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TORGリプレイ

『地球の長い午後』

 

第二幕


シーン6 Game of Ender
 

マッコイ:「よーし、そこのヒゲのオヤジ。いつもいつも俺が落としてるんで、俺の顔はよく知ってるだろう?」

GM:「そして今1回記録を追加したアルよ!」因みに、彼の部下は現在ゴムボートで避難中。えっほ、えっほ、とか言いながら。

大悟:ショックトルーパー寒冷地仕様。上にマント羽織ってるだけ。マントの下は上半身裸。

マッコイ:結局そうか(笑)。じゃあ、縄梯子を届くか届かないかのところまで降ろします。「取引だ。お前さんの軍勢で、とりあえず北極に殴りこんでくれ。何が起きてるか判ってるんだろ?」

GM/ウー・ハン:「もう1回殴りこむのは無理アルね。戦艦がないアル」

マッコイ:「Dr.メビウスに借りなよ?」

GM/ウー・ハン:「我がファラオは、現在行方不明アル」

マッコイ:「予備の機体の1機や2機ぐらいあるだろう?」

GM/ウー・ハン:「最近予算が、予算が・・・」

リン:ガソリンが高騰してるんだ。

GM:因みに現在、メビウスがいないのは、デス・ホークとしてどっかにいるからです。

マッコイ:なるほど。

GM:乗せてー、乗せてー! 寒いー! 北極海だからな!

ディ:マッコイ、助けてやってくれ。このままではウー・ハンは死んでしまう。

大悟:それは、まぁ、名誉の騎士としては普通なんだけど、実を言うと、ナイル帝国の正義の味方って、その辺はものすごくシビアだから、見捨てるからね、平気で。

マッコイ:仕方がない。とりあえず縄梯子を降ろしましょう。

GM:では、掴んで上がってきました。「うううううー、凍えて死ぬかと思ったアルよ」

マッコイ:「さて、取引だ」

GM:「馬鹿め、ジェンシ・ロータス・パウダーを食らえー!」ぼとん。「湿気ってるアルよ!」

一同:(笑)

GM:ウー・ハン総督はですね、袖口に毒の粉を仕込んでいるんですよ。この毒に抵抗するのに半年間苦労したという。ま、それは置いとくとして。「話し合おうアル!」

マッコイ:ふふふふふ。わっかりやすいなナイルは。

大悟:こう、ぽきぽきと指を鳴らしながら、後ろの方に突っ立っててあげましょう。

GM/ウー・ハン:「今、ワタシは振り返ったら、死が見えるアルよ、きっと」

マッコイ:「そいつは気のせいじゃないから充分気にしてくれ」

GM/ウー・ハン:「キャー! ワタシの今の好感度は結構高いアルよ。さあ、何でも訊くアル」

リン:好感度なんだ。

ディ:「ウー・ハン。お前が知っていることを、話してくれ」

大悟:「ひとつ、いいことを教えてやろう。俺たち2人は、見捨てる気だった」

GM/ウー・ハン:「お前、それでもナイルヒーローか! いや、当然アルね」(笑)

大悟:「別に見捨てても構わなかった。ディアンが助けてくれと言ったから助けただけだ。直接梯子を下ろした、マッコイに対する礼は、さっきのでいい。だが本当に助け舟を出した、彼に対する礼はすべきだろうな」

GM:そうすると、「おお、こんなところに麗しいご婦人が、ハチ・メイラぁー?!」だだだだと下がって、「(裏声で)こんなところにお前がー!」とか言っている。

ディ:「知り合いか、メイラ?」

GM:「えーと・・・多分、ウー・ハンっていう、変な学者」「学者? マッドサイエンティストと言って欲しいアル!」ウー・ハンからしてみると、高い技術アクシオムを持つ、ハチ・メイラの世界が、羨ましいんですよ。同じ科学者の端くれとして。ただ、自分が作る物には自信があるので、こいつには負けないよっていうライバル心と、あそこの技術すげえな、っていう羨ましさが、同居してます。というのは置いとくとして。「うう・・・まずは礼を言っておくアル。次にワタシが勝ったら、命だけは助けてあげるアル」

大悟:敢えてツッコまないでおこう(笑)。

GM/ウー・ハン:「ファラオは、今の状況を、大きなオセロゲームと言ったアルよ」

ディ:オセロ、ゲーム?

大悟:あ! グリッドが9×9という理由が解った。

GM/ウー・ハン:「ファラオは、うまくすればこれで、ジャン・マルローを叩き潰すことができると言ったアル。何かよく解らなかったアルが、ワタシは解ったようなフリをして聞いていたアルよ」

ディ:「わからない時は、素直に、言った方がいいと思う」

GM/ウー・ハン:「世の中には、ハッタリも重要アルね」

マッコイ:(笑)

ディ:「あ、すまない、先を続けてくれ」

GM:まとめると、この世界はグリッド状になっていて、そのグリッドには、何らかの方法で、穴を開けることができるらしいです。

ディ:穴を開けるイコール、地球を覆っている、ゴッドネットのリアリティが、なくなる、という意味ですか?

GM:それは、後で〈手掛かり分析〉で判定してください。そして、ある程度、穴が開けば、北極から向こうが流してくるものを、全部反射することができるかもしれない、というのが、メビウスの意見。

マッコイ:反射、か。

大悟:リアリティバックラッシュだ。

GM:・・・詳しい人がいると、微妙にやりづらいなー(笑)。

大悟:要するに、サーコルドという世界がボロボロになった理由です。侵攻に失敗すると、相手側の世界のリアリティが押し寄せてきて、自分たちの世界がダメージを受けるんです。

ディ:アクシオムレベルが退化したりするんですか?

マッコイ:具体的には決まってないんじゃないかな。

大悟:例えば、サーコルドの場合だと、デーモンの数がすこーんと減ったとか、ポシビリティがなくなったとか。

ディ:今回、何かをすれば、バックラッシュを起こせそうだ、とメビウスは言ってるんですね。

マッコイ:しかも、この状況だと、ダメージを受けるのは。

大悟:ゴッドネット。だって、マグナ・ヴェリタでもサイバー教皇領でもなくて、ゴッドネットが、地球を侵攻してるんだから。

ディ:テクスチャーとして地球を覆っているのがゴッドネットだから、か。

GM:そうです。

大悟:で、ゴッドネットがダメージを受けると、ジャン・マルローも大ダメージを受けます。何故なら、マルローは、エベンスローと繋がっているから。

ディ:なるほど。それなら、エベンスローを破壊したり、マルローを無力化することが、できるかもしれない。

大悟:破壊は無理だとしても、少なくとも大ダメージを与えることはできるでしょう。

GM:はい。メビウスも同じように考えており、そのために現在、ナイルの十総督は、世界各地に散って、穴を開ける方法、要は、オセロの黒を白にする方法を調べています。

マッコイ:ふむ。

GM:なおかつ、どういうルートを取れば、効率的に反射できるか、というのを、メビウスは計算しているらしい。ただ、計算するには決め手が足りないので、ジャンヤ・パテルクシという、ナイルの総督の中で、最も陰謀に強い人が、ニッポンテックの、ラウル・ブロックの方に、潜入しています。何かを奪ってくるのが、目的らしいです。

マッコイ:うわー。

GM:とはいえ、敵側には、たとえ石をひっくり返しても、盤面を壊せるような連中がいるので、ウー・ハンは、その連中を何とかするために来たけど、返り討ち(笑)。

ディ:オレたちのコピー、プラス4人のコピーですね。

GM:イエス。恐らく、サイバー教皇領と戦ったことのある中で、一番、うまい結果を残した連中を使ったんでしょう。

大悟:せめて、残り7人のうち半数だけでも、どっか別な方に行ってくれると、戦闘がかなり楽になるんだけど。

GM:全員は来ないよ。ナイルやら、オーロシュやらも動いてるから。逆に言うと、敵の戦力は、8人の他にもいるんですが、全世界に喧嘩を売っているので、あなた方に割ける人数というのは、そんなに多くありません。というわけで、ウー・ハンの話は以上です。

ディ:「ありがとう」

GM/ウー・ハン:「お、お前らに礼を言われる筋合いはないアル!」

大悟:どこのツンデレだお前(笑)。
 

ウー・ハンから得られた情報を基に、一行は作戦会議を開始する。
GMは、グリッドを示す格子模様の図に、赤い丸をいくつか書き加える。
 

GM:この赤い丸。これは、現在、ジャン・マルロー及びエベンスローが、自由に動かすことができないグリッドです。全体の約8分の1。

大悟:他のハイロードが支配している場所ってことですか?

GM:違います。あなた方がメイラをひっぺがしたんで、そこだけは、制御できないんですよ。要は、ゴッドネットがかぶさる前に、制御用のメイラを引っこ抜いちゃったんで、その辺のエリアは安定していない。付け加えますと、盤面の右と左、上と下は繋がってます。地球は丸いので。

マッコイ:なるほど。

GM:グリッドの移動について説明します。通常は、1ラウンドに1マス。マッコイが〈航空機操縦〉の判定を行えば、目標値8として、成功度分だけ進めます。最大5マス。〈顕現〉を使った場合は、〈サイバーデッキ操作〉か、顕現中の〈航空機操縦〉で、目標値を超えた分の数字だけ進めます。上限なし。ただし、まだ条件を満たしていないので、〈顕現〉はできません。因みに荒業は、コピーマッコイやシュアを捕まえて、ぼっこぼこにして、「さあ、〈顕現〉しろ!」ってのもアリです(笑)。

ディ:そんなひどい。

大悟:さて、これから俺たちは何をすべきか。目的地の候補は2つ。直で北極へ突っ込むか、グリッドをいくつかこちら側に持ち込んで、相手を弱体化させるか。

ディ:マッコイが、コピーマッコイと話してた内容は、聞こえてますよね。だから、向こうには、オレも含めた、8人のコピーがいることが判っていて、そのうちひとりが、今ここにいるメイラ。さっきの感じだと、マッコイとシュアとシオンを、寝返らせるのは、結構難しそうでしたよね。

マッコイ:まー、無理と見ていいんじゃないかな。

大悟:向こうは向こうの、自分の正義で動いてますからね。

ディ:となると、残りの4人を探す?

大悟:いや、メイラだって、偶然ゴッドネットがかぶさる前に、引きずり出したからであって、要するに、刷り込みなんですよ。他の4人に関しても、うまく〈説得〉できればいいな、って程度に考えてた方がいいと思います。問題は、こんな方法、ジャン・マルローの視点で考え出すかどうかなんですよね(サイドストーリーカードを示す)。

GM:“仇敵”かー。

大悟:「きっと、誰かが、ジャン・マルローに、こんな方法があるということを、吹き込んだに違いない。もしかすると、あいつかも!」と言って、ふっと口を閉ざして、「・・・いや、今はそんなことを言っている場合ではない」とりあえず、ネタフリだけしとく(笑)。

GM:了解です。では、次ラウンド以降にサイドストーリーが発動します。といったところで、第二幕終了です。

 
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