TORGリプレイ
第一幕 GM:では場面を変えて、こちらはかつてアジトだった場所です。普通のロンドンの住宅街の一角。灯りがついている様子もありません。 シグマ:周辺に聞き込み。どんな人が住んでいましたか。 GM:ひとりの若い女性と、何人かのボディガードみたいな男が住んでいたそうです。 シグマ:間違いなさそうだ。 海優:ティルつっついて、「お前はんの出番や」 ティル:開けてみますよ。 GM:おもむろに正面入口のノブをひねると、開きました。 ティル:あれ、鍵かかってないのか。無用心だな。 シグマ:「お邪魔しまーす」と言って入っていこう。 GM:そこは玄関ホールで、正面と左手に扉があるんですが、正面の扉が開いています。 海優:開いてる方から調べよう。でも入口で止まる。開いてないドアから人が出てきて、挟み撃ちとかなったらイヤやから。 エリオット:じゃ、不用意に覗きます(笑)。 GM:部屋の中に人が立っている。 エリオット:「この家の方ですか?」 GM:それを聞いて振り返りますが、白髪の老人です。服装で言うと、アイルの魔法使いのようだ。 エリオット:あー、なんか、魔法使いみたいな人がいるー(棒読み)。「失礼ですが、ここは貴方のお宅ですか?」 GM:それについては首を横に振るね。深くNOという感じに。 シグマ:「失われたものをお捜しかな?」 GM:「・・・何かご存知かな?」かなりこごまった声であなた方に問います。 エリオット:自分の名前と目的ぐらいは言っておきますか。 GM:「すまぬ、ワシはお主らに名乗る名を持ち合わせておらぬよ」 シグマ:「では何と呼べばいい?」 GM:「爺と呼んでくれ」 シグマ:「爺さん、何処から来た?」 GM:「北方より」 シグマ:北・・・闇の領域ね。「で、ここに来たということは、それなりの情報を持っていたか、さもなくば失われた物に追跡の魔法でも掛けていたのかな?」 GM/爺:「察しが良いな。その通りじゃ。だが、あいにくとワシの感知の範囲から逃れてしまった」 シグマ:「逃れた? つまり、もうアイルにはない、と?」 GM/爺:「うむ。ここから南へ逃げた痕跡はあるのじゃが、そこまでで途切れてしまった。これでは追跡ができぬな」 海優:「一体、爺さんが追っかけてた物が何だったのか、教えてくれへんか?」 GM:それについては口黙りますね。 海優:「これは取り引きや」と言ってみましょう。そこまでで言葉を切って、顔を下から覗き込んでニコッと笑いながら。 GM:えーと、確かに白髪の白ヒゲをたたえた老人なんですが・・・〈発見〉か〈説得〉で。これは相手を人物観察するイメージ。 シグマ:全員? GM:顔を覗き込んだというアクションをしている彼女だけです。 海優:(コロコロ)8かー・・・“警戒”。 一同:おお。 GM:では、人間のように見えるんですが、人間ではない気がします。これは本当に本能的な勘です。尋常じゃない存在。 海優:! もしかして・・・。 シグマ:何となく判ってきた。「爺さん、アイルからそれが消えてしまったということは、爺さんにとって最悪のことになった、と考えていいのかな?」 GM/爺:「うむ、ワシらにとっては最悪じゃ」 シグマ:「一応何処に行くか見当はついているが」 GM/爺:「うーむ、生憎とワシは、この地を離れるわけにはいかぬのだ。しかし、お主らが追ってくれると言うのであれば、協力せんでもない」 シグマ:「では助力してもらおう」 GM:懐から、石板のような物を取り出します。ほの赤く、輝いているように見える石。「これを持っていくがよい。これはワシらが捜しているものの道標になってくれる」 シグマ:「先に断っておくが、こちらとしては、何故そういう状況になっているか調べるのが先行。それを実際に取り返すかどうかは、相手の目的による。すなわち、何処にそれがあるかが判るだけかもしれない。それでもいいか?」 GM/爺:「場所さえ判れば、他に手はあるじゃろう」 シグマ:「よし、取引成立。こっちから爺さんに連絡取る時はどうすればいいのかな?」 GM:「それについてはこれを使え」と言って、ねじくれた石筍を、差し出します。「それに話し掛けてくれ。ワシの名を呼べば、爺と呼んでくれれば、念を飛ばすことができる」 シグマ:「了解。距離はどれぐらい届く?」 GM/爺:「お主らの言う地球という世界であれば、何処でも問題なく送れる」 シグマ:「『地球という世界』ね、なるほど(意味深な笑み)」 エリオット:あー、アイルの人なんだなー、という風に感じます。そこで僕は思考停止。 GM:「お主らが知っているかどうかは知らぬが」と言って、捜しているのは、楕円状の長さ1mぐらいの石のような物、と説明してくれます。 一同:やっぱりー。 GM/爺:「ワシらにとって、時期が、差し迫っているので、できることなら早めに、居場所を突き止めてくれ」 海優:「よぉく判った、爺さん。『居場所』やな」って、そこだけちょっと強調して言ってみましょう。 GM:別に悪びれる様子もなく、「うむ、居場所じゃ」と。 シグマ:(石板を手に)これで、何を捜すにしろ、連中の動きが多少は追えそうだ。 GM/爺:「ところで、人間というのは、こういう仕事には報酬という物を必要とするのだったな」 海優:きらーん。「爺さん、話が分かるなぁー!」いきなり手なんか握っちゃいます。 エリオット:「いやー、別に任務ですから・・・モゴモゴッ」(笑) GM:彼は、何かの足しになるだろうと、懐から宝石の原石を幾つか取り出します。 シグマ:「妥当な報酬だ」と言って戴いておきます。 海優:「いや・・・これでもえぇんやけどな、もうちっと、すぐ使える物の方が有り難いんやけどなぁー」 GM:具体的には何? 海優:コレや、コレ(親指と人差し指で丸を作る)。 GM/爺:「生憎とワシは、人間どもが使う金という物を持ち合わせてはおらんのだ。だがこれと引き替えに、金が手に入るのではないのか?」 シグマ:ま、トルウィン・タンクレッドに取り引き持ち掛ければ換金してくれるよ。原石だったら魔術の触媒になる筈だし。 海優:「シグマはんがそう仰るんやったら。しゃーないな、これで手ぇ打ったるわ」 ティル:「あ、要らないなら僕が貰いますよ」 海優:「いや、要る要る!」(笑) シグマ:で、さっき南に逃げて行ったって聞いたけど、それはどれぐらい前に途切れたのかな。 GM/爺:「ほんのわずかな時間だ」 シグマ:まずはそこまで行ってみるか。一応最後に家ん中調査しときましょう。何か遺留品がないかとか。 GM:じゃあ、〈発見〉で。 エリオット:手伝いますよ。 シグマ:(コロコロ)16。 ティル:任せましたよー。僕のダイス目はとっくの昔に終わってしまっている(笑)。 GM:特に痕跡もなく綺麗に片づけられてます。何て言うか、人が住んでた形跡がないぐらいですね。 ティル:プロの手口だ。 GM:プロであるティルの目から見ても相当な手練れと思われます。 NEXT →
再び合流した一行の目前で、石は、とある方角に反応する…… "Eternal Smile" Since 2002.02.02 E-mail:charmy_s@mac.com |