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TORGリプレイ

『地球の長い午後』

 

第一幕


シーン3 Snow Crash
 

GM:目覚めた女性は、いわゆる寝起き状態であなた方を見ています。「ここは・・・」

ディ:マスター。名誉の法則で活力を与えます。

GM:はい、オッケーです。ではシャッキリしました。「寒い。何故こんな所に?」と言ってですね、まず、ディを見る。

ディ:とりあえず、自分の毛皮を脱いで着せてあげます。

GM:「あ・・・すまない」と言って、リンを見て、「リン? リンか?」

リン:えっ、知り合い?

GM:「私は一体・・・」と言った後に、大悟を見て、「あなたは?」

大悟:「私は正義の味方だ。大丈夫。キミのこれからは、我々が守ろう!」

GM:「・・・そうか、ナイルヒーローか。ならば安心だ」(爆笑)なんかねー、これ以上聞いても無駄だろうな、と思っているのが、ありありと見える。

大悟:(腕組みをして)うん、うん、ナイルだからねー。

リン:ナイルじゃあ、しょうがないな。

マッコイ:マンガの世界だし。

GM:でですね、彼女はマッコイ、あなたを見た瞬間に、こう、バック転でパッ、パッ、パッと3歩後ずさって。

ディ:すごい身体能力だな。

リン:寝起きなのに。

GM:銃を構えようとしたけど、ないのに気づいて、ハッとしてる。

ディ:「どうした?」

GM:“疑惑”カード発動です。「貴様っ! まだいたのか!」

リン:嫌われちゃった。

マッコイ:「ん? どっかで会ったか?」

GM:「貴様はっ! あの時・・・う、ううっ・・・(頭を抱える)」

マッコイ:「そういえば俺もお前に金を貸した覚えがあるぞ?」(笑)(*8

GM:「何だと! 私に借金はないぞ! 負債はあるが」

ディ:負債と借金、どう違う?

GM:借金は借りた金。負債は、迷惑を掛けた被害。

マッコイ:あんま変わんねぇ(笑)。「それはさておき、お前さん、なんでこんなトコに入ってたんだ? あんまりいい湯には見えなかったが」

GM:「貴様が放り込んだんだろう!」

マッコイ:「違うわぁ!」

GM:「何を言うか、教会の犬め!」

ディ:「ちょ、ちょっと待て。えーと、オレは、ストームナイト、ディアン・オブロー。名前を、聞いてもいいか?」

GM:「私は・・・」と言った後に、「私は、ハチ・メイラ? モナリザ? いや、誰だそれは?」明らかに記憶が混濁している感じですね。

ディ:モナリザ?

GM:彼女の独り言を聞いていると、ハチ・メイラという記憶と、何か別の、おそらくモナリザと呼ばれた記憶という、2つの記憶が混じってるっぽい。

ディ:では、メイラと呼びますね。「メイラ。オレたちは、ここで初めて、メイラに会った。その棺桶の中で、眠っていたところを、マッコイが、開けて、助けた」

GM:そう言われると、マッコイを睨みながらも、多少警戒を解く。一応リンは知った顔だし、ナイルヒーローが、悪漢と一緒にいるのはおかしいだろう、という態度。

マッコイ:ところでハチ・メイラって、どういう人物?

GM:説明します。Dr.ハチ・メイラ=2。世界を変えてしまったぐらいの、天才科学者です。一応設定上美少女らしいですよ。

大悟:カダンドラがサーコルド(*9)に侵略された時に、サーコルドを撃退するために、世界の技術アクシオム(*10)をひとりで26まで突き上げた、張本人。その代わり、スラッチェンにめいっぱい恨まれて、ずーっとストーキングされて。

GM:身体ボロボロにされるわ、家族含めて、友人関係寸断されるわ、冷静に考えると、すごい不幸な子なんですが、根本的に、軽率な子なので。

大悟:半分くらい自爆だって話があるぐらいだから。

GM:あとね、彼女は、エタニティ・シャードっていう、ポシビリティエネルギーの塊、要はすごいマジックアイテムを持って、オーロシュのハイロード、ゴーントマンの身体に、それをぐちゃっ! と抉りこんで、ゴーントマンを封印した、立役者なんですよ。その時に、片腕が飛んでる。

ディ:すごい人じゃん。そうすると今、片腕はサイバーアームになっているんですね。

GM:いいえ。

ディ:腕がない?

GM:ありますよ。生身です。

マッコイ:ある?

GM:だからリンは、彼女を見て、あれっ、腕がある、という、違和感を覚えます。因みに、2というのはクローンナンバーらしいです。1回死んでいるので2人目。まぁそれはいいとして、彼女自身も、何故ここにいたのかは、イマイチ判っていません。

マッコイ:「最後に何があったか、覚えているのか?」

GM:「あれは確か、私が仲間と、潜っている時に、黒いハインドが、急にワイプアウトして、襲い掛かってきた。そしてそこに、お前がいたんだ」

マッコイ:これを繋ぎ合わせると、多分彼女はネットにダイブしてて、それを切断されて、何かが襲ってきた、というところまでは判るんだが、そういうことか? で、そこに俺がいた? 何だそりゃ?

GM:えーとですね、〈手掛かり分析〉か、〈語学〉。あるいは、〈知識(ゴッドネット)〉などがあれば。

マッコイ:〈語学〉の方がいいな。(コロコロ)12、あー、そのままか。〈語学〉14。

GM:10超えればオッケーですよ。彼女は、ゴッドネットに入っている時に、あなたに襲われたと言っています。ワイプアウトというのは、湧き出すといった意味なので、ゴッドネットの仮想空間上に、あなたが、ゴッドネット内部の存在として、飛び出してきた、というような印象を受けます。勿論あなたにそんなパワーはないわけですが。

マッコイ:「俺が襲ってきたと言うが、俺が、お前さんのゴッドネットの世界に入れるように見えるのか?」

GM:「いや、だが、しかし・・・」と言って、急に彼女がふっと顔を上げます。見るとですね、夜の空なんですが、なんか暗いなー。あれ、北極って、今は夏だから、白夜で明るい筈なんだけどなー。どうして空の中央が真っ暗なんだろう? ということに気づきます。

一同:?

GM:夜空が暗い理由。それは簡単です。あなた方と、夜空の間に、それを遮る大質量があるからです。

ディ:・・・何?

GM:お答えします。北極点に向かって落下している宇宙ステーションです。

マッコイ:へ?

リン:それは現在進行形?

GM:そうですね、今、空の1割から2割ぐらいが暗くなってます。あと5分ぐらいで降ってくるんじゃないかなー。

マッコイ:「(大声で)いかん、みんなヘリに乗れー! 落ちてくるぞー!」

GM:素早い宣言ですね。よろしい。では特に判定は必要ありません。これでみんな、もたもたしてたら、「じゃあ、衝撃波とチェイスしましょうか?」って言うんですけどね(笑)。
 

ストームナイト、そしてハチ・メイラ=2らしき女性は、急いでヘリに乗り込む。
ヘリが離陸して間もなく、十字架型をした、巨大な宇宙ステーションが眼前を落下していく。
 

GM:サイバー教皇領が作り出した、通信衛星、兼、軍事衛星、‘天空’。直径10kmぐらいある、それがですね、北極点に向かって落ちていくわけですよ。

マッコイ:うわー。

ディ:オレたちはそれを、ヘリの中から見ている?

GM:はい、見ています。‘天空’は、地面の手前で、逆噴射と、姿勢制御をかけて・・・。

大悟:それは、北極点に、十字架が立った、とか言いませんか?

マッコイ:そんな感じだ。

GM:こう、突き刺さった。周囲に、ものすごい勢いで衝撃波がぶわーっと飛んでいって、北極の地表の生き物、ホッキョクグマとかが遠くでぎゃいん! と言いながら、痛みをこらえています。

リン:クマーーーー!

GM:というわけで、皆さん。マッコイは操縦中なのでペナルティをつけましょう。目標値11、マッコイは13で、〈発見〉。

マッコイ:20。

大悟:12。

ディ:18。

リン:16。

GM:全員成功か。そしたらですね、その、‘天空’と呼ばれる衛星の中から、ものすごいプレッシャーを感じます。先端のところに、何か見えます。夜の黒よりも、さらに真っ黒い物体が。

大悟:(低い声で)エベンスロー・・・。

GM:はい。見た瞬間に判ります。あれは、この世の中に、あってはまずいものだ。あなた方は、ストームナイトとして知っています。各世界を率いるボス、ハイロードは、ダークネスデバイスという闇の祭器を持っています。要は、デバイスを持っていると、俺ハイロードって言える、証拠です。水戸黄門の印籠です。

大悟:水戸黄門の印籠ってなぁ(笑)。

GM:サイバー教皇領の、ダークネスデバイスは、真っ黒い十字架。名前をエベンスローといいます。《耐久力》は、195。《耐久力》は?

大悟:変身した後でも14。

GM:この十字架は、195! 因みにですね、どれくらい硬いかというと、太陽に投げ込んでも、壊れません。要するに、物理的な破壊は、ほぼ不可能な物体です。

リン:ふふふふふふ(乾いた笑い)。

ディ:そのエベンスローが、ここにある、ということは・・・あの場所に、ジャン・マルローがいる?

GM:可能性はあります。‘天空’は一瞬だけ、ぐらっとぐらついたものの、ほぼ正確に、北極点に立ちました。そして、その瞬間、世界中に、光がぱしゃっと通った気がしたんですが、気がつくと、ヘリの周囲に、雪が降っています。正確には、雪のような、光のような、蛍のような。そうですね、電子、と言った方がいいかもしれません。

マッコイ:げ。

GM:ふわっと出てきて、何かに当たるとぱちっと消える。

ディ:雪、ではないのか。

マッコイ:レーダーに反応は?

GM:全部真っ白。

マッコイ:やっぱりな。

GM:しばらくすると、落ち着きます。何故かと言うと、電場が収まって、平均化されたから。というわけで、世界に何かが起こりました。

マッコイ:とりあえず、この状況を全世界に知らせなきゃならないので、高周波帯域の無線で、ダークネスデバイスが北極に刺さったことだけを伝えときましょう。誰か反応してくれよ、頼むよ。

GM:では、スイッチを入れた瞬間に、他の場所からの無線が入ります。『こちらロンドン! メイデイ、メイデイ! 上空に、サイバー教皇領の部隊が突然出現!』

一同:!!

 
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