第一幕

 
シーン１　猫と猟犬（承前）
（ラウンド進行＝チェイスシーン  1/2/3/4/5/6/7/8）
 

 
４ラウンド目
 

ＧＭ：悪役先攻、萎縮。

ティル：いきなり飛んできた奴に対してビックリした。

海優：そりゃビックリするわな。

ＧＭ：〈間合い〉と〈威圧〉がそちらの推奨行動です。参考までにエリオットはそのまま空中から海へダイビーング（笑）。〈水泳〉技能があれば、落ちた時のダメージは防がれます。

エリオット：（笑顔で）何のことですか？

ＧＭ：まぁ、とりあえず彼女の背中の辺りをすり抜けるぐらいのタイミングなので、先に何かしていいですよ。このラウンド彼女は、チャリに対して〈挑発〉をしつつ、海へダイビングする予定なので。

エリオット：では〈トリック〉をかけます。避けられた瞬間に、何かを抱えるようにして、「返してもらいましたよ！」（コロコロ）ポシビリティ使います。

ＧＭ：それは消します。

エリオット：１５です。

ＧＭ：１５だと成功。彼女は懐を確認して、何事もないことを確認してほっと一息ついた。あなたはそのまま海へ。

エリオット：「ちっ、バレた！？」バシャーン。

ＧＭ：えぇと落下ダメージ、ダメージ基本値を９として、ボーナスは自分で振って。

エリオット：（コロコロ）振り足し。

シュア：（吹き出す）

ＧＭ：転倒Ｋ４。というか、水の中でバランスを崩してもがもが、って感じだね。

エリオット：もがもが・・・鼻に水がぁ！

ＧＭ：ま、一瞬の動揺を誘ったので、次の〈挑発〉は効きづらくなるでしょう。というわけで。

シュア：何を言ってくるのかにゃ？

ＧＭ：言葉としては何もないかな。どちらかというと動きによる〈挑発〉なので。チャリの前に出るような素振りを見せて、そのままエリオットと同じ方向にワンステップ。あなたはバランスを崩して、下手すると墜落。（コロコロ）なかったことにしてください。でも彼女は飛び込みました。悪役側終了。

シグマ：船を捜します。ここはもう、水際？

ＧＭ：水際です。じゃ、海の方を見るのかな？

シグマ：はい。〈発見〉で１１。

ＧＭ：では状況が判ります。水辺ですが、いわゆる船着き場のような物はもっと先ですね。ただ、水柱がひとつ上がったのと、その横辺りに、一隻の船が泊まっていて、ドレスを着た女性が甲板に立っています。

シグマ：おろ？

海優：せやったら、女性に春陽海向けて、余裕かましてみる。ということで〈威圧〉を。（コロコロ）うーん、“ドラマ”使うって言うとどうなりますか？

ＧＭ：“ドラマ”使う、は消したいね。

海優：ここはポシ。（コロコロ）達成値１８。

ＧＭ：多少動揺しているが、その銃ではここまで届かないという安堵感があるようで、貴女に対して不敵な笑みを無理に作ってみせる。〈威圧〉は成功です。

海優：ということで。（シュアにアイコンタクト）

シュア：じゃあ、海優姐さんを見て、ニヤッと笑って、加速！〈地上車操縦〉使って、船の上に飛び乗る。（コロコロ）よし、悪くなし。ポシも使っちゃお。

ＧＭ：どうぞ。

シュア：（コロコロ）ドヒューンと、２１。

ＧＭ：船と言ってもですね、小型のクルーザーですから、いわゆる甲板のようなエリアは非常に狭いのですが、あろうことかチャリで見事に着地して、さらなる精神ダメージを与えた（笑）。ガガーンって感じ。

シュア：「だから言ったろ？　捕まえに来たって」

 
５ラウンド目
 

ＧＭ：じゃ次のラウンド。悪役側疾風。

シグマ：ここで疾風か・・・。

ＧＭ：彼女は、おもむろに口笛を鳴らし、そのまま船室の方へ駆け込んで行きました。そうすると入れ替わりで、スーツ姿、目出し帽、サングラスのマッチョな男が３人出てきて、シュアに殴りかかってきます。（コロコロ）弱っ。１２。

シュア：〈地上車操縦〉で避けていいですか？　あの、香港ヒーローっぽく。

ＧＭ：積極防御するならいいけど。

シュア：積極防御しますよ勿論！（コロコロ）１４でオッケー。

ＧＭ：はい、悪役側終了ー。ヒーロー側どうぞ。推奨行動は〈防御〉と〈トリック〉。

エリオット：ＧＭ、泳いで船に向かいます。（コロコロ・・・１）ぶくぶくぶく・・・。

ＧＭ：あー、ホントにばしゃばしゃ溺れてます。演技ではなさそうです（笑）。

シュア：オイシい。オイシいドジッ子キャラだ。

シグマ：相変わらず走るしかないんだよな。（コロコロ）１６。

ＧＭ：海まで残り５０ｍ。

ティル：５と言ってちんたら走ります。出目腐ってるな。

シュア：腐ってるのはお前の性根だー。

ティル：クシュン。走りながら、「何か言われてるな」（笑）

 
６ラウンド目
 

ＧＭ：ヒーロー先攻、悪役疲労、推奨行動任意。

一同：おおー。

エリオット：とりあえず、水中でコミックパワー【チェンジ】と【グロウス】、【フライト】を使用して接近します。ボートの下に黒い巨大な影がゆらぁーり。（ジョーズのテーマを口ずさむ）

シグマ：急にそんなモンが水中から出てきたらとんでもない津波が起きる気がするんだが。

ＧＭ：（変身・巨大化して水中移動？）ま、まあいいや。

海優：ウチ走るー。（コロコロ）お、１０。（コロコロ）えーと、達成値２１。

ＧＭ：２１だと２ショック食らえば２５０ｍ、１００ｍくらいオーバーしますけれども。

海優：そのまま船へジャンプってのはさすがに無理かな。

ＧＭ：そうするともうワンアクション欲しいな。できれば“緊急行動”辺りを使っていただくと。距離的には充分。

海優：ないンだよな。誰か持ってる？（一同首を振る）

ＧＭ：珍しいね、“緊急行動”が１枚もないって。

シュア：とりあえずマッチョ３人の壁を突破したいなぁ。・・・やってみるか。香港映画っぽく、チャリでガーン！

ＧＭ：では攻撃は〈地上車操縦〉で、複数回行動のペナルティをつけて行ってください。ダメージ基本値は、《筋力》＋４。

シュア：（コロコロ）１８。ポシ使います。威力を上げよう。（コロコロ）達成値２１、ダメージは２０点！

シグマ：レルムランナーにこんな白兵戦技能があったとは。

ティル：「あの自転車は化け物か！」（笑）

ＧＭ：えー、ガガガンと薙ぎ払われて、かなりフラフラ状態ではありますが、立っています。疲労で相当やばそうです。悪役側、１人は、あなたが支点としてターンしたチャリのタイヤを蹴っ飛ばす〈間合い〉。残りの２人はあなたに殴りかかります。（コロコロ）頑張った。１７。

シュア：１７か。さすがに厳しいにゃー・・・。

シグマ：「今行くぞ、もう少し頑張れ」（“アクション”を渡す）

シュア：サンキュー！（“援助”と交換）

ＧＭ：これで完全回避かな？　じゃあ、〈間合い〉は効かなかった。次はパーンチ。（コロコロ）１４。

シュア：食らっときますよ。カモンカモン。

ＧＭ：ダメージ１６です。

シュア：ケブラー着てるんで、１ショックだけ。

ＧＭ：そして、船のエンジンがかかりました。ブルルン。

三太夫：がびーん。

 
７ラウンド目
 

シュア：“イニシアティブ掌握”ぅー。

シグマ：“計画”で回収ー。

ＧＭ：掌握を回収ね。はい。ではヒーロー先攻、悪役疲労、推奨行動任意。

シグマ：ここでもういっちょ疲労来たらかなり痛いだろ。

エリオット：というわけで、ジョーズよろしく、スクリューにパンチ。（コロコロ）〈格闘〉で１５。

ＧＭ：１５だと当たらないんだな。

海優：っていうか、ウチらにパンチ見えるんやないか？

シュア：水中からグーが！

三太夫：バシャーン（効果音）。

ＧＭ：お次どうぞ。船の近くに来てるのは海優だけです。

海優：距離はどのぐらいですか？　飛び移れる？

ＧＭ：２０ｍないぐらいです。ただ、２０ｍ飛ぶのは大変だとだけ言っておく。

海優：なら、マッチョの一人に〈銃器戦闘〉。

ＧＭ：距離２０ｍだと、−３ペナ。

海優：（コロコロ）２０、振り足し！（コロコロ）−３ペナつけて達成値２２です。ダメージは２６。

ＧＭ：２６、沈むって。一人が撃たれて、水の中へと落ちる。

シュア：「海優姐さんさすがー！」

海優：「おら、ボケッとすんな！」

シュア：「ありがとー！」

シグマ：走るしかないんだな。残り５０だから。

ＧＭ：走る他に何かできるよ。

シグマ：例えば、港湾周波数の無線適当に取り上げて、これに応える船はいないかーと呼びかけるというのは一体どういうスキルの判定になるのでしょうか？

ＧＭ：えーっとね、そういう通信関係の技能がないんで、〈科学〉か、おもむろに《知覚》かどっちか。

シグマ：（コロコロ）１０。振り足し。（コロコロ）《知覚》で１７。「船に乗っている奴で、誰かこれを聞いている奴はいないかー？」

ＧＭ：一機だけ反応した。沖合いに泊まっている漁船らしい。はい、次は？

シュア：引き続き蹴倒す方向で。（コロコロ）悪くなしー。とりあえず１２。

ＧＭ：対象は２人？　じゃあ当たらない。悪役側でいいかな。二人掛かりであなたを船外へ追い出す。（コロコロ）４。

シュア：だいじょぶだいじょぶ。気持ちは伝わった（笑）。

 
８ラウンド目
 

ＧＭ：悪役側先攻、ヒーロー側疲労。２ショックないしは鎧によっては３ショック以上食らってください。

海優：ヤバいなぁ、あと２点で気絶や。

ティル：何点で気絶なんですか？

三太夫：《耐久力》と一緒。

ティル：あと３点。何もしてない割にはショック食らってるな。ふぅ（笑）。

ＧＭ：悪役側、えー、船が動き出しました。ちんたらちんたらと前へ進み始めます。２人はやはりシュアを追い出しにかかる。ここは〈間合い〉だな。（コロコロ）頑張った、はい、以上（笑）。ヒーロー側どうぞ。船は今、岸から１００ｍくらいです。

エリオット：【フライト】で飛んで〈間合い〉をかけます。水面が波立って、ガバッと、６ｍほどの人型の物体が現れ。

海優：「何やアレはぁー！？」

エリオット：水面を、だんだんだんっと水を切りながら走ります。船の周囲をぐるっと回って、進行方向を妨害するつもりで。

シグマ：「巨大なロボットが水から浮かび上がって水の上走って来やがった・・・」

ティル：「何だアレは。魔法？」

シュア：「あいつめ、これが隠し球か！」（笑）

エリオット：（コロコロ）＋６で、１７。

ＧＭ：じゃ、とりあえず多少進行方向を妨害したようだ。

海優：立ってるモンは親でも使え、や。船の上のマッチョ１人に〈威圧〉。「船止めへんと痛い目遭うでー？」（コロコロ）２０。技能あるよー。（コロコロ）達成値１８。

ＧＭ：止めないとまずい気になってきた。ピーンチ。

シュア：だろ？　だろ？

ＧＭ：おろおろ。キャビンの方と、シュアの方をこう右左、右左と視線を送りながら、どうしたらいいんだろう、どうしたらいいんだろう、と。さすがマッチョ。自分では判断が付かない。推奨行動〈威圧〉ですね。

海優：（カードを受け取り）ありがとうございます。

シグマ：えーと、無線は通じてるんですよね。ここはもう、追いかけてもらった方がいいか。

ＧＭ：これこれこういう船がいたら、捕まえておいてくれ、そう頼むということかな。〈説得〉でどうぞ。

シグマ：（コロコロ）１９。

一同：おお！

シグマ：２３と言って、「あなたが伝説の誰かを捕まえるかもしれないんだ！」

ＧＭ／船乗り：「よーし、任せとけ！」

三太夫：じゃあ、ダッシュ。（コロコロ）あ、珍しい。達成値１３。

ＧＭ：１５０ｍ走って到着。１ショック食らっとけ。

三太夫：ここで「あとは任せたぞー」と声を掛けて“リーダーシップ”。“貫禄”と“援助”をシュアに渡して、“リーダーシップ”で４枚ひく。

ＧＭ：はいどうぞ。

三太夫：そして“個人的利害”って何よ？

シグマ：全然来ねぇぞこっちにはよぉ（笑）。
 

三太夫が冒頭に引いた“ロマンス”、エリオットの“仇敵”、そしてこの“個人的利害”は、いずれもサイドストーリーカードと呼ばれる特別なカードである。これを場に出しておき、ＧＭとプレイヤーの双方が合意すれば、本編に彩りを添える外伝的ストーリーを引き起こすことができるのだ。
 

シュア：ＧＭ、目の前のマッチョは、１人が迷ってて・・・？

ＧＭ：１人が迷っておろおろしていて、もう１人はあなたを叩き落とそうとしています。

シュア：よし、連続行動！　迷ってない方を落として、迷ってる方に、命令を下す。

ＧＭ：命令を下す、は〈トリック〉かな？　

シュア：〈威圧〉の流れを受けて、「この船を止めろ」っていう〈説得〉。

ＧＭ：なるほどね。じゃあ、とりあえず〈攻撃〉と〈説得〉。

シュア：はい。行きまーす。（コロコロ）ポシ使います。（コロコロ）“ドラマ”使います。（コロコロ）まず〈地上車操縦〉で、２３。ダメージは２５。

ＧＭ：じゃあ、吹き飛ばされて海に落ちた。

シュア：で、「この船を止めろ！」っていう〈説得〉は・・・“貫禄”２枚使って２４。

ＧＭ：２４。そのマッチョは、あなたの言葉に、水を得た魚のようにキャビンの方へ入っていって、エンジンが止まりました。

シュア：よぉっし！（ガッツポーズ）
 

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