TORGリプレイ

『逃げてきた黒天使』

 

第三幕:天使の遺した言葉

 
シーン4 スケープゴート
 

忍者の尋問を終えた稼頭姫の元に連絡が入る。
外部ストレージへ機密情報を流した人間が誰だか判ったらしい。

稼頭姫及びエリオット、マッコイ、セバスの目の前を、
容疑者とされる男――鴨下が引っ立てられていく。
ちょうどその時、シオンとシュアがヴァルキリー社に到着する。
 

シュア:全員合流したってことでいいんですよね。じゃあ、総帥に大急ぎで概略を話します。「申し訳ないけど、彼は、ただのスケープゴートだから、総帥の一声で止めてもらえませんか?」

エリオット:いや、それだったら、一旦鴨下さんの身柄を確保して、こちらが騙されている振りをする方がいいでしょう。

シュア:そっか。じゃあ、「犯人が見つかったか、めでたいめでたい」みたいなリアクションを取ってもらえれば。その間に僕たちが真犯人取っ捕まえてきますから。

GM:稼頭姫は頷いて、部下を呼び寄せ指示を出します。

シュア:「因みに、後ろにいる企業の名前まで判ったんですけど、力関係はこっちの方が上?」

GM/稼頭姫:「近江電機か・・・。正直に言って企業力は向こうの方が上だな」

シュア:「どうします? 僕たちストームナイトは、悪を徹底的に退治するのが仕事なんですけど、スポンサーは総帥なので、どこまで表立ってやりますか?」

シオン:うわー、現実的だよ。

GM/稼頭姫:「難しいところだな。これを一大スキャンダルとして公表すれば、近江と虎長にダメージを与えることにはなるだろう。しかし目立ちすぎてしまう」

シュア:「じゃあ、こんなのはどうですか? 僕たちは、善意のストームナイトとして、悪の野望を偶然見つけてしまいました! って言って、それを、知り合いの敏腕プロデューサーにすっぱ抜いていただくので(笑)、その時に、うまく立ち回っていただければ、いいと思うんですけど」

GM/稼頭姫:「その、敏腕プロデューサーという奴がどの程度信頼できるのかにもよる」

シュア:「人格的には問題アリなんですけど」(笑)

セバス:あいつも、ジェイクの奴も金輪だろ?

シュア:あの人にも、善意の第三者って顔してもらえばいいんですよ。その辺は話をしますから。大丈夫です。それでオッケーであれば、僕たちはストームナイトとして、やるべきことをやるだけなので。

GM:「なるほど、解った。お前たちが、我が会社の陰謀を暴いてくれたという格好にして構わないのだな。それなら承諾しよう」・・・ここでシオン、ちょっと〈信教〉の判定をして欲しいのですが。

シオン:〈信教〉?(コロコロ)+5。達成値18です。

GM:あなたは思い出します。サイバー教会の司祭は、【キュア・ディジーズ】という、病気を治す奇跡を使えます。ですから虎長が思い通りに収益を上げられるとは限らないのですが、黒死病が流行してしまえば、サイバー教会の信者を増やすことに繋がりかねません。

シオン:ということだ。

シュア:サイバー教皇領自体は倒さなきゃいけない敵だけど、そんなことされたら、サイバー教皇領に住んでる関係ない人も死んじゃうから。目的がね、多少合致するからと言って、間違った手段を認めるわけにはいかない。

エリオット:あと、それだとサイバー教会以外の信者が全然助からないかもしれない。止めに行きましょう!

シュア:幸い、主犯のひとりの身柄を、仲間が押さえてくれていることだし(笑)。

GM:と、みんな思ってるんだけど、当然のことながら、朝起きると、ベッドの中はもぬけの空ですので。

シュア:解ってる解ってる。それに、これはプレイヤー発言だけど、あのお姉さん、ヒントを絶対残してると思うんですよ。追っかけてくるためのヒントを。

セバス:っつーか、多分、頭の上辺りに行き先が書いてあったりするんじゃねーの?

エリオット:というわけで、マスター。我々はシーンのチェンジを要求します(笑)。

GM:そうですね、変えましょう。
 

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