Eternal Smile > CONNECT
 

 
TORGリプレイ

『CONNECT』

第一幕

 
シーン5 Family Portrait(承前)

 
 裕人に名を呼ばれて、優美は顔を上げる。
 黒髪セミロングに、ゴシックロリータファッション。
 服装以外、裕人の記憶にある彼女と、全く変わっていない。
 

裕人:「な、なんで、ここに?」

GM:パッと、猫みたいに微笑んで、「それはこっちのセリフだよお兄ちゃん。なんでこんなところにいるの?」

裕人:「それは・・・」言い淀みます。家族には一言も言わずに出て行ったので。

GM/優美:「(甘ったるく、ゆっくりとした口調で)寂しかったよ、私。お兄ちゃんがいなくなって」

裕人:「それは・・・ゴメン」

GM/優美:「テレビ観てもどこ見ても、お兄ちゃんいないし」

裕人:カメラに映らないので。

GM/優美:「探したよ、あっちこっち。お父さんがさ、『そうだ、いなくなったところをみんなで探そう!』って」

ディ:・・・は?

アン:確か、インドネシアに旅行した時に、ヴァンパイアになったんですよね。

ソウジ:インドネシアって、オーロシュ? え、そこに行ったんですか?

GM/優美:「お父さんが言うからさ。お母さんも、そうね、って。お兄ちゃんもお姉ちゃんも、お仕事、休み取るって。そうだよね。たったひとりの家族が、いなくなったんだもんね」

一同:(声にならない声)

GM/優美:「でもさ、2年も探すのって大変じゃない?」

裕人:何も言えないですよ。続きどうぞ。

GM/優美:「みんな、色々怖い目に遭って、可哀想だから、今は、泣いたり笑ったりしなくなってるよ

ディ:ちょ・・・っと待て。

裕人:「・・・え?」

GM:コクっ、と頷く。「ね? 帰ってきなよー?」サーッと霧が出てくる。

 
「早く、そんな、人のフリなんかやめようよ?
 

裕人:ははははは! はははははは! 人のフリ?! 全部わかってるのか?

GM:周りの人たちは、誰も逃げない! そうか、魅了されてるんだ! 人間のままでいるために、あなたは踏み止まってるから、使えない力を、彼女は使っている。

裕人:一歩下がりながら、ショーウインドーを、チラッと見ます。

GM:映ってない。

裕人:自分は。

GM:映ってる。今は、ただの人間。

アン:your sister、映ってない。

GM:あの細腕で、人間の頭なんて簡単に握り潰す怪力を持っているし、人間では追いつけない反応速度を持っている。

ソウジ:なるほど。

裕人:「帰らない、って言ったら?」

GM/優美:「そんな! 帰らない、って言うの?・・・ああ、そうか、アイツがいるからね?」

ディ:ぎゃー、出ようと思ったのに出られなくなった!(笑)

GM:その頃のディアン。霧が行く手を遮って、どこを走ってるのかわからない。

ディ:「これは・・・迷いの霧か?」

GM:魔法の地図も機能しているし、霧の向こうに明かりが見えるから、多分近づいてるとは思う。ただ、よくわからない。何だろうこれ。気持ちばかりが焦る感じ。

ディ:マスター。オレ、魔法の剣を持ってるんですよ。【トラッカー】という、失せ物を探す魔法が使える剣です。

GM:うーわ、そうだったねー。

ソウジ:ディアンの方が上手をゆく。

GM:そうですね。使っていいと思うなー。アイデア次第で、TORGには色んな解決方法があります。

ディ:剣に宿ってるのは、水の精霊だったはず(*2)。目の前に構えて、「水の精霊よ。霧を払い、オレを、探し人のところへ導け。ユウトのところへ!」

GM:この使い方はすごく素敵だと思う。(ルールブックを開いて)『剣にはトラッカーの呪文が照射されていて、持ち主を敵のもとに導いてくれる』。敵の持ち物が必要となる、だから・・・。

ディ:ユウトのアドレス!

GM:あー、そうだねー。敵じゃねぇけど、ま、いっか。

ディ:あと、敵が送ってきたメールがある!

GM:そしたら、これ、敵を探す魔法だよな、と思いながらも、ディアンが剣を抜くと、導き始める。裕人の元に向かっているという確信がある。剣は敵を示すから。

裕人:敵を指し示す(*3)?

GM:うん。ってことで、こっちだってわかります。引っ張られる感じがある。

アン:分かれ道で、『こっちだ!』ブンッ!『引っ張る力強すぎ!』(笑)

GM:その頃。ほぼ同時刻。

裕人:はい。

GM:あなたがまばたきするじゃん? 何メートルか寄ってるの。

裕人:そういう感じか! 速いわー。

GM:シュッシュッ、って寄ってきて、ふと気づくと覗き込むような距離にいる。

裕人:近い!(笑)

GM/優美:「お兄ちゃんがいない間に、もう中学生だよ?」

裕人:「そ、そっかー。そうだよな」

GM/優美:「どうしても、帰ってこないって言うなら・・・」

ディ:!

裕人:「冗、談じゃないよな?」

GM/優美:「本気だよー。家族にそんな、嘘とかつかないよー」

アン:『お兄ちゃんが帰ってくれば、みんな平和で仲良く暮らせるんだよー』

GM:そうそう。

裕人:・・・何も言えないな。

GM/優美:「どうしたの? まだ未練があるの?」

裕人:「未練・・・未練?」

GM:スーッと手を伸ばして、首の噛まれたであろう辺りを撫でて、「嫌? そんなに」

裕人:弾きます。手を。

GM:そうすると、ビクともしない!(笑)

裕人:うは! 怖ぇ!

GM:で、そのままスーッと、両足が宙に。

ディ:! ユウトが、ぶら下げられてるってこと?!

GM:息が苦しくなる。「早くー。ほら、死んじゃうよー?」・・・リンク回復する?

裕人:「う、ううーっ!」リンク回復する。

GM:〈リアリティ〉で判定です。

裕人:ああー、でも、リンク回復したくない。したくないよー。(コロコロ)18。

GM:全然楽勝です。再び、闇の力が戻ってくるのを感じる。あなたの姿が、スーッと、ショーウインドーから消える。同時に影もスーッと消える。

裕人:じゃあ、手を弾きましょう。

GM:バキン! すごい音がして、あり得ない方向に優美の手が曲がります。そしたら優美は、心臓狙いで貫手を。

裕人:霧化して避けます。

GM:ドシュッ! となったところで、「・・・待ってた!」(指を鳴らす)到着します!

裕人:はぁーっ?!

アン:だと思った。

 
NEXT → 彼が使ったのは、明らかに人外の力。それを見たディアンは……
 


PREVIOUS

back to Replay Library

back to Eternal Smile


"Eternal Smile" Since 2002.02.02
Copyright (C) 2002-2020 Charmy. All Rights Reserved.

E-mail:charmy_s@mac.com