Eternal Smile > L' aprés-midi long de la Terre
 

 
TORGリプレイ

『地球の長い午後』

 

第三幕


シーン2 Lord in Silence
 

 かつて、ジャン・マルローは、アイルの死霊術師アンガー・ユーソリオンと同盟関係にあった。

 ユーソリオンは、ダークネスデバイスの力を借りて女王ペラ・アーディネイの肉体を乗っ取り、
 500年もの間、王として君臨していた。

 マルローとユーソリオンは、共に地球を侵略することを決め、ブリッジを降ろして地球へ渡った。
 その時、ストームナイトが2人を襲撃した。

 マルローはハチ・メイラ=2にデータチップをぶつけられ、サイバー教皇となった。

 一方、ユーソリオンの魂はアーディネイの肉体から追い出された。
 彼はヴァイキングの族長の肉体へ憑依し、闇の軍を束ねてアーディネイに宣戦布告した。
 しかしその後、ヴァイキングの中からも叩き出され、現在は行方が判らなくなっている。
 

ディ:以前、オレが会ったのは、ヴァイキングの姿のユーソリオンだった。

大悟:俺は、キャレドン(*18)の身体を乗っ取ったという話を聞いたことがあるが。

マッコイ:色んな情報がいっぺんに出て、どれが正しいやら判らん。

GM/デス・ホーク:「風の噂では、奴はゴーントマンの寵愛を失い、ゴーントマンによって処刑されたとも聞く。だが、現在、ジャン・マルローに手を貸していると考えられるのは、ダークネスデバイスか、アンガー・ユーソリオンか、その両方か、ぐらいしか考え付かない」

大悟:ふむ。強力な死霊術師か。確かに、死霊魔術だったら、ネットエンティティを魂として解釈すれば、ディやマッコイのコピーを作るのも、そんなに難しい行動じゃないわな。

一同:・・・・・。

GM/デス・ホーク:「そういうことだ。だが、ユーソリオンが出てこない以上、奴には、表立って動くことができない理由があるのだろう」

大悟:例えば、何かに囚われていて、指示は出せるけれども、身動きが取れないとか。

GM:「あるいは、ユーソリオンは既にいなくて、ユーソリオンのコピーだけがいるのかもしれない」ここで皆様、〈手掛かり分析〉を行ってください。目標値は12です。勿論、高ければ高いほどいい。

マッコイ:(コロコロ)1ぃ?!

リン:(コロコロ)1ー。

ディ:2人1振ったのか。ポシビリティを使います。(コロコロ)“ドラマ”も使います。(コロコロ)42だから、+12。

大悟:「その顔は、きっと、何かいい思い付きがあるに違いない!」というわけで、“ひらめき”。

ディ:(カードを交換し)ありがとうございます。達成値24です。

GM:すごい成功までいきましたね。では、いくつか解ることがあります。まず1つ目、ユーソリオンですが、デス・ホークの仮説が確かならば、彼のコピーだけがネット上にいて、しかも彼は〈顕現〉技能を持っていないので、このラウンドになるまでは、そもそもネットから出てこれなかったという可能性があります。逆に、ジャン・マルローが姿を見せないことに関しては、今までのサイバー教会の行動全体が、陽動、あるいは何かの準備である、という可能性が考えられます。勿論彼は臆病な性格だと言われてはいますけど、単に引っ込んでるだけならば、ここまで大掛かりな行動をする必要はありません。

ディ:・・・・・。

GM:2つ目。ダークネスデバイスには、一度固定したら、移動不可能なものがあります。エベンスローはその最たる例で、本来、エベンスローは、フランスに固定されていて、外すことはできません。何故かというと、ゴッドネットの心臓部として、サーバーのような役割を果たしているので、これを外しちゃうと、ゴッドネット止まっちゃうんですよ。

大悟:つまり、‘天空’にくっついてるあのエベンスローは、偽物、もしくは、エベンスローの能力を持たせた、超高速コンピュータ。

GM:それに関連して、アイル人であるあなたは、魔術の「感染の法則」を思い出します。同じ姿のものは、同じ効果を得る。例えば、わら人形ってあるじゃないですか。

リン:はい。

GM:「これはマッコイだ!」と言って、マッコイの毛を引っこ抜いて入れて、こーんと釘で打つと、マッコイが「痛っ!」となる。同じように、黒い十字架を用意して、「これはエベンスローだ!」と言って魔法をかけると、エベンスローの力が十字架に宿るし、十字架のダメージがエベンスローに入る。つまり、エイリアスを作っている、という扱いです。恐らくこの現象を起こせるのは、マルローじゃなくて、ユーソリオンです。

マッコイ:うーむ。

GM:3つ目、ではジャン・マルローは、ユーソリオンとコンビを組んで、何をしようとしているの? という点。現在、全世界が一時的に、ゴッドネットと二重構造になっています。マルローはその持続時間内に、地球の最深部まで辿り着いて、そこと融合しようとしているのではないか、と感じます。

ディ:地球と、融合・・・。

大悟:そうか。そうすることによって、地球の大量のポシビリティが手に入る。

マッコイ:つまり、スティリーを植えて、中の生物からポシビリティを奪って、っていう手段を全部無視して、自分自身が地球の内側に入ることで、ポシビリティを得よう、と。

GM:なおかつ、テックサージのためのポシビリティも、地球から、直接吸い取ってしまえば、持続可能です。

マッコイ:しかし、それを成し遂げるには、大前提として、ユーソリオンが、TORGになることを、諦めなければいけない。

GM:それは簡単です。ユーソリオンは現在、ダークネスデバイスを失っています。

マッコイ:つまり、ナンバー2として収まることを納得した、と。

ディ:マルローから、返り咲かせてやると説得させれば、応じるかもしれない。

マッコイ:可能性はあるな。

リン:地球の最深部には、何があるんですか?

GM:あまり知られていないことですが、この地球には、もうひとつ、ネクサスという、コアアースとは別のリアリティがあります。要は地球の奥底に、ポシビリティの塊があって、まだ形にはなっていないんですよ。例えて言うと、地球という生き物の中に、1個の卵子があります。それはまだ、細胞未分化の状態で、エネルギーだけを持っています。そこに、自分が入って、自分の染色体で染めていけば、やがて新しい自分となって、生まれ直す。

マッコイ:今まではエネルギーを吸い出すことを考えていたけれども。

GM:自分自身がそれになればいいじゃないか、と。当然リスクはあります。ネクサスに入り込むには、肉体があると邪魔です。そのため、ジャン・マルローは現在、霊体になっているか、データになっているか、どちらかの状態で、ゆっくりゆっくり潜行している、と思われます。因みに、データ化した人間ならば、彼が、ゴールに着くまでは、常に、追いつくことは可能です。

ディ:・・・・・。さーて。オレはそれをどうやってみんなに説明するかな。

GM:そうですね。地球は、神様を産むための卵みたいなもので、その卵の中に、自分という精子を入れ込もうとか、そういう感じですかね。

ディ:「マルローは、世界を創った神と、ひとつになろうとしている」

マッコイ:あ、それだ。

GM:確かにそれ以外、言い方はないわな。

大悟:「では、それを邪魔しに行くのが、我々の使命であろう」

 
NEXT → 真実を知った少女は、リンに問う。私は誰なのかと……
 


PREVIOUS

back to Eternal Smile


"Eternal Smile" Since 2002.02.02
Copyright (C) 2002-2020 Charmy. All Rights Reserved.

E-mail:charmy_s@mac.com