。

GM:はい。持ってないので、力でぐわーっ! と土俵際まで押されますが、いいところを取るのはあなたです。

強力:「・・・ほう?」

ディアン:オレ、ガン見。まだ丸から出ていないな。

GM:あなたの方が体勢はいいです。ここから、どう勝つかです。力で相手を持ち上げたり、押し切るんだったら、〈重量挙げ〉。技を使うんだったら、〈武道〉と〈格闘〉です。

強力:あ、上手投げ。

GM:立ち合いの分、あなたに+2つきます。よーし、ここが勝負!(コロコロ)クッソ! ポシビリティ使います。

強力:(コロコロ)これはポシを使わせてもらおう。

ディアン:互いに1ポシですね。

GM:(コロコロ)ああ! 伸びない。最初じゃなかっただけよしとする。

強力:(コロコロ)+4なので、22の+2で、〈武道〉24。

GM:はい、解りました。そうすると力じゃなくて、テクニックで投げます。

強力:因みに、投げ方は、衝撃だけ与えて、ショックダメージは入るかもだけど、怪我はしないよ。ごろーん。

ディアン:転がって、手を着いたのを見て、「勝負あり!」

GM/ユキ:「うわー、負けたーーーーー!(笑)うわーーーーー! おおーーーーー!

ディアン:「ユキ。嬉しそうだな」

GM/ユキ:「すごい! 負けたの、はじめてだ!」(笑)

強力:ちゃんと、元のポジションに戻って、手で心を描く。

GM:起き上がりながら、「ほう。いまの手はなんだ?」

強力:「勝負が終わったら、自分の心を、ここに戻す。そこまでやって、角力の儀式だ」と言って、教えてあげます。

GM/ユキ:「わかった! こうだな。(両手を顔の前に掲げ)ラナーラ様、うけとってください!」

強力:ディアンに言おう。「これが、強さの比べ合いだ。角力だ」

GM/ユキ:「負けるとくやしいぞ!」

ディアン:「ありがとう。すごいものを、見た」

GM:みんなが、「あの、いいっすか? いいっすか?」って(笑)。

裕人:ペタペタ、ペタペタ。

GM:何となく、元気になってるのが解る。今までは、お祭り的な盛り上がり方だったんだけど、芯に火が入った感じ。生命力が戻ってきたような感じを持ちます。

強力:とりあえず、種火は作れたので、天幕から出て、自分の荷物の置いてあるところに戻る時に、ぼそっと一言、「・・・肘をやられたか」(笑)

一同:うわーっ!

GM:ありがとうございます! 持ち上げていただいてありがとうございます! ごっつぁんです!

強力:偉業で、この種火を派手に燃やすつもりではいるけど、今はここまででいいかな。

GM:ディアンと裕人には、ユキがみんなに愛されてるのがよく解ります。勝っても負けても、自分のことのように喜んで、自分のことのように悔しがっている。

裕人:楽しそうだなー。

GM:「くそー! くやしいぞ! でも、次の大きな戦いには負けないぞ!」ユキがニコって笑うと、みんなも「えいえいおー!」と、さらに盛り上がります。「みんなにつたえてくれ。ストームナイト族には、こんなに強いゆうしゃがいる。みんなもいっしょに戦うんだ。みんなも強くなるぞ!」

ディアン:一緒に手を挙げて、「おー!」(笑)

GM:一方、カメラが別の視点に切り替わると、西の地のジャングルの中で、何も解らないまま、アメリカ政府から見捨てられた人々が映し出されます。大半が、隠れるように生きています。下手に助けを求めると、「敵性人種か!」って軍に追われて、逆にジャングルに返されちゃう。そういった人々が、ストームナイトの活躍を聞いて、だんだん希望を取り戻していく、という未来を、想起させるような一番でした。

 
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