TORGリプレイ

『かえるひまで』

 
 

第二幕

 

シーン2 Maid in Nile(正面パート)
 

三太夫:堂々と歩いて玄関までつかつかつか。ノッカーをゴンゴンゴン。

エリオット:「失礼します、開けてくださーい」

GM:しばらくすると、ドアは開かずに「どちら様ですか」という女性の声が聞こえる。

三太夫:「すいません、ちょっと道に迷ったんですが・・・」

エリオット:(遮って)「人を捜しに来たんですけど、ここに怪盗ミスティ・ゴールドリングはいますか?」

一同:おいー!

エリオット:「僕たちはストームナイトです! 失礼ですが、ここが、世界各地を荒らしまわっている怪盗ミスティ・ゴールドリングの本拠地の一つだという情報を得ました。調査したいのですがよろしいでしょうか?」

シグマ:(ガックリ)

GM:「お待ちください」と言って、しばらくするとドアが開いて、灯りを携えたメイドさんが出てきました。あなた方の顔を見比べて、ニコニコしながら、「よく解りませんけれど、どうぞお入りください」

エリオット:「お邪魔します!」

(→一方その頃、3人は

 

応接間に通された2人は、メイドさんが淹れてくれた紅茶で一息ついてから、
本題を切り出す。
 

エリオット:「この館にお住まいなのは・・・」

GM/メイド:「ご存知の通り、ミスティ・ゴールドリングです」

シュア:はぁっ!

海優:潔い。

GM:「けれどこちらには何もありませんよ」と、小林さんに向かって微笑みます。

三太夫:「なるほど。でも一応調べさせていただきますよ」
 

部屋を捜索し始める2人。
しかし出目が振るわず、手掛かりを見つけることができない。
 

エリオット:イマイチですね。「この家には、秘密の隠し扉とか秘密の隠し部屋とかありませんか?」

一同:(苦笑)

GM:そう訊かれるとですね、メイドさんはちらっとあなたの方を見て、暖炉の脇へ行って、暖炉に飾ってある鹿の首をひねると、ガガガガガと音がして、隠し扉が開きます(笑)。

エリオット:さ、さすがナイル純正エリア!

シュア:純正エリアの善人だよ善人!

エリオット:「じゃ、ちょっと僕が見てきますよ」と言って、どこからかライトを取り出して。

(→一方その頃、3人は

 

GM:さぁ、単身降りていくとそこには!

エリオット:(わくわく)

GM:何もないことに気づきます。あるのは荷解きされた、釘で打ちつけるタイプの木箱だけ。

エリオット:うわーん。

GM:曲がった釘がそこら辺に散らばってて釘抜きが置かれていて、緩衝材のような物がバーッと広がっていて、という状態。

エリオット:数は幾つですか?

GM:たくさんです。

エリオット:荷札とかチェックして、荷解きされたのがつい最近か、結構前か調べます。

GM:鑑札章のような物はついていません。単純に、いつ開けられたのかが知りたいのであれば〈手掛かり分析〉。

エリオット:分析します。(コロコロ)うーん、“ドラマ”使用。達成値19です。

GM:2週間前ぐらいに一気に開けられた、という気がします。

エリオット:2週間前というと、ミスティ・ゴールドリングは、アイルにいますよね。

GM:うん、任務遂行中でした。

エリオット:了解しました。襲われる様子もないので上がります。

GM:はい。・・・襲われるのを期待していたんか。

エリオット:(自信たっぷりに)はいっ!

GM:では上に戻ってきました。話はまだ続いているようです。

三太夫:あなたの主人は悪い人なんですよ、数々の泥棒行為を働いて、という話を延々と。

GM:メイドさんは「そうですか」「そうですね」といった感じで、相槌を打つけれど、別段困ったり驚いたり悪びれたりする様子はないですね。

エリオット:「あなたから見て、ご主人のミスティ・ゴールドリングさんは、どんな方ですか?」

GM/メイド:「女性の私から見てもお美しい方ですね」

三太夫:そういうんじゃなくて。

GM:彼女によると、非常に用意周到で、仕事を受けるにしても、何かあった時に、相手を引きずり落とせるだけの証拠なりネタなりをきちんと掴んでから動くタイプのようです。

エリオット:「地下にあった荷物は、何ですか?」

GM/メイド:「2週間ほど前に、届いたものです」

エリオット:「中身は何でしたか?」

GM/メイド:「詳しくは知りませんけれども、軍の方が持って行かれましたわ」

三太夫:(驚いて)「軍の方ぁ?」

エリオット:ウー・ハンって軍人だっけ。

GM:厳密には軍人ではない。けれど軍を操ることのできる人間。

エリオット:「その荷物と軍とどのような関係があるんでしょうか?」

GM/メイド:「軍から仕事を受けているという話を聞いたことがあります」

三太夫:エリオットが話してる間に、部屋を出て3人を捜しましょう。

GM:部屋を出る? メイドさんがついてきます。「どちらへいらっしゃるんですか?」

三太夫:「失礼、用を足したいのですが、どちらになりますか」

GM:「おトイレはあちらです。ご案内しましょうか?」

三太夫:じゃあ、案内してもらって、「ありがとうございます」と。

GM:メイドさんはそのまま戻って行ったようです。

三太夫:怪しまれないように一応トイレに入って、帰り道に捜してみましょう。

(→一方その頃、3人は

 

裏口から入った3人と合流し、情報交換を済ませた三太夫は、
シグマから預かった石板を手に、メイドの許可を得て地下へ足を踏み入れる。
 

三太夫:降りながら石板を出してみましょう。

GM:するとですね、だんだん反応が強くなる。そしてとある箱にひときわ強い反応を示しました。

三太夫:これか。石板を隠して上がって、「ありがとうございました」

GM/メイド:「どういたしまして」

エリオット:「軍の方々って、どっちに行きました?」

GM/メイド:「ここから北に車で2時間ほどのところに、ワッツハイム少佐の基地がありますので、そちらの方に」

エリオット:ワッツハイム少佐とはどんな人ですか?

GM:上の命令には絶対従う、どちらかというと融通の利かないタイプの軍人ですね。年齢的には30代の後半ぐらい。「何か、新しい秘密兵器の開発を行っているらしいですが」

海優:またありがちなー。

エリオット:「はぁ、なるほど・・・えぇっ! 良くないお知り合いですか!」と、今頃気づいてみる。

GM:するとですね、ゴゴゴゴゴゴ・・・と地震が起こります。

エリオット:「おーおーおー、地震だ!」

GM:シャンデリアが揺れるくらいで、そう強いものではない。しばらくすると収まりました。

三太夫:「何だったんだ・・・」

GM/メイド:「そうですね。この辺りでは珍しいかもしれません」
 

この場所へ来た目的は充分に達せられたと考え、2人は礼を言って館を去る。
 

エリオット:最後にひとつ。「もしご主人が戻られましたら、『貴女のしてることは悪事なので、自首してください!』とお伝えください」

GM/メイド:「少なくともこの国の法には触れていないと思いますけど」

エリオット:「この国の、Dr.メビウスの法には触れていませんが、国外でやってるので、れっきとした犯罪です!」

三太夫:(エリオットを押さえて)「すいません、夜分にありがとうございました」

GM/メイド:「いえいえ、お仕事頑張ってください」(笑顔で手を振ってお見送り)

三太夫:謎な人だったなー。

GM:(君が“ロマンス”引いたから、メイドさんを出したんじゃないか)

(→そして……
 


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