TORGリプレイ

『逃げてきた黒天使』

 

第一幕:天使の怖れ

 
シーン1 再会・彼らの場合
 

舞台は日本、東京。
テンプル騎士シオンとヴィクトリア人執事セバスチャンは、
とある財閥の総帥から仕事を依頼され、
詳しい話を聞くために財閥の本社ビルに向かっていた。
 

シオン:じゃあ、歩きながら、坊っちゃんについての話をしていますよ。ひどい目に遭わされたんで(笑)。

GM:すると、セバスチャンの背中に、人がぶつかってきました。ドスッ。「もっと端っこ歩きなさいよー」

エリオット:はっ、美川っぽい人がいるよ。

GM:ありがとう、解ってくれて。「げっ! アンタ達、何でこんなトコにいやがる・・・いえ、何でもないわ」ジェイク・ノリです。

シオン:「ジェイクー?!」
 

ジェイク・ノリとは、リプレイ『月光夜曲』の登場人物である。
GMいわく、おネエ言葉を喋る怪しげな業界人。
詳しくは当サイトのリプレイを読んでね♪
 

シオン:まじまじと、信じられない人間を見たという目で、見ます。

セバス:とりあえず、哀れな目をしながら見ます(笑)。

GM/ジェイク:「何? アタシの顔に何かついてる?」

シオン:「何故お前がここにいるのだ」

GM:「えっ、だって、アタシの会社ってこの近くだし」ジェイクは「ファースト・エンターテイメント」というテレビ局のプロデューサーですが、そのテレビ局は金輪の子会社なんです。

一同:ほぉー。

GM:ソースブックによると、『複合メディア企業で、テレビ局、ケーブル放送網、衛星放送網を持っている。最近では映画界にも進出し、大阪の郊外に撮影スタジオを建てた』だそうです。「上に呼ばれたんだけど、もしかして栄転ってヤツかしらー」

シオン:「リビングランドなどに栄転にならなければいいな!」(笑)

セバス:何も言わないでこう、ポンポンと(肩を叩く)。

GM:ジェイクは一瞬呆然とするんだけど、何かを思いついたかのような表情を浮かべて、値踏みするように2人をじろっ、じろっ、と。

セバス:「では、行こうか」と言って、そのまま去ろうとする(笑)。

シオン:「我々は先を急ぐのでな」

GM/ジェイク:「ちょ、ちょっと! アタシ今ひとつ、面白いネタ持ってんのよ。話だけでも聞いていかない?」

シオン:「私が呼び止められて聞くのは懺悔だけだ」

セバス:「身分の差をわきまえたまえ。人に物を頼む時は、筋を通すがいい」

GM/ジェイク:「な、何よ!」

シオン:「解った、そんなに言いたいのなら、手短に言え。聞いてやろう」(笑)
 

かくして2人はジェイクに喫茶店へ連れ込まれ、話を聞くこととなる。
 

GM/ジェイク:「ほら、よくニュースで、ガキンチョがハッキングとか言って、ネットワークへこっそり入っていたずらしたとかいうのが騒ぎになるじゃない」

セバス:「何のことだ?」(注:オーロシュの人間なのでハッキングという概念が解らない)

GM/ジェイク:「(無視して)でね、大抵そういうヤツって、トーシロ同然なんだけど・・・」

シュア:切り離したぞ!(笑)

GM/ジェイク:「時々プロがいるのよねー。そのプロのひとりに、L'ange(ランジュ)ってのがいてね、今そのL'angeは、行方不明なの」

シオン:L'ange(天使)? きな臭ぇなぁー。

セバス:「行方不明。それがどうかしたのか?」

GM/ジェイク:「つれないわねー。でも、行方不明になった原因が、なんかヤバいヤマを踏んじゃって、消されたとかだったら話は別だと思わない?」

シオン:「具体的に、どんな危ないヤマだったんだ?」

GM/ジェイク:「そ、それは・・・」

セバス:「ふむ、話にならん」

シオン:「じゃ、帰るか」

GM/ジェイク:「ちょっと待って、解った、解った、解ったから! これ見て」(1枚の紙を手渡す)
 

 『Cher Charles,

とても困ったことが起こりそうなの。
いつものように、軽い気持ちで潜り込んだ先の会社で、
私は恐ろしい秘密を知ってしまった。
そして、その会社に私の存在を知られてしまった。
だから、もしかするともう私はこの世にいないかもしれない。
詳しくは、いつものストレージへファイルを置いておくので
それを見て。
貴方の故郷に災いが起こらないことを、強く強く、神に祈ります。
もう一度、貴方に逢いたい。

avec amour
L'ange』
 

シオン:「ほぅ、愛してるって書いてあるぜ。要するに、恋人に宛てたメールだな」

セバス:「で、ストレージとファイルとは何だ?」(笑)

シオン:「えー・・・いつもの書類置き場に、書類のファイルを置いておいたから、見ろ、という意味だ」

セバス:「ほぉ、なるほど。・・・危ないのではないか?」

シオン:「まぁ、なんと言うか・・・」説明を放棄します(笑)。

GM:ジェイクが、瞳をキラキラさせながら、「『電子の海に飲まれた美少女ハッカー! 彼女の掴んだ最後の秘密を託された者は今どこに?』どう、視聴率取れそうだと思わない?」

シュア:出た、顔も出ないうちから美少女(笑)。

セバス:電子の海とは何だ・・・(ブツブツ)。

GM/ジェイク:「てなワケで、ギャラ弾むから、このチャールズって奴とアポ取ってさ、話聞いて来てくれない?」

シオン:「何故、私が行かなければならないんだ?」

GM/ジェイク:「だから、ギャラ弾むって言ってんじゃない!」

セバス:「だから、電子の海って何なんだ!」(笑)

GM/ジェイク:「・・・あのさ、もうちょっと話の通じるヤツどっかにいない? 例えば、シグマちゃんだとか」(笑)

シオン:じゃあ、あさっての方向を見て、「少し時間をくれ」
 

仕方なく、シオンはジェイクと互いに連絡先を教え合う。
 

セバス:「なんだ、話は終わったのか? よく判らんが」

シオン:「とりあえず保留にしておいた」

GM/ジェイク:「じゃよろしくねー。なかったコトにしちゃイヤよ」

シオン:「それは・・・神の御心次第だ」

セバス:「結局、電子の海とは何だったのだ?」(笑)

GM:ではここでシーンを切りまして、4人と合流します。
 

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