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TORGリプレイ

『地球の長い午後』

 

第一幕


シーン2 Cold asleep
 

4人のストームナイトは、倒れたサイバー司祭に近づく。
命令者を失った偵察機が、機能を停止して司祭の足元に落下している。
その向こうには、棺桶のようなものがぽつんと置かれていた。
 

GM:五角形の、そうですね、敢えて言うならば、棺桶型のサーバー。

マッコイ:(顔をしかめて)イヤだねぇー。

GM:ただ、サーバーのようにも見えるし、棺桶のようにも見える。中にちゃんと蓋があって、あ、人が入れるんだ、ぐらいですね。

ディ:オレには、棺桶にしか見えない。

マッコイ:棺桶と、他に何かに使えそうなものだっていうのは解るんだが、一体何なんだ、これは。

大悟:きっと、マッドサイエンスの産物に違いない! Dr.メビウスの仕業だ!

GM:(リンに)大悟はナイルの人なので、ああ、悪の秘密結社が何かやってるに違いない。そう考えます。マッコイはコアアースの人なので、判断は常識的です。ディとリンは、アイルの人なので、魔法の品物かな、と考えます。という風に、TORGでは、出身世界によって、判断基準にギャップがあったりします。

マッコイ:ディズニーの世界の人間がさ、現実の世界に来るっていう映画があったでしょ? アレみたいなこと。

GM:『魔法にかけられて』ですね。まぁそんな感じでございます。で、特に何もしなければ、その、棺桶のようなサーバーのような何かが、カタカタと揺れ出します。

マッコイ:とりあえず、棺桶みたいなサーバー? に、繋がってる線を全部プチプチ抜いときます。

GM:はい、了解です。

ディ:「何を、しているんだ?」

マッコイ:「こいつを無力化している」

GM:ではですね、《知覚》か〈発見〉の判定をどうぞ。近くにいたマッコイだけ、難易度が下がります。マッコイは目標値が10。他は12です。

マッコイ:〈発見〉?

GM:〈発見〉、《知覚》、あるいは〈サイバーデッキ操作〉。

ディ:(コロコロ)また1出しちゃった。おかしいよね、このダイス。

大悟:(コロコロ)《知覚》10。

マッコイ:(コロコロ)〈発見〉13。

リン:(コロコロ)あ、10。(コロコロ)27。〈発見〉20です。

GM:えー、まずマッコイ。あなたがケーブルを抜いていると、抜けないんだけど、刺さったままのケーブルがあります。はて? と思って触ると、スカッ。しばらく手をかざしていると、ちりちりとする。

リン:ビーム?

GM:そうですね、弱いレーザー光に当たったって感じかな。

マッコイ:ホログラフか。とりあえず何かこう、遮蔽物になるようなものをバスッと置いて・・・。

GM:置いたんですが、光学だったら、遮れば消えるじゃないですか。消えません。さてこれは何だ、と思います。そして、リン。同じくケーブルが見えるんですが、それと同時に、この棺桶から、線が伸びているのが見えます。その線は、マッコイが「何だこれ」ってやってるのと同じような、半透明のものなんですが、あなたからすると、霊体とか魔法の何かに見えるかもしれません。で、今マッコイがケーブルを抜いたので、それがゆっくりと消えていきます。ここで、〈手掛かり分析〉を持っている人。

マッコイ:〈知識(機械工学)〉で代行できたりします?

GM:それはできません。あ、マッコイ。もうひとつ判ることがある。このサーバー、水冷なのかなーと思って見ると、棺桶の中に、何かの溶液が入っていて、人間が横たわっている。

マッコイ:・・・出たよ。

ディ:液体と、人間?

GM:要するにあの、SFに出てくるチャンバーっぽい、人間をコアにしてるサーバーなのかな、って感じ。

マッコイ:生体サーバーか。

大悟:きっと調整槽だ。俺が調整されたのは、こんな感じだった。

GM:ああ、あなたはそういう理解ですね。ばしゅーんって開くと、煙がもわーって出てきて、「目覚めたかクワガタ怪人!」とか言われるわけだ(笑)。

マッコイ:なるほどね。

GM:この情報は共有して構いません。では、〈手掛かり分析〉を持っている方、振ってみてください。

マッコイ:(コロコロ)えーと、訊かないで。

リン:(コロコロ)17。+4で、〈手掛かり分析〉18。

GM:高っ! そうか、調査系に特化したのか。

ディ:“援助”2枚出すよ。今の情報を聞いて、オレは的外れなことを言うんだけど、「いや、それは違う、それは違う」っていう風に、ひとつの結論を導き出す。

GM:要するに、アンチテーゼをぶつけた。はい、了解です。+6して24ですね。ではリンには解ります。全くの勘なんですが、あなたには、これが、魔法の儀式とかで使う、いわゆる魔法陣に似ているな、という気がします。要するにですね、同じものが他にもあって、繋がってんじゃないかな? という。

リン:ああー。

GM:で、線の伸びていた方向を見てみると、恐らく、ノースポール、北極点を中心に、何か陣を描いているのではないか、という判断ができます。

大悟:北極点、ですか。

GM:もうひとつ。あなた方がこのサーバーを止めたおかげで、隣とのラインが切れて、恐らくは若干、動作が不自然になっているだろうな、と思います。いわゆる、悪魔を召喚する魔法陣だったら、陣が壊れるので、悪魔が襲ってくるかもしれない。そういうレベル。どこまで影響するかは判りませんが。さらに、もうひとつ。棺桶の中にいる人は、生きています。

リン:あ、人がいたんだった。

GM:あなたはこの人を知っています。正確に言うと、この人とよく似た人を知っています。Dr.ハチ・メイラ=2というストームナイトです。

ディ:ええーっ!

大悟:はいはいはい。

GM:基本的には、黙って立っていれば可愛い女の子。口を開けばどこをどう考えてもトラブルメイカー。元々は、すごく科学が進んだ、カダンドラという世界から来た天才科学者なんですが、サイバー教皇領というレルムを、産んだ片割れです。
 

昔々、サイバー教皇領は、「サイバー」ではなかった。
中世暗黒時代に似たマグナ・ヴェリタという世界を支配する、野心家の教皇ジャン・マルローは、
ブリッジを架けて地球へ降りる最中に、ストームナイトに襲撃された。
 

GM:そのストームナイトの中に、ハチ・メイラ=2がいてですね、彼女が、自分が持っているデータチップ、すごいコンピュータデバイスを、マルローの頭に、がしっ! と突き刺したんですよ。その瞬間にですね、混ざっちゃいまして(笑)。ニセ教皇が、サイバーニセ教皇に、クラスチェンジ。そしてマルローは、地球上にサイバー教皇領というレルムを作りました。でも田舎に帰ると、田舎はまだ、文明化されてないので、「なンだか、あすこの教皇様は、ずいぶんペカペカして帰っできだなー」とか言われちゃう。

一同:(笑)

GM:そんなことがあった、というのを、あなたは、彼女から聞いて知っています。ただし、あなたが知る限り、彼女が捕まったとは聞いてないので、知らぬ間に捕まっていたのか、あるいはよく似た誰かなのかは、判りません。

大悟:えー、その辺は、説明してくれるんでしょうか。

GM:リン次第ですね。リンが黙ってるならば、みんな判らないし。

リン:・・・・・。

GM:というわけで、マッコイが全部のケーブルを抜き終わると、ぷしゅーっといって非常用装置が働き、蓋がガタンと開きます。で、「う、うう・・・」と言って、湯気の中から、その女性ががばっと起き上がったところで、シーンを切りましょう。

 
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