TORGリプレイ

『かえるひまで』

 
 

第二幕

 
シーン4 彼の野望
 

その夜のうちに、ワッツハイム少佐は約束通り兵士たちを集め、
新兵器開発を進めるにあたって採用した4名の新規兵士として、
ストームナイトを紹介する。最後にこう付け加えるのも忘れない。
「不審者については幽閉してあるので、そこへの立入はしないように」
 

GM:プリムスは何か言いたげだったけども、口は挟みません。そして、兵はぞろぞろと持ち場に戻っていきます。

三太夫:これから、私とシグマはランバートン博士と話をしに行くけど、他の人は?

シュア:博士かー。気になるところではあるけどなー。俺は少佐んトコにいるよ。

ティル:私も残ります。行ってらっしゃーい。

三太夫:では、ちょっと行って参ります。

GM:研究施設は1階建てですが、地面が大きくくり抜かれてます。深さおよそ7mぐらい。穴の底に、金属の丸い屋根が見えます。その上に櫓(やぐら)が組まれてたりして、居住可能なぐらいの構造物が地下に作られているのは間違いありません。
 

2人は穴の壁に沿って下へ降りていく。
そこにあったのは、ドーム球場のような形をしたオール金属製の地下室。
見たところ、側面のハッチから中へ入れるようだ。
 

三太夫:中に入って博士を捜しましょう。

GM:ハッチを開くと、(図を書きながら)ここが、コンソールパネル。この辺にスクリーンがあって、何人かの技術者が作業をしていて、その中心に、白衣のランバートン博士がいます。

三太夫:「・・・博士」

GM/ランバートン:「ん、何か?」

三太夫:「ワッツハイム少佐に手伝うよう言われて参ったんですが」

GM/ランバートン:「うーん、そうか、特に頼んではいなかったのだが」

シグマ:どんな人物に見えますか?

GM:いかにも科学者っぽい。あなた方に対しては、いい反応も悪い反応も示さず、淡々と話をしている。

三太夫:「(スクリーンを見て)これは・・・?」

GM/ランバートン:「簡単に説明すると、ある特殊な石を使って、地震を発生させる装置だ」

三太夫:「地震、ですか?」

GM:「原理は、私が考案したわけではないのだが、簡単に言うとだな」と言って彼がコンソールパネルをパンパンと押すと、図面が出てくる。この辺にヒゲマーク。

一同:うわーっ(笑)。超怪しいー。

GM:「ボディを回転させて、地中へ潜って移動することが可能なんだ。その出力を得るために、相当頑丈な歯車が必要だったんだが、最近入手することができて」と、夢を語る少年のように瞳を輝かせる(笑)。

シュア:いやぁ人間、ドリルを語るときは熱くなりますから(笑)。

GM/ランバートン:「とまぁ、ここまでは良いのだが。使用目的にイマイチ納得がいかない・・・あっと、このことを君たちに話したからって、どうにかなるものではないな」

三太夫:使用目的が納得いかない。

シグマ:なんか、ナイルの価値観に変身はしてるかもしれんけど、悪人ではなさそうだな。

GM:そんな話をしていると、あなた方が入ってきたハッチの方から、副官のプリムスがやってきます。「博士、調子はどうですかな」

三太夫:じゃあ、一歩下がって、周りのショックトルーパーと同じように敬礼。

GM:「プラン通りに進めそうだ」「でしたら、試運転などされてはいかがです?」「そんな予定はなかったはずだが」「そうはおっしゃいましても、総督やファラオに完成のご報告をするためには、ある程度試運転をきちんとしてからの方が、お披露目にもよろしいのではないですか?」

シグマ:試運転?

GM:博士は非常に嫌そうな顔をして、「・・・この移動要塞自体を動かすことは別段構わない。だが、“そちらの機能”の実験をするのはどうかと思うぞ」「しかし、これがあくまでも我が軍の兵器である以上、その実効性を確認しなければ、使うことはできないでしょう」「うーむ・・・解った。とりあえず、プランを立て直そう」

三太夫:これからすぐ実験をやるってこと?

GM:今すぐというわけではなくて、せいぜい半日ぐらい後。

三太夫:だとすればその前に話をする時間はあるね。

GM:プリムスはニヤッと笑って、「では確かに承りました。少佐には私から報告しておきます」と言い、出て行きます。

シグマ:「博士、“そちらの機能”というのは?」

GM/ランバートン:「地震発生の機能だ」

シグマ:「嫌そうな顔をしてプリムス殿を見ていましたが」

GM/ランバートン:「私が、設計図を元に試算してみたところによると、数十秒の稼働で、街ひとつを崩壊させる。一体どれだけの人命が損なわれるかは想像に難くない」

シグマ:なるほど。何か落としどころがありそうだな。

三太夫:そう思うんだけども、今は周りに他のショックトルーパーがいる。ここは引き上げた方がいいと思う。

シグマ:しゃあないか。

三太夫:「色々と、ありがとうございました」

GM/ランバートン:「あぁ、君たちは新任だと言ったな。誰に命じられても、この下のハッチを開けてはならない。それだけは心得ておいてくれたまえ」

三太夫:「了解しました。心得ておきます」
 

2人がワッツハイム少佐へ報告しに戻ると、
丁度プリムスがドアから出てくるところであった。
反射的に敬礼する2人を見て、プリムスは優越感に満ちた笑みを浮かべ、
足音高く歩み去る。その後姿を見送ってから、2人は少佐の執務室へ。
 

GM/ワッツハイム:「今プリムスが試運転を行うと言ってきた。予定では明日の朝9時に稼働という話だ」

シグマ:「これは彼を始末するのにいい機会だと思うのですが」

三太夫:「お願いがございます。ランバートン博士の周りのショックトルーパーを、一時的に動かして、私たちだけでちょっと話をさせていただきたいのです」

GM:少佐は要塞の巡回警備をしている兵士の名前を確認すると、次の交代であなた方がその配置につくよう、命令を下します。

三太夫:「ひとつ、お聞かせください。実験で街が破壊されるわけですが、それについてはどうお思いですか?」

GM/ワッツハイム:「街を破壊するかどうかは博士に一任してある。訓示的効果を発生させるためには、街ひとつ犠牲にしてもやむを得まい。まぁ、あまり快くは思わないが。自分たちの人民を傷つけるようなやり方は、良いとは思わない」

シグマ:「・・・決まったな」
 

NEXT → 新入り兵士に扮したシュアを、ひとりの男が呼び止める……
 

海優:暇やなー。

エリオット:僕ら終わり5分前くらいまでこのままだったら、嫌ですよねー(笑)。
 


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