TORGリプレイ

『逃げてきた黒天使』

 

第三幕:天使の遺した言葉

 
シーン3 プロジェクト:黒天使(承前)
 

GM:「アンジュは、虎長化学のネットワークに侵入して、情報を覗き見してたんだが、その中で、とんでもない物を見つけちまったんだ」そう言うと、シャルルはノートパソコンの画面にファイルを表示します。

セバス:何だ何だ。

GM:まず、「プロジェクト:黒天使」という企画書と関連資料一式。

シオン:黒天使?

GM:次に、表紙にマル秘の印が押された、「サークルκ(カッパー)・フランス出店計画」です。

シュア:コンビニの出店計画? 微妙だなぁ。効果的なような気もするし、何となく間抜けなような気もするし。

シオン:企画書の内容は?

GM:かいつまんで言うと、サイバー教皇領における破壊工作です。虎長化学は、バイオテクノロジーや製薬関連の企業なのですが、その虎長が、「中世ヨーロッパで猛威を振るった、黒死病(ペスト)のウィルスを精製し、それを電子データ化して、ゴッドネット(注:フランス全土に張り巡らされたヴァーチャルリアリティネットワーク)に流す」ことを計画している、と書いてあります。

一同:うひょー!

シュア:まぁ、文字通りのウィルスプログラムと言うか。

シオン:細菌兵器ですな。

GM:関連資料には、黒死病についての中世の文献、医学的見地から書かれた現在の文献、ウィルス設計図などが含まれています。なお、ウィルスの容量がかなり大きいことと、カモフラージュをする必要があることから、ネットワーク経由で流すのではなく・・・。

マッコイ:物理媒体として持ち込む。

GM:その通り。親会社の近江電機で人型アンドロイドを製造し、そのメモリの中に入れて、フランスへ運び込む、という段取りになっています。

マッコイ:要するに、植民地にする前の体制に保菌者をぶち込んで、原住民をまとめて滅殺してからどうのこうの、ってヤツね。

シュア:ウィルスに感染した人を放り込むって言っている。わ、やろうとしてることは中世レベル!(笑)

GM:そして、サークルκについてですが、黒死病を蔓延させた後で出店し、特効薬を売って儲けようと目論んでいるようです。

一同:なるほどなー。

シオン:コンビニにはATMがあるよな。やろうと思えばレルムも拡大できる。うわー、盤石だ!(笑)

GM:恐らく、ハイロード金輪龍一も、この計画については承知しているでしょう。

シオン:これなら金を出す価値あり、と。

シュア:すごいこと考えるなぁ。色々疑問視するけど、すごいのは確か。

エリオット:いい、トンデモっぷりだ。

GM:あと、プロジェクトチームの人名録も出てきます。

シュア:素晴らしい。僕たちの知ってる名前はありますか?

GM:ズバリの名前はありませんが、良く似た、「八木澤芹奈」という名前があります。

シュア:どういう立場に立っていますか?

GM:今回のプロジェクトの中では、上から数えた方が早い位です。

シオン:サブリーダーとかそんな感じかな。

マキシム:その名前ってさ、鷺沢の本名なんだ。

シュア:ほぅ。了解です。

シオン:えーっと、とりあえず衝撃の事実が判ったので、一旦会社に戻るか?

シュア:うん、戻らないとマズいや。
 

NEXT → その頃、ヴァルキリー社ではちょっとした騒ぎが……
 


PREVIOUS

back to Eternal Smile


"Eternal Smile" Since 2002.02.02
Copyright (C) 2002-2020 Charmy. All Rights Reserved.

E-mail:charmy_s@mac.com