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TORGリプレイ

『星辰の王』

 

第一幕

 
シーン6 Finding Father
 

GM:ではホテル。ムジャラフさんです。ターバン巻いて髭生やした、まさにイスラム系の人です。

バトラー:来てやがる。事件に巻き込まれてて、いないと思ってた。

フレディ:「突然呼んで申し訳ない。我々は、こういうもんだ」と言って、身分証明書を出して。

GM:きみの奇怪な格好を見て、「何と言うか・・・未婚の女性がこう、顔をさらすどころか、肌をさらすのはいかがなものか」

バトラー:いかん! 話をそらさなければ。

フレディ:「(気にせず)あなたのご友人の、トマス・アシュトン教授が、本日あなたとここで会う筈だったと思うが」

GM/ムジャラフ:「ああ。もう約束の時間なんだが、来ないので心配していたんだよ」

バトラー:「実は、トマス氏が行方不明になってしまいましてね」

GM/ムジャラフ:「トマスくんが?」

海優:「研究が行き詰っとるとか、そーいう話を聞いてたりします?」

GM/ムジャラフ:「いや。最近、人員が減らされただの、予算がさらに絞られただの、泣き節は聞こえてくるが、あそこの数学研究所はみんなそうだしな。ひとつのプロジェクトに非常に今、傾斜配分されていて、色々な研究所が悲鳴を上げているらしい」

海優:カネは大事やからなー。

GM/ムジャラフ:「アメイニとかいう主任研究員。あれの研究に関して、かなりの予算が投入されているようだ」

バトラー:「我々はあまり、トマス氏のことは知らないのだけども、彼は、一発逆転を夢見て行動を起こすようなタイプかな?」

GM/ムジャラフ:「いや、そんなことは全くないと思う。彼の研究は非常に地味な研究で、我々とすれば重要なものなんだが、その重要性に関しては、世間的には全く認められない部分だ」

フレディ:「予想はついたが、やはりそうか。そこでだ。ひとつあなたに相談がある。まず、我々は」と言って、ニーナを指して、「こちらのトマス氏のお嬢さんから、依頼を受けている」

GM/ムジャラフ:「あっ、こちらが・・・。なるほど、面影がある」

フレディ:「彼女の依頼で、トマス氏の消息を追っている。だが我々には、数学魔法の知識が足りない。何かあったら、あなたの助力を頼みたいんだが」

GM/ムジャラフ:「ああ、私で協力できることだったらなんなりと。トマスくんが心配だし、彼は優秀で、人柄もいいんだがな、責任感が強すぎて、大体貧乏くじを引く人間なんだ」

フレディ:「なるほど。因みにひとつ伺いたいんだが、最近、彼からの手紙やら電話やらで、恨み節と、研究内容以外に、何か変わった話題はなかったか?」

GM/ムジャラフ:「いや、特には。アメイニくんから、『今のプロジェクトを畳んで、私の部下にならないか』と言われて憤激したという話はあったが」

ソニック:あと、「これを」って言って、論文の束を出して。

GM/ムジャラフ:「ああ、トマスくんの研究内容だね。よくまとまってるじゃないか。これなら発表もすぐだろう」

ソニック:「じゃあもう、準備は殆どできていて、おかしなところは別に見当たらないわけですね」

GM/ムジャラフ:「問題となるミスも見つからなければ、論理的破綻も見当たらないよ」

バトラー:そうすると、トマス氏の論文に関しては問題ない。どこかに自分を詰め込んで、そこで書き直しているとかいうことは考えられないわけだな。

フレディ:「もうひとつ。我々には解らないんだが、アメイニ氏が研究している、『数学魔法の覇権性』というのは一体どういうものなんだ?」

GM/ムジャラフ:「それがね、極秘プロジェクトらしくて、全く届いてこないんだ。本来は、学会発表する際には、同業の専門家を何人か探して、論文の公平性や内容の正確性を確認してから発表するものなんだが、彼は余程自信があるらしくて、一切それをしていないんだ」

ソニック:「ってことは、明日が初のお披露目っていうことになるわけか」

球太郎:「そんな、事前に見せないなんていうのは、学会内で許されることなんですか?」

GM/ムジャラフ:「まあ、結果よければ全てよし、だろう」

バトラー:「失礼だが、数学魔法学会には、ゴーストライターを立てるとか、そういったことはないのかな?」

GM/ムジャラフ:「噂では幾つもある」

バトラー:「あなたが考えて、トマス氏がそのために拉致されたという可能性は・・・でも、一日で論文は書けるものでもないか」

GM/ムジャラフ:「恐らくアメイニくんには、拉致をする必要がない。あれだけ部下を抱えていれば、いくらでも書かせられるだろう」

球太郎:「あなたは、アメイニさんをどういう風に思いますか?」

GM/ムジャラフ:「私も、彼に会うのは明日の学会が初めてだ。赴任して半年で主任研究員になった、天才ということだが」

バトラー:「そうだな、もうひとつ依頼したい。あなたもトマス氏の友人であれば彼の消息が気になる筈。ただ我々では、彼が姿を消した場所には立ち入ることができない。それは数学魔法研究所」

GM/ムジャラフ:「ああ、なるほど」

バトラー:「そこの、彼の部屋に行ってみたいのだ」

GM/ムジャラフ:「私も、今日は彼の研究所には入れない。学会員ではあっても研究員ではないのでね。明日案内することくらいはできるだろう」

海優:ちゅーことは、どっちみち明日になれば、一般公開されるワケやから、ウチらが入っても、何も問題ないんやな。

球太郎:でも、このムジャラフ先生がいれば、より入りやすい。

ソニック:中を案内してもらえる。

フレディ:明日の案内は頼みましょう。とりあえず、今日の夜、何かできなかったからといって、明日どうこうというのは、ない、と思いたい。

海優:ま、ニーナはんと一緒にいることぐらいか。ウチらにできるのは。

 
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