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TORGリプレイ

『闇からの招待』

 

第一幕


シーン5 闇からの招待
 

翌朝、ジョルトとディアンは、老夫婦がビラ配りを始めるよりも早く、家を訪ねる。
玄関先に出てきたノエルの母スージーは、ディアンの顔を見て表情を明るくする。
「あっ、昨日の方ですね。何か判りましたか?」
 

ディアン:「すまない。何も新しい情報はないが・・・」

GM/スージー:「そうですか・・・」(落胆)

ディアン:「現場に行って、やはり何か、普通では考えられないような力が働いている、ということは判った。もしかすると、ノエルは、行方不明になる前に、誰か、闇の者と接しているかもしれない。手掛かりを探したいので、ノエルの部屋を、見せてもらえないか?」

GM:「いいですよ。それで、娘が助かるんでしたら」と言って、部屋に通してくれます。結構質素な感じの部屋です。

ジョルト:就職活動関係の資料は、机とかに置いてあるかな。

GM:そうですね、企業のパンフレットとか、『不況時の就職活動に強い本』とか、『面接の要点はこれだ!』とか、そんな感じの本があるわけですよ。

バーバラ:金輪産業のパンフレットは?

GM:ありますよちゃんと(笑)。

ディアン:「・・・ニッポンの企業は、随分、ベルギーにも進出しているのだな」

ジョルト:何か、ノエルのつけてた記録みたいなのってあります?

ディアン:ぶっちゃけて言うと、日記。

GM:ああ、いいですよ。探してみてください。〈発見〉ロール。

ジョルト:燃えろ、俺のサイ!(コロコロ)ポシビリティを使います。(コロコロ)22だから、+8。

ディアン:“援助”します。「ここは、オレが探しておくから、そっちを頼む」

ジョルト:「解った。2人で手分けしよう」と言いながら、達成値23。

GM:では、資料の間に、1冊の大学ノートがはさまっていて、就職活動の日記というか、覚書が書いてあります。どこどこの面接に行ったとか、どこそこのパンフをもらったとか、ここは×だとかここは○だとかここは論外、とか書いてありますね。

ジョルト:その大学ノートに、不審な出来事があったとか、つけられてるとか、そういうような情報が書かれていないかどうかを調べます。

GM:〈手掛かり分析〉してもらえます? 2人でやってもらって結構です。

ジョルト:(コロコロ)2かー。ポシ使ってもしょうがないや。達成値0。

ディアン:達成値7。

GM:7じゃあ判んないね。何となくニッポン系の企業が多いと思うぐらいで。

ディアン:別に、破り取られたページもない。

GM:ないです。

アンドレ:もしかして、暗号?(笑)

バーバラ:それだったら、そのノートを、借りてきてください。後でみんなで確認しましょう。

ジョルト:「これは、俺たち以外に、あの2人にも見てもらった方がいいと思う」

ディアン:(頷く)

GM:もし、それを借りていきたいと言うんであれば、何せ、初めてマトモに話を聞いてくれた人の頼みなんで、喜んで貸してくれますよ。では、バーバラとアンドレの方ですね。
 

同僚アルフの身を案じるベスは、アンドレが連絡すると、会社を休んで現れた。
 

アンドレ:「すいませんね。お手数をお掛けして」

GM/ベス:「アルフの手掛かりが判るかもしれないというので、来たんですが」

バーバラ:「それに関しては、これから調査なんだけどね。で、一応確認なんだけど、彼、あなたの恋人?」という風に、すっと訊いてみます(笑)。

GM:そうすると、ほっぺをふっと赤らめて下を向いてしまう。「いえ、恋人なんて、あの・・・」

バーバラ:「素敵なんでしょうね、彼。何か特技ってあった? すごい力が使えるとか」

GM:では、それを思い出してくれるかどうか、〈説得〉ロール。

バーバラ:「ほら、あなたが自慢したい、彼のいいトコとか、聞かせてほしいなー」

GM:そんなことを言うと、またふっと顔を赤らめます。

バーバラ:とりゃー。(コロコロ)ここはポシを使いましょう。(コロコロ)25。+8がついて、達成値24。

GM/ベス:「・・・あっ、ごめんなさい。特技ですよね。そうそう、彼はものすごく記憶力がいいんです。一週間前のご飯のおかずまで覚えているくらい」

バーバラ:「へぇー、すごいわね」

GM/ベス:「過去に読んだ本も、全部覚えてるんですよ。それこそ題名から、訳の判らない、オビのアオリ文まで」

アンドレ:わ、すげー。

バーバラ:「ふーむ、なるほど。ってことは、その才能を狙われた可能性があるわね」

GM/ベス:「えっ? 記憶力がいいだけで、何の役に立つんですか?」

バーバラ:「世の中、どこで何が役立つか判んないわよ」と言って、「ベス。現場は、この辺りでいいのね?」

GM:「あっ、はい。場所は、こっちから来て、道のこの辺で」と細かく指差しながら教えてくれます。上から白いものが降ってきて、この時期に雪? と思って上を見たら、アルフが何か繭のようなものに包まれていて、自分は、立っていたのに急にこう、ふらふらっと目眩がして、倒れてしまった。

バーバラ:「あなたが気がついた時、白い粉というのは、周囲に残っていた?」

GM/ベス:「いえ、私の知る限りでは、なかったです」

バーバラ:じゃあ、手分けして周囲を見ていこう。壁とか、上とか。

アンドレ:俺もやろうっと。(コロコロ)2。どうにもなりません。

バーバラ:ポシビリティを使います。(コロコロ)えーと、〈発見〉達成値19。

GM:19なら判りました。あなたはですね、ビルの壁の目地の間に、白い糸のようなものを1、2本見つけます。

アンドレ:じゃあサンプル回収ー。

GM:そして、あなた方が帰ろうとして、振り向いた時に、ベスの首筋に、小っちゃい赤い斑点のようなものが。

ディアン:うっ!

GM:普通だったら見逃しますけど、バーバラには見えていい。

バーバラ:それは、いわゆる、一回刺されて腫れたのが、だんだん収まってる感じ?

GM:そんな感じですね。

バーバラ:「ちょっとベス。虫刺されかしら。何か腫れてるわよ」

GM:「えっ?」意外そうな顔。

アンドレ:俺には何やら判らん。

バーバラ:多分、彼女、何者かに刺されて、気を失ったっぽいわよ。

アンドレ:ほぅ。虫ねぇ。

バーバラ:「大したことないとは思うけど、一度お医者さんに行った方がいいわ。痕になったら嫌でしょ?」

GM:「本当。こんなところ、いつ虫に刺されたのかしら」と言ってますね。

バーバラ:「気をつけて。どうやら、アルフさん以外にも、同じように消えた人がいるのよ」

GM/ベス:「えっ? そんな、バカな」

バーバラ:「別の場所でも、(タッパーの中の物を出して)こういう物が見つかったのよ。あなた自身がターゲットになる可能性は低いけれど、くれぐれも気をつけて」

GM/ベス:「解りました」

バーバラ:「あと、アルフさんは、いなくなる前、何か、普段と違う行動をしていなかった? 新しい店に出入りしたとか、どこかのホテルに出入りしてたとか。何かあったら、教えてもらえない?」

GM:彼女は、「思い出したら、連絡します」と言ってくれる。そういうことで、午前中は終わりです。

アンドレ:教会に集合、集合ー。

ジョルト:「ディアン。大学ノートを」

ディアン:「ノエルの部屋から、借りてきた」

GM:では早速、ノエルの大学ノートの覚書を、〈手掛かり分析〉してもらいましょう。

バーバラ:じゃあ、「ジョルト、ちょっと手伝って」と言って、振りましょう。(コロコロ)14。悪くない数字。1ポシ使います。(コロコロ)24なので、+8。

ジョルト:そしたら、「俺はここが怪しいと思うんだ」とか言いながら、“援助”します。

バーバラ:で、達成値が21。

GM:そんだけあれば判ります。ノエルが行方不明になる、5日前に、破格の給金を支払うので、我々の会社に来ないか? という、オファーがあったそうです。

ディアン:破格の待遇で、我が社に来てくれというオファー。

アンドレ:ほぅ。

GM:『我々は、貴女の能力を高く買っている』。この不況時期に、会社の重役並みの給金を約束してくれるそうです。

バーバラ:ノエルはそれを、胡散臭がって断ってる?

GM:そうですね。あまりにもうまい話すぎるんで、断りました。ということが書いてあります。

バーバラ:その、会社名とか判りますか?

GM:いや、会社名は書いてないですね。

バーバラ:であれば、恐らく、この会社から、全部の行方不明者に、接触があったでしょうから、その裏取りですかね。というわけで、午後から夕方にかけては、みんなでまた依頼人というか、残された人のところに行って、話を聞くのが、いいかもしれない。


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