Eternal Smile > L' aprés-midi long de la Terre
 

 
TORGリプレイ

『地球の長い午後』

 

第二幕


シーン5 Hello, McCoy
 

マッコイ:とはいえ、何を手掛かりにマルローの目的を調べていいのやら。

GM:そうですね、“アイデア”カードがないのであれば・・・。

マッコイ:“推理”。

GM:“推理”かー。

ディ:「このカードを場に出せば、ゲームマスターが、謎の解明に必要な手掛かりを、予期せぬ手段で与えてくれる」。なんて便利なカードだ!

GM:ではそうするとですね、ごうん、ごうん、ごうん、と音がして、あなた方が今移動しているヘリの上空で、戦闘が始まっています。追われているのが、大型の飛行機械。追っているのが、ヘリとセスナ機。状況としては、追われている方が、不利だというのが判ります。追われているのは見覚えがあります。追っているのにも見覚えがあります。

マッコイ:ほう。

GM:追われている大型飛行機械は、巨大な円盤を逆にしたような形の、敢えて言うならば、中華ドンブリ(笑)。

ディ:中華ドンブリって言われた時点で、乗っている人がありありと浮かぶ。

マッコイ:もう、彼しかいないよ。

大悟:多分、周りに龍マークじゃなくて、∞マークが延々書いてある。

GM:追っている片方はセスナだなー、でも武装しているなー、っていうのが判って、もう片方はハインドだなー、見覚えがあるなー。

マッコイ:ほう。

GM:今、俺が乗ってる気がする。

マッコイ:・・・ん?!

GM:はい。マッコイのハインドと、シュアのセスナに見えますね。で、セスナから、チャリンコが、ぴょーん!(笑)

ディ:何だそのE.T.みたいなテクスチャーは!

GM:ちゃーちゃー、ちゃららららーらー♪ 見ると、ツンツン頭の少年がチャリンコを漕いでて、後ろに、硬そうなのがひとり乗っかっていて。

マッコイ:硬そう?

GM:はい。正確に言うと、テンプル騎士に見える。しばらくすると、チャリンコが、ぴょんとセスナに戻り、ゆっくりと煙を吐いて、巨大な中華ドンブリが、海に落ちていく。

大悟:で、何故か断末魔の声だけは、みんなに聞こえてくる。「覚えているアルねー!」

GM:アルよー!(笑)ここで説明します。ナイル帝国という世界に、ウー・ハン総督という、幹部がいます。彼、チャイナ服にナマズヒゲの、いわゆる中華系な悪漢なんですよ。基本的には、タイムボカンの三悪みたいな、何かあったら、「ひー、お許しをー!」とか、「覚えているアルねー!」とか、そういう人ですね。

リン:うん、前に会ったことある。

GM:今見事にシュアと思われる人に落とされたわけですが。シュアというのは、マッコイの弟分の、レルムランナー。セスナ乗りだった筈なんだけど、どっちかっつーと、チャリンコ乗り(笑)。

ディ:確かに、エリオットをカゴに載せて自転車で爆走(*16)とか、以前あった。でも何か変だよね。もしかしてあれは、コピー?

大悟:コピーというか、前にサイバー教皇領と戦ってるでしょ? ということは、向こうにデータがあるわけですよ。そのデータを基に、別のネットエンティティを核にして、人格を与えてるだけ。要するに、モナリザメイラと一緒。

ディ:ふむふむ。

GM:正解です。因みに彼らが使ってる技能は、〈航空機操縦〉とかじゃなくて、全部、〈サイバーデッキ操作〉。というわけで、あなた方全員に、ウー・ハン総督の円盤が落ちていくのが見えます。

ディ:「ウー・ハンが、落ちた」

リン:「ああ、また、落ちたんだ」

大悟:「さすがウー・ハン! 敵にまわせばあれほど情けない敵はないが、味方にまわすとあんな情けない者はない!」

GM:ほっとけ!(笑)で、マッコイだけが、「・・・俺がいる」

大悟:別な方を見てるのね。

マッコイ:なるほど。(考えて)よし、呼びかけよう。「こちらミリオンダラー。そこのミリオンダラーに告ぐ。すぐに機を降ろせ!」

GM:ああー、ミリオンダラーに告ぐわけですね。ではそうすると、『おいおい何だ。こちらミリオンダラー。お前誰だ?』

マッコイ:「聞きたいか? オリジナルだ」

GM:『・・・』『ヤバいッスよ、先輩、偽者がいるッスよ!』(笑)

ディ:死ぬほどカッコいいのに、今ので台無しだ!

GM:『しばらく黙ってろ。さてと。お前誰だ? 確かに、俺によく似た声だが。うちのコードネームをパクるのはよろしくないな。訴えるぞ? 民事で』

マッコイ:「言っておくが、そいつは蹴りがつかんぞ。俺とお前の財布の中身は同じだろ?」

GM:××××○円。『おかしいな、さっきまで×××××円あった筈なのにな』

大悟:さっき給油したから。

マッコイ:こいつはコピーした筈なのに計算もできないのか、と毒づいてる。

GM:『まあいい。これが終われば、俺は億万長者になるんでね。そうだな、ミリオンダラーも、ビリオンダラーに改名するか』

ディ:桁が上がった。

マッコイ:こいつホントに俺のコピーなのか。趣味が悪いったらありゃしねぇ。

大悟:悪趣味なのはどっちもどっちだが。

リン:この仕事が終わったらっていうのは、死亡フラグだと思う(一同爆笑)。

マッコイ:まったくだ!

GM:『先輩、それ、死亡フラグッス!』

ディ:向こうでもツッコんでる。

大悟:うむ、この時点で、勝敗は決した!(笑)

GM:『そうか、じゃあ言い直そう。途中で金は分けるつもりだからな。特に用がなければ、こっちは忙しいんだ。俺のコピー商品も大概にしとけ』

マッコイ:「・・・ほう?」

ディ:うわ、これムカつくな。自分に言われたら。

大悟:じゃあ、口を挟みましょう。「はっはっはっは! オリジナルもコピーも関係ない。正義があれば問題なし!」

GM:『そうそう、その通りその通り! 勝つのは正義だよ!』

大悟:「なにぃ?」

GM:『シュア、黙ってろ』(笑)

マッコイ:「あー、ビジネスが正義で終わったらカッコいいんだがなー。俺も楽なんだがなー。ところで、そっちのミリオンダラーよ、今こっちにはディが乗ってるんだ」

GM:『ディ? んなバカな。あいつは今、防衛に・・・』

大悟:ということは・・・。

GM:『はっはーん、なるほど。お前らが・・・。読めてきたぞ。そういうカラクリか』と、向こうは勝手に納得していますね。『まあいいさ。大体状況は解った。はじめまして、俺のコピー元』

マッコイ:「ほう。認識ができたようだな」

GM:『俺はな。・・・だがな、世界は変わる。なあ、ミリオンダラー。お前は、光の速度で動けるか?』

マッコイ:「光の速度で考えることはできるが?」

GM:『そうかそうか。身体がついてこないのは寂しいね。言い方は悪いが、俺が今日から本物になってやるよ。なあ、偽者』

マッコイ:「ひとつ訊くぜ。タバコの味を知っているか?」

GM:ニヤッと笑って、『ああ。よりどりみどり、再現可能だ』

マッコイ:「くっだらねえ! 1と0のタバコの味しか知らないのか!」〈挑発〉。

GM:抵抗値はあなたと同じです(笑)。

マッコイ:(コロコロ)11。“ヒーロー”。

GM:打ち消し!

マッコイ:ポシビリティ使います。

GM:それは消せない。

マッコイ:(コロコロ)えー、21扱いだから、+8の、〈挑発〉21。

GM:積極防御します。(コロコロ)9で、ポシビリティを使います。(コロコロ)19。+6までいきました。〈挑発〉19。2差か。

マッコイ:“だめ押し”!(カードを投げる)

GM:ははははは! 容赦ねぇ!

大悟:いや、オリジナルとしての意地があるからねー。

リン:うん。

マッコイ:「1と0の味しか知らない、おまけにバグの味も知ってるわけか!」

GM:いいでしょう。5差になったので、萎縮します。『ちっ!』と言って、『なるほど。悪態のつき方だけは多少差がついたようだな。やれやれ、俺はそこまで下品にはなれないぜ』

マッコイ:「下品かねぇ? センスがあるって言ってほしいねぇ?」

GM:そうするとですね、『聞くに堪えん! 切っていいか!』『まあ待て』聞き覚えのある声です。

ディ:ん?

GM:『フルメンバーで待ってるぜ』最後にそれだけ言うと、通信は切れます。そして、ハインドとセスナは、北極方向に飛んでいきます。

マッコイ:なるほど。

ディ:「誰だ?」

マッコイ:「お前さんのコピーさ。今の俺と同じな」

ディ:えっ、オレの声がしたってことですか?

GM:いや、違います。今のはテンプル騎士のシオンの声です。

マッコイ:そうか。シュアのチャリに乗ってた。

GM:つまり、向こうにいたのは、かつてディやマッコイと、一緒に冒険をした仲間のコピー。因みに、8体のうち、5体までは、あなた方は知っています。

ディ:マッコイでしょ、シュアでしょ、シオンと、オレもいるんだよね。あとメイラで、5人。

GM:その5体です。残り3体は、別の有名NPC。

大悟:多分残りは、ジャン・マルローに、チップを突き刺したチームですよ。

ディ:と思われるね。個人名は割愛するとしても。

マッコイ:こう言いましょう。「背景は解った。要するに棺桶を全部開けに行きゃいいんだな」

大悟:「・・・いや。もう開いてる」

ディ:「オレも、そう思う」

マッコイ:「そうか、だから出てきたのか」

大悟:「だが、幸いにも、連中が思いもよらなかったことがひとつある。ハチ・メイラ=2が我々のそばにいることだ。問題は・・・」と言って、どうする? と、目でリンちゃんに問い掛けましょう。

リン:うーん。

GM:ま、それは次のラウンドまで待ってくださいね。最後に、あなた方が黙ったところで、バシャーン! って水音がして、「見てるなら助けるアルー!」

一同:(笑)

GM/ウー・ハン:「無視されて寂しいアルよ!」

大悟:あれ、助ける義理がないんだが。

マッコイ:・・・いや。(にやり)

 
NEXT → 極寒の北極海から、辛くも救出されたウー・ハンは……
 


PREVIOUS

back to Eternal Smile


"Eternal Smile" Since 2002.02.02
Copyright (C) 2002-2020 Charmy. All Rights Reserved.

E-mail:charmy_s@mac.com