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TORGリプレイ

『闇からの招待』

 

第二幕


シーン1 共同戦線
 

GM:第二幕始めまーす。あなた方のところにですね、よれよれのトレンチコートを着て、ソフト帽をかぶって、くしゃくしゃのタバコを口にくわえた男がやって来ます。ドアをガチャッと開けて、「セントベルナール教会というと、ここかい? ディアン・オブローさんに、紹介されてきたんだが」もう既にディアンは帰ってます。

バーバラ:「ディアン。客よ」

ディアン:「あ・・・」

GM:「おう、さっきは済まなかったな。これは俺からの差し入れだ」と言って、缶ビールをガタンと置く。

アンドレ:ほぅ。

ディアン:「話を聞きにきたのでは、ないのか・・・?」

GM:え? という顔をして。「何か問題あるか?」

バーバラ:ま、いいじゃない。というわけで、いぇーい!(乾杯)

アンドレ:いぇーい!(乾杯)

ディアン:・・・・・。

GM:ではそうやって飲みながら、「自己紹介がまだだったな。俺の名は、フィリプ・マーロゥ。しがない私立探偵だ。こんな時代、警察じゃ取り合ってくれない、小さな、隙間のような事件を解決して食ってるよ」

ディアン:フィリプとは、マークの学校で会った、というのをみんなに説明します。

GM/フィリプ:「あんたらも、あの変な事件を追い掛けてるのか? あの、変な誘拐事件を」

バーバラ:「まぁね」彼を見て、どこをどう見てもナイルだしなーという顔をしながら。

ディアン:「誘拐、と言ったが、どこか、さらわれた先に、心当たりはあるのか?」

GM/フィリプ:「すまんが、俺の情報を公開する前に、あんたらの持ってる情報を教えてもらえないか? 俺の方は、守秘義務ってのがあるんで、それを聞いてからじゃないと」

バーバラ:「こちらにとっては、義理はないし依頼でもないから、バラしても問題ないけど、あなたもこの情報を、悪用しないでよ?」

GM/フィリプ:「いいぜ。業務上知ったことを、話しちゃいけないってのが、俺たちの不文律だ」

バーバラ:「こっちが掴んでるのは5件。あなたが知ってる事件と、かぶったら教えてちょうだい。まずひとりが、会社員のアルフ。ひとりが学生のサムソン。ひとりが就職活動中のノエル。ひとりが学生のケイン。ひとりが会社員のグレン。この中であなたが知ってるのは何人?」

GM/フィリプ:「俺が知ってるのは、サムソンとアルフだけだ。俺の方で掴んでいるのは3件」

バーバラ:「個人情報は伏せて構わないけど、どういう人間が誘拐されたか言える?」

GM/フィリプ:「ひとりは学者だ。もうひとりは船乗り。最後のひとりは、飛行機のパイロットだ」

バーバラ:船乗り?

GM/フィリプ:「3人が3人とも、そっちと同じだよ。家出する必要がない。雲隠れする理由もない」

バーバラ:「消えた現場に、何かおかしなことはなかった?」

GM/フィリプ:「俺が見た限りでは、糸のようなものを見つけた時があったな」

バーバラ:「例えば、こんな?」タッパーを開ける。

GM:「おお、そうだ」粘ついてない方の糸を見て、「そう、こんな糸だよ」

バーバラ:「それは、アルフが消えた現場で、見つけたのよ」

GM/フィリプ:「ってことは、そのアルフって人も、あれか、繭のようになって連れ去られたのか」

アンドレ:「そう、それだ、それそれ」

GM/フィリプ:「こっちの方も似たようなモンだ。繭になって連れ去られたとか、地面がいきなり二つに割れて、中に引きずり込まれたとか、ワケの判らんモンばっかりだよ」

ディアン:地面に、引きずり込まれた?

バーバラ:ノエルと同じね。

ディアン:「現場は、近いか?」

GM:「地図はあるかい?(地図を見せてもらう)ここと、ここと、あと、ここだな」全部別の地区ですね。

アンドレ:なんかこう、エリアが特定しているわけでもない。

バーバラ:「繋いでみると、絵になったりする?」

GM/フィリプ:「うーん。俺も今の話を聞いて、そう考えたんだが、星とか、逆十字とかには、なりそうにないなぁ」

ジョルト:時系列順に追ってったら、右から左に移動しているとか?

GM:そういうのもないですね。ジグザグ、ランダムです。

アンドレ:そうか・・・。

GM/フィリプ:「これで、もし、この中から、法則を見つけ出せる人間がいたら、そうだな、一度病院に行った方がいいかもしれんな」

バーバラ:「ま、そうね。ブリュッセルの、どこででも起きていると思った方がいいわ」

ディアン:「フィリプ」

GM/フィリプ:「おう、何だ?」

ディアン:「オレたちは、まだ、調べている途中だが、いなくなった人々が、ひとつの団体と関わりを持っているらしいことが、判っている」

GM/フィリプ:「言っているのは、‘ヘッドハンター’のことか?」

ディアン:「‘ヘッドハンター’? そういう名前なのか?」

ジョルト:「そうだ」って言う。

バーバラ:要は、フィリプが‘ヘッドハンター’と命名している、何者か。

GM:そういうことです。「まるで・・・闇の中で、目に見えない敵と、格闘している気分だ。だがな、俺はそれを見つけてみせる! 必ずな!・・・済まないな。邪魔をした」

バーバラ:「ミスター・フィリプ。あなたと我々は、利害が一致するわ。手を組まない?」

GM/フィリプ:「おう、そうだな。俺にできることなら、何でもするから、言ってくれ。小さなことかもしれんが、きっと彼らには共通点がある筈だ」

バーバラ:「可能性として、今考えられているのは、‘ヘッドハンター’の暗躍。今のところ何人もが、引き抜きやら、勧誘やらを、受けてるんだけど、その会社名とか判らない? それに関しての情報が少しでもあれば、情報を共有しましょ」

GM/フィリプ:「おう、オッケーだ」

バーバラ:「私の携帯か、あるいはこの教会に、連絡を頂戴。で、こちらからあなたに、連絡方法はある?」

GM:「これが俺の今の事務所の電話番号だ」がーっとメモに殴り書きして渡してくれる。

ディアン:「フィリプは、この事件を、ひとりで調べているのか?」

GM/フィリプ:「その通りだ。それが俺の、仕事だからな。まぁ、秘書を雇う金もないからな」

バーバラ:「用心棒が必要なら、連絡しなさい。協力しましょう。これに関してはね」

GM/フィリプ:「その時は、是非頼む。荒事はどうも苦手だし、この街も、つい最近来たばかりで不案内でな。じゃあ、また何かあったら連絡をくれ」

バーバラ:「最後にひとつ、探偵の勘として、あなた、犯人の狙いは何だと思う?」

GM/フィリプ:「探偵の勘として、か。そうだな。こういうことは、事件に携わる者としては言っちゃいけねぇかもしれないが、実は被害者は、もっと多いかもしれないな・・・」

バーバラ:「可能性は高いわね」

GM:「だが、見つけなきゃいけねぇんだよ。じゃあな」と言って、彼は出て行く。

アンドレ:ほぅ。使える相手だ。

バーバラ:「何て言うか・・・ナイルのハードボイルドって、相手するの疲れるのよね」(笑)


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