TORGリプレイ

『かえるひまで』

 
 

第一幕

 
シーン2 すべては霧の中
 

クルーザーが港に引き返してくる。ストームナイトは早速それへ乗り込み、
変身を解いて海に浮かんでいるエリオットへ浮き輪を投げて救出すると、
警戒しながら中をしらみつぶしに調べていく。
 

GM:船内には船室が2つと操舵室があります。操舵室の方にはさっきの黒服マッチョが1人。他に行けそうな場所はないのですが、女性は何処にもいません。

シグマ:あれ?

GM:そして、船尾の一室で、盗まれたと思しきアクセサリーと、書置きが見つかりました。

エリオット:じゃあ、その書置きを手に取って読みましょう。

GM:普通の便箋に走り書きで、今回は勘弁してあげようと。名前は怪盗ミスティ・ゴールドリング。

シグマ:ミスティ・ゴールドリング・・・。

エリオット:「おのれ、怪盗ミスティ・ゴールドリングめ!」怒ります。

シュア:ミスティさんが一体何処から脱出したのかというのを探ってみたいところですね。

GM:ではみんな〈発見〉。

シグマ:16。

三太夫:18。

GM:抜け出せそうな隙間は何処にも見つからない。隠し部屋とか隠し出口のようなものもないです。

エリオット:「いや、別に、【テレポーテーション】を使えば、出られますから」(しれっと)

シグマ:なーんだそういうことかー。

ティル:それだったら何でわざわざ走って逃げたんだろう。

シュア:とりあえず、マッチョに訊いてみますか。

海優:せやな。マッチョの鼻っ柱をぱぁん! と叩いて。

GM/マッチョ:「な、何しやがんだこの野郎」

海優:「あ、堪忍な、力の加減判んなかったんや。知ってるコトきりきり吐いてもらおう思うてな」

GM:じゃあ尋問してぇな。〈威嚇〉で。

海優:(コロコロ)ゴメン、出目悪い。

シグマ:〈挑発〉。「お前さん、ここで黙ってたっていずれは判るぜ。ほら、あそこに1人浮いてるだろ。あれまだ生きてっからさ。後で向こうに訊いてもいいんだけど。別にお前じゃなくてもいいんだよ。どうしようかな」

GM:なるほど。どうぞ。

シグマ:(コロコロ)20。

シュア:うおー(感嘆)。

シグマ:達成値23。

GM:頭に血が上って、べらべらと喋り捲ります。彼はミスティ・ゴールドリングと呼ばれる怪盗の、いわゆる取り巻き。というか部下A。

ティル:四天王の1人か(笑)。

GM:ミスティ・ゴールドリングとはですね、昔からエジプトに住んでいた、いわゆる泥棒を生業としている人物です。ナイルが侵略してからは、ナイルの総督に取り入って、外の世界での情報収集とか、物品奪取の任を帯びる代わりに、色々便宜を与えられているというんですが。

シグマ:「そうか、ナイルの人物だったのか。だからあのロボットが護衛についてたのか!」

一同(エリオット以外):そうか、そういうことか。

シュア:「あの怪ロボットに乗って逃げたのかも?」

GM:マッチョはあんなロボット見たことがないと言いますが。

シグマ:「それは切り札だからあいつがお前に教えてなかっただけだ」

エリオット:あれ、何か変だぞ? って顔をしながら、「・・・ま、いっか」(笑)。ミスティ・ゴールドリングの上司の名前とか知ってるか訊いてみる。

GM:えーと、恐らく、謎の中国人。何度か無線で話をしてるのを聞いたことがあるらしいんですけど。

海優:判りやすー。アルとかアルとかアルとか言ってる人やな。

エリオット:「おのれ、ウー・ハン総督! こんなところまで!」

GM:彼いわく、アイルから「ある物」を掻っ攫ってこいというウー・ハンの命令を受けて、ミスティと部下3人の、合わせて4人がやって来たらしい。

シュア:「ある物、とは?」

海優:そういえば、ミスティはんが残してったアクセサリー、まだ物色してなかったな。

GM:机の上に置きっぱなしですね。

シグマ:回収しておこう。えーと、これ本物?〈手掛かり分析〉達成値15。

GM:本物らしいです。特に加工されてたりとかいう様子もないですね。

ティル:「これ、いくらぐらいで売れるかなー」(笑)

エリオット:「ダメですよ! 返さなきゃ」

ティル:「あぁ、ゴメンゴメン、いくらぐらいの値段だったと言おうと思ったんだ」

エリオット:今まで盗んだ物をがーっと挙げさせる。どんな物があるか。

GM:あなた方が、トルウィンから受けている報告以外にも何点かあるみたい。

エリオット:じゃあそれを確認した上で、その盗まれた物品に何か共通点があるか無いか。

GM:盗まれた物は大別して二種類。一つは、装飾品或いは美術品・工芸品の類で、どちらかというと金銭的価値のある物。それが7割で、残り3割は、よく判らない物、というジャンルで括られます。

三太夫:例えば例を挙げると?

GM:大きな歯車とか、金庫そのもの(中身はその場に置いてあった)とか。

シグマ:まさしく謎だな。手段は選んでます? 例えば殺しはしないとか。

GM:殺しは、というより、荒事はそもそもしないです。不可抗力以外は。

海優:そやな。荒事起こして、手掛かりで御用になったら、洒落にならへんしな。

シュア:その辺の仁義はわきまえてるんですね。

ティル:いやいや、そんな力技を使わなきゃいけない計画なんて、間違ってるということさ。

シュア:プロが言うと違うねー(笑)。

GM:さてと、どうします? 騒ぎを聞きつけた警官たちが集まってきますけど。

エリオット:荷物は奪い返したんですし、一旦帰りましょう。

三太夫:こいつらを警察に引き渡します。

シュア:その前にマッチョへ、ミスティは姿を消してるけれども、例えばアジトなり何なり、行きそうな場所はないのか訊いてみる。

GM:彼女はロンドン市内の一箇所に貸家を借りて、そこを拠点に活動していたそうです。ただ、今回の件で最後だったので、このままナイルへ引き上げるつもりだった。

ティル:だから逃走手段に船を準備してたんだ。多分。

三太夫:なら、彼を引き渡して背景を報告して、その後何らかの手を打つのは、それはトルウィンの仕事でしょう。うちらがやる話ではないと思うぞ。

シュア:確かに三太夫のオッサンの言う通りだわ。

GM:では、報告しに戻る、ということでよろしいか?

海優:全員で出向く必要あるかな? ウチ、アジトってのが気になるんや。

シグマ:よし、俺らはアジト行ってみるわ。

シュア:オッケー。じゃあ、俺と三太夫さんは報告の方に。
 

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