第三幕：天使の遺した言葉

 
シーン２　やり直す機会（承前）
 

マッコイ：じゃあ、核心を突いた質問に移りましょう。「あの時、鷺沢と何の話をするつもりだったんだ？」

ＧＭ：もう一度〈説得〉をお願いします。

マッコイ：（コロコロ）１かよ。

ＧＭ：〈説得〉で１振ったらリンクが切れますな。

マッコイ：何ぃ？！
 

ポシビリティ能力者であるストームナイトは、出身世界に関わらず、
今いる場所の世界法則を使用する（矛盾を起こす）ことができる。
ここでは、コアアース出身のマッコイが、
ニッポンテックの「陰謀の法則」を使い、〈説得〉にボーナスを得ていた。
しかし、判定で１を振ると、出身世界との繋がりが切れ、
現在地のリアリティに染まってしまう。これを「リンク切断」と呼ぶ。
 

エリオット：仕方ありませんね。では、本性転換、善への誘惑を行います！
 

「善への誘惑」とは、善なるヒーローが悪の本性を持つ者へ働きかけ、
本性を転換させる試みである。
イメージ的には悪人を説得して改心させる、という感じだ。
この行動も、ナイル帝国以外では矛盾となるため、判定で１を振ると
世界法則と同様にリンク切断を引き起こす。
 

エリオット：「汚れ仕事は、もうやめましょう。あなたにもご家族があるでしょう？　むしろあなたは、そのスキルを、善いことに使うべきです。お願いします！　どうか、影の中でも、光ある道を歩いてください！」《魅力》で判定しまーす。難易度は相手の《精神力》。よいしょ（コロコロ）。

ＧＭ：・・・え？

エリオット：１。リンクが切れた（笑）。

マッコイ：２人同時にバンバーン。

セバス：んじゃ、お爺ちゃんそろそろ現れようかな。

ＧＭ：どうぞどうぞ。

セバス：そしたら２人とも変になってるんだ？

シュア：言うべきことは言ったんだけど、それがちょっと空振った、っていう。

マッコイ：計算機叩き始めてる。「仕事の話を急に思い出してしまった、あははははー」

エリオット：「あー、でもこの人も、お給料貰えなくなったら大変だしな」（笑）。

ＧＭ／稼頭姫：「・・・ここまでの話をしてやろうか」

マッコイ：呆れた顔で見られてそうな気がするんだけど。

セバス：どうすればいいの、これ？

シュア：あくまでもこの２人が失敗しただけなので、セバスが〈説得〉して落としてくれればいいです。

セバス：じゃあ〈説得〉しましょう。「あの蛮族がおった部屋で、何の話をしたのか、このじじいに聞かせてはくれんかのぅ」（コロコロ）１１。ポシ使います。

ＧＭ：はい、解りました。２人はリンク回復判定していいです。

マッコイ：（コロコロ）また１かよ、おい！（笑）

エリオット：（コロコロ）回復しました。

セバス：〈説得〉達成値２３。

ＧＭ：成功です。「拙者はあの場に、襲撃の標的を聞きに行った」

セバス：「ほぅ」

ＧＭ／忍者：「情報を盗んだ犯人と思われる人間の、住所を聞きに行ったのだ」

セバス：「その人間は、誰なのじゃ？」

ＧＭ／忍者：「話を聞く前に、気絶させられてしまったので、判らない」
 

忍者の話から、新たな事実が判明する。
ヴァルキリー社とライバル関係にある「近江電機」の孫会社、
「虎長化学」からも情報が盗まれていたというのだ。
しかし、ここまで調査してきた産業スパイの件が、
虎長化学とどのように結びつくかは、今だ謎のままである。
 

シュア：あとは、その後の計画をどういう流れで進めるかを聞いていたかどうか、確認しないと。

ＧＭ／忍者：「拙者は、標的となる人間を暗殺することのみを請け負っている」

セバス：はい、終了ー。（渋い顔で）「ありがとう」

エリオット：マスター。伴総帥にお願いしておきます。「この人はここまで話してくれましたので、できればあなたの会社で、雇ってあげてくださいませんか？」

ＧＭ／稼頭姫：「再教育には、金が掛かるのだが」

エリオット：「でも、彼は今の時点で、企業忍者としてのスキルは持っていますし、あとはあなたが彼に対して、いかに忠誠心を仕込めるか、だと思いませんか？」

ＧＭ／稼頭姫：「確かにその通りだな」

エリオット：「それに、彼はもう、元の企業には戻れないじゃないですか。暗殺のターゲットになるかもしれません。そこを救ってあげるのも、ストームナイトとしての、あなたの役目だと僕は思うんですけど」

マキシム：おぉー（感動）。

マッコイ：問題はこの言葉がニッポンテック向けかどうかということだが。

ＧＭ／稼頭姫：「費用対効果は、試してみないと判らないということか。よし、いいだろう。お前の顔に免じて、この忍者は私が預かっておく」

エリオット：「ありがとうございます」と言って、すごく素直な顔で、「よかったですね！」

シオン：忍者涙目（笑）。

セバス：じゃとりあえず、話が終わったところで、〈推理〉で判ったことを説明。マキシムと彼女の関係は、かくかくしかじか、こんな感じー。

エリオット：何で知ってるんですか？！　びっくり（笑）。

マッコイ：（コロコロ）ようやくリンクが繋がったよー（笑）。話が全部終わってたよー！

エリオット：今回、ダイス運がマッコイからマキシムに流れてるみたいですね。

ＧＭ：いつもが良すぎるから、マッコイは。さて、ここでシーンを切りましょう。
 

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