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TORGリプレイ

『CONNECT』

第三幕

 
 どうかこの脆さ見透かして
 キズつかぬよう世界中で
 私を上手に騙して

 
シーン1 Getting down on one knee

 
GM:第三幕は起承転結の転です。バロンが、アンの元に来るわけですよ。29本の赤いバラを持って。

アン:何故29本? あ、そっか、あたしの年齢の本数か!

GM:勿論ですよ。当たり前じゃないですか。

裕人:当たり前なんですか。

GM:当たり前ですよ。彼の中では(笑)。
 

 巽工作機の用心棒として雇われたアンには、社員寮の一室があてがわれている。
 部屋が何階であろうとお構いなしに、バロン・インサイディアは現れるだろう。
 そう確信し、アンはディアンに告げる。
「そろそろ来るんじゃないかな」
 

ディ:「オレは、アンの部屋に入るわけにはいかないから、外で待っている」

アン:「いや、別にいいよ」

ディ:「いや! だ、ダメだろう!」

GM:招かれないと入れないんだって(笑)。

裕人:あ、か弱い女性の面を見せたらどうですか? 私ひとりでどうにかできるかしら、って。

アン:その手があったか。

ディ:え?!

アン:「いやー、でも、あたしも恐ろしいヴァンパイア相手だと自信がないねぇ」

GM:らしいですよ。

アン:「誰かいてくれると、心強い感じはするねぇ」

GM:らしいですよ(笑)。

ソウジ:微妙にGMが煽っている。

ディ:「わかった。入って、いいか」

アン:「ああ」

ディ:入って、ドアを背にして、直立不動で立つ。

GM:殺風景な部屋です。実用重視っつーか。なんかねー、物がない。

裕人:ベッド! 棚! 終わり!

アン:「飲む?」今度は明らかに水じゃない、ガラス瓶を見せて。

ディ:「いや、いい」

アン:「ああ、そう?」ラベルには、45パーセントって書いてある。

裕人:あ、ウイスキーでしたか。

ディ:「酒は、美味い、か?」

アン:「いや、別に」

ディ:「・・・・・」

アン:「飲めないんだったら、飲めないまんまでいいんだよ。こんなのは嗜好品だからね」

GM:・・・そろそろ来ていいかな(笑)。

裕人:考えてもみてくださいよ。すごい好きな女性が、すごいカッコいい男性と二人っきりで。

GM:そう。すっげぇ困る予定なんですけど、僕も予定は変えられないんで。
 

 窓の外から、優しく、紳士的なノックの音が響く。
 少し間を置いて、聞き覚えのある声。
「レディ。開けていただけますか? もしくは、お招きいただけますか?」
 

GM:僕ヴァンパイアなんで、招かれないと入れないってルール(*10)なんです。

裕人:(笑)

ディ:アンの顔を見る。

アン:ナイフを出します。シュッ。

GM:バリーン!「ありがとうございます」

ソウジ:ええーっ? ど、どうなってんだ。

GM:割れた窓から、無数のコウモリが入ってきます。で、コウモリが下からわーっと集まると人の姿になる。

ソウジ:ありがとうございます、って、どんだけポジティブな脳内変換してるんですか。

GM:ナイフを胸の前に持って、「私のハートにも刺さりました。美しいレディ」

アン:「まぁ、狙ったからね」

GM:跪いて、「よろしければ、これ(バラの花束)を」

ディ:・・・!

GM:チラッと見て、「輝けるパラディンよ。言いたいことはわかる。控えておれ、決着は後にしよう! 私は今、レディに用がある。まさか邪魔をするとは言うまいね?」

アン:「(ため息)で? 何の用だい」

GM/バロン:「告白以外に何をすることがある? 人を愛さずに生きるには人生は長すぎる。かつ、ひとりで生きるのは人生はつまらない」

アン:あ、そうか、ヴァンパイアだもんね。

裕人:本当にヴァンパイア?

GM:ヴァンパイアですぅ!(笑)「貴女となら、永劫の闇を共に歩くのも、良いだろう。まあ、断られたとしても仕方がない。ああ、みなまで言うなレディ。ヴァンパイアには苦しいことしかない。それに耐えてくれとは言わないが、私の愛だけは、純粋なものとして受け取ってほしい」

アン:じゃあ、バラだけは花瓶の上にそのまま、無造作に。バサッ!

GM:よかった。受け取ってくれた。

アン:「・・・あたしはね、むしろ、長い人生はまっぴらごめんだよ」

GM/バロン:「そうですか」

アン:「失った思い出を、未来永劫引きずるのはごめんだね」

裕人:ああー。

GM/バロン:「それでも、忘れたくないものはありませんか?」

アン:「忘れたくないから、あたしはあたしのままでいる。今、誰かを受け入れたら、それが変わっちゃうじゃないか」

GM/バロン:「なるほど」

アン:「他の人間だったら、別の誰かを見つけて、付き合うこともあるんだろうが、それはあたしの生き方じゃあないね。他の人間が決めるように、あたしはあたしでそれを決めるんだ」

一同:・・・・・。

アン:「悪いね。あんたの気持ちには応えられない。本当だったら、あんたに、甘い言葉を囁いて、味方になったフリでもした方が賢いんだろうが、あんたがそういう風に真剣なんだったら、あたしもその返事は真剣にさせてもらうよ」

ソウジ:アンさんカッコいいー。

ディ:刺さるね。

GM:「(ため息)それでこそ私の愛する人だ!」と言って、ベッドに座ります。「一杯いただいてもよろしいですか?」

アン:「ああ」

GM:ぐっ、と飲んで、「ふむ。なるほど。確かに、飲まない方がいいかもしれませんが、酒が人を救うこともありますよ、パラディン」

裕人:え、お酒美味しいの? お前ヴァンパイアじゃねーじゃん(笑)。

アン:ヴァンパイア型ヴィランだからね。

GM:うん、そう。「御察しの通り、私はヴァンパイアではない。私は、人造ヴァンパイアだ」

ディ:「人、造・・・?」

アン:「ナイルの技術かい?」

GM/バロン:「オーロシュのヴァンパイアの力を再現するという実験でね」

ディ:「そのために、ナタティリと組んだのか」

GM/バロン:「私が手を挙げた。彼女が、今回のプロジェクトを主導している。オーロシュの仕業であると見せかけることで、他のレルムを牽制するプラス、理想的には、アイルとオーロシュの戦いを、画策しているようでしたが」

ディ:・・・・・。

GM/バロン:「とあるストームナイトに対する、若干の私怨もあったようです」

アン:「個人的恨み、ってやつか」

裕人:悲しい事件だったね。

GM:現在進行形で恨んでる人に対して、『悲しい事件だったね』(笑)。鬼か。吸血鬼か(*11)。

裕人:ははははは!

GM/バロン:「加えて、不穏な動きを見つけましてね。ヴァンパイアの力を悪用する輩がいる」

ディ:「悪用? 何だ、それは」

アン:「あんたは、巽工作機の奥に何があるか知っていたようだね」

GM/バロン:「うっすらとはね。しかし、ヴァンパイアの力は、もっと夢があるものだ!」

一同:・・・・・。

GM:「たとえ、闇を歩く種族であっても、夜を征くことしかできない者であっても、永劫を生くことで、忘れたくないものをずっと、持ち続けられることもある。・・・ああ、すまん、少し酔ってしまったようだ」・・・自分にな!(笑)

裕人:おー、カッコいいぞー。

ソウジ:ああ、なんか、いい奴じゃないけど、憎めないキャラだなぁ。好きだなぁ。

GM:「だから私は・・・」えーと、パラディンがいるから言葉を選ぼう。「ヴァンパイアの力を悪用するような輩を許せない。もしそれでレディが毒牙に! かかるようなことがあれば、見過ごすことはできない」

アン:「ああ、そうかい。実は、丁度、本物のヴァンパイア事件を解決したいと思ってるところなんだよね」

GM/バロン:「ほう。偶然ですな。同じ敵を相手にしているわけですな! まぁ、これは偶然ですから仕方がありますまい」

ディ:「居場所はわかるか?」

GM/バロン:「勿論」

アン:「多分、巽工作機の中だろう」

ディ:「えっ? この中?」

GM/バロン:「ええ。企業という、社会的な壁でもって、追撃を逃れているようです」

ソウジ:う、なんか胃痛が・・・(笑)。

GM:「詳しいことはこれから・・・」って言ったところで、帰ってきてもいいッスよ(笑)。

ソウジ:あ、わかりました。

 
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