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TORGリプレイ

『地球の長い午後』

 

第三幕


シーン3 Re-Birth
 

 ずっと姿を見せていなかった、サイバー教皇ジャン・マルローが企んでいたのは、
 地球と融合し、地球のポシビリティを丸ごと手に入れることだった。
 己の肉体を捨て、データと化したマルローは、現在、地球の最深部に向かっている。
 彼の企みを阻止できるのは、ストームナイトのみ。
 

大悟:問題は、どうやって行くかですね。だってデータ化するには、ハチ・メイラの協力が絶対必要だから。

マッコイ:それは、〈説得〉しかない。

大悟:そしたら、今の話を聞いた時点で、みんなで、リンちゃんを見るわけですね。どうすんの?

リン:うう(笑)。まあ、ここまできたら、全部話すしかないね。

GM:そうすると、「なあ、リン。その、ジャン・マルローという男は、一体何者なんだ? 私の記憶には、残っていないのだが」

大悟:「説明しよう! 偽りの教皇ジャン・マルローは、己の野望のために、人々の心を、そして信仰を捻じ曲げ、その全てを己のために使っている、極悪非道な男だ!」

GM:因みにですね、彼女の記憶からは、マルローとユーソリオン、2人に関する情報だけが消去されている。

マッコイ:なるほど。

GM:「そうか。私の記憶には、操作された部分があるのか。・・・なあ、リン。きみには、判っているんだろう? 私は何者なんだ?」

リン:うーん、どう説明すればいいのかな。

マッコイ:本来ここにはいない生命体、という言い方がいいかもしれない。

GM:アイル的には多分、精霊とか、妖精とか、実体がない何か。あるいは、アザープレーン(異世界)の住人。どう話すかは自由です。

リン:「おそらく、肉体のない、魂だけのような存在、じゃないかと思います」

GM:「そうか。うっすらと、疑問には思っていたけど、確かにそう考えるのが、妥当そうだ」

リン:・・・・・。

GM:「もうひとつ、訊かせて欲しい。私の中にある、この記憶、この気持ちは、あのラジオの向こうにいた、ハチ・メイラ=2という人物の、記憶や心をコピーしたものだ。モナリザという記憶も、多分同じなのだろう。だが私は、ハチ・メイラ=2でもないし、モナリザでもない。とすれば、私はいったい誰なんだ?」

リン:「確かに記憶は、コピーされたものかもしれないけれど、心は違うと思います」

GM:「何故そう言えるんだ?」

リン:「あなたが、モナリザでもなければ、ハチ・メイラ=2でも、ないから」

GM:「私がきみを信用するのは、きみを信用している、ハチ・メイラ=2の記憶があったからだ。私が、あの男、いや、マッコイを疑っていたのも、あの男に襲われた記憶が、ハチ・メイラ=2、あるいはモナリザに残っていたからだ。この気持ちは所詮、全て借り物かもしれないんだ。それでも、この私に、心があると、きみは言えるのか?」

リン:「たとえ記憶がコピーされたものでも、判断したのは、あなたですよ」

GM:なるほど。よろしい。では、〈説得〉あるいは《魅力》で判定してください。

リン:(コロコロ)2、低っ! ポシビリティを使います。

GM:こちらは敵じゃないので消しませんよ。

リン:(コロコロ)10扱い、12。

ディ:マスター。名誉の法則で全員に活力を与えます。

GM:可能です。

ディ:活力だから、場の雰囲気を明るくすればいいかな。「メイラ。オレは、メイラが、オレたちの差し伸べた手を取って、ついてきてくれたこと、それ自体が、答えだと思っている。メイラが、オレたちと過ごしてきた時間は、決して、嘘ではない」

GM:では全員カードを1枚ずつどうぞ。

ディ:(受け取って)“知人”が来た。オレ今回、完全サポート系だな。

GM:そうそう、この判定で、ダイス目が60を超えると、“偉業”カードをプレイすることができます。

マッコイ:全部使った方がいい。使える時に。

リン:じゃあ、“ドラマ”2枚使います。(コロコロ)24。(コロコロ)34。

大悟:誰か振り足し系カードあったらちょうだい。

マッコイ:山ほど。

大悟:2枚交換してもらって、“リーダーシップ”使って、「何をやっている! ハチ・メイラ=2、いや、彼女が今から、彼女として確立するための、背中を押すのが今のきみの仕事だ!」と言って、リンちゃんに2枚渡しましょう。

リン:(コロコロ)11、45。(コロコロ)13。

ディ:惜しいな、58か。

大悟:さすがにこれ以上はどうしようもない。

GM:残念。とはいえ、58はとてもすごい数値。達成値に、ボーナスが15つきます。

マッコイ:「人を動かすのは、言葉だけじゃねぇよな?」(“アクション”交換)

大悟:「自分に、自信を持つのだ!」(“貫禄”2枚交換)

ディ:さらに“援助”。合計3×4=12上がると、いくつになる?

リン:えーと、〈説得〉12+15+12で、39。

GM:達成値39。具体的に言えば、戦艦ぐらいの〈説得〉ですね。

大悟:何だその、戦艦ぐらいの〈説得〉ってのは。

マッコイ:要するに、沈んでた戦艦に向かって、「浮けー! お前は浮くんだ! まだ沈むんじゃない!」ゴゴゴゴゴ!(笑)

GM:本来、戦艦の重さを数字で表すと、重量基本値で39、という意味なんですが、これを意図的に無視して、きみの〈説得〉は今、戦艦ぐらいの強さだよ、と。

リン:計り知れない強さだ。

GM:因みに、ハチ・メイラの〈説得〉目標値は12なので、+27。すごい成功を超えた、超すごい成功(笑)。

ディ:“援助”を使ったので、一言付け加えます。「リン。彼女に、名前を、あげてくれ」

GM:そうですね。ハチ・メイラ=2でもなく、モナリザでもない、彼女に今、名前がないのは事実です。では彼女は、あなたに訊きます。「なあ、リン。私はいったい、誰になればいいんだ? いや、私はいったい誰なんだ? きみが、教えてくれないか? 私はこの世界で、偽者と呼ばれたかもしれないし、あくまで誰かのコピーかもしれない。だが、それでも、きみを信じたいという気持ち、これだけは本物だ」

リン:うーん、名前かー。

GM:因みに今、彼女の外見はゆっくりとぶれているので、あなたのつけた名前と、あなたの意志によって、外見変わりますよ、きっと。男の子がいいんだ! って言ったら少年になるし。

ディ:私、弟が欲しかったの!

マッコイ:・・・なんか違わねぇ?(笑)

大悟:でも可能性としてはアリなんで。ネットエンティティは、性別から何から、自由に変えられるんで。

GM:まあ、ホントのお子さんの名前ではないんで、そこは気楽でいいです(笑)。

リン:うーーーーん・・・。

マッコイ:因みに、業界の知識で、最初にできたプログラムは、α版と言う。

ディ:アルファ?

マッコイ:アルファ版。

GM:アルファテスト、ベータテスト、コマーシャルテスト、コマーシャルアウト、の順ですね。

マッコイ:生まれたてのデータ生命体という意味では、アルファという名前はいいかもしれない。

リン:ああ。いいねー。

GM:では、「アルファ」。これでよろしいですか? はい/いいえ(笑)。

リン:「はい」。ピッ!

GM:「アルファ。それが、私・・・。ありがとう。素敵な名前ね」外見はどうします?

リン:別に変化する必要はないと思う。

GM:了解です。では、アルファは、ハチ・メイラと似たような姿の女性として、新たに生まれ落ちます。

大悟:例えば髪の色が変わるとか。

リン:ああ、そんな感じ。2Pカラーに(笑)。

GM/アルファ:「私は、アルファ。ありがとう。私も、これなら、自分の足で歩いていける気がする」

 
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